症状や原因や改善の対策は?セルフネグレストについて


セルフネグレストの原因や予防法【高齢者に多い?若者も?】
現代日本で大きく問題となっているのがセルフネグレストです。
高齢者に多いと言われていましたが、最近では若者にも発症すると言われています。
その症状や原因は何か、そして改善方法や具体的な対策など、皆が知りたい情報はすでに分かっているのでしょうか。
特に、若者に増加傾向にあるというお話が非常に気になります。
今回は、セルフネグレクトについて調べ上げ、できる限りの情報を提供して参りたいと思います。
セルフネグレクトの症状
セルフネグレクトとは直訳すると「自分自身への怠慢」となりますが、意味としては「自己放任」となります。
放任主義という言葉があるように、自分という存在そのものに興味が無くなっていくのです。
自分自身への関心が薄れていくので、周りの人たちからの評価もどうでも良くなって、人間関係も切り捨てるようになります。
また、ひどくなるとあらゆる行動をどうでもいいと捉えるようになるので、食事すらしなくなるでしょう。
食欲そのものがなくなっているのもありますが、自分自身がどうなってもいいという考えがあるので、食事をとって生き延びたいという考え方すら芽生えなくなるのです。
もちろん、清潔さへの関心も薄れますので、お風呂に入るとか掃除をするという考え方もなくなりますし、家はだんだんと汚れゴミが散乱する状況へと変わっていきます。
昨今騒がされている孤立死やゴミ屋敷などはこのセルフネグレクトが関係していると言われているのです。
セルフネグレクトの原因
ではいったい何故セルフネグレストになってしまうのでしょうか?
現代日本では人口が減る過渡期に突入しているのにセルフネグレクトは増えているので、かなり状況は深刻です。
このセルフネグレクトはウイルスや細菌によって引き起こされるのではなく、追い詰められることで心の病として発症するものとなっております。
その原因はいくつかありますが、人間関係が希薄になってしまうことと、手足を失うなどの大きな怪我や体が昔のように動かなくなるような病気になってしまうこと、大きな災害によって家族を失うとか大切なものが壊れてしまうこと等が原因となっているようです。
特に危険なのが、人間関係が希薄になって孤立してしまうことでしょう。
病気や災害は周りの人たちが積極的に手をさしのべることでセルフネグレクトになることを阻止する働きが強くなりますが、徐々に訪れる孤立は気がついたらセルフネグレクトになっていたというケースもありかなり深刻です。
セルフネグレクトは高齢者に多い?
現代日本では若い人もセルフネグレクトになりますが、それでもやっぱり高齢者の方が多いです。
先ほどの原因を探ると高齢者が多い理由も見えてきます。
ポイントは「人間関係が希薄になって孤立する」という部分でしょう。
高齢者の中でも、しっかりと仕事をして社会的なつながりがある人ならばいいですが、定年退職をして仕事をしていた人とのつながりほとんど無くなり、家族も皆ばらばらに暮らしているという人は孤立する確率が高いです。
さらに、近所付き合いが面倒でしていないという人ならばなおさらでしょう。
そんな人たちは一日中一回も誰とも会話をすることなく終わってしまうことがあります。
高齢者になると体の自由も失われていくので、「昔できたことが出来ないことへのいらだち」も発生するようになり、これに孤独が加わるとすべてがどうでもいいという考え方に傾いてしまいがちなのです。
若者にも増えつつある?
若者にもこのセルフネグレクトは増えつつあります。
特に気をつけるべきなのが、先ほど記載した孤立していくパターンです。
若い人たちというのは社会人になると新たにひとり暮らしを初めることも多いですが、その中で仕事がひたすらに忙しく朝から夜中までずっと仕事という日々を過ごしていくと、あらゆるものが嫌になっていったりします。
しかも、新しい環境なので知り合いもほとんどおらず、休日は家の中で溜まった動画やゲームをただぼーっとしながら見るといった状態になると、人としてのつながりも非常に希薄になります。
この状態になると、仕事においての人付き合いも最低限にしたいという気持ちが表れ、出来れば関わり合いになりたくないという考え方も浮かぶでしょう。
こうなると、自分にとって味方と言える存在がそばには一人もいないという状況になるので孤独を感じるようになり、コミュニティから孤立していくようになるのです。
このような状態になるとあらゆるものがどうでもいいと感じるセルフネグレクトになる確率が上がります。
セルフネグレクトの相談窓口は?
このセルフネグレクトはもはや社会問題なので、国や自治体も対策のために立ち上がっています。
市町村や地域包括支援センターに相談することができるようです。
厚生労働省から各都道府県に次のような通達が出ています(市町村や地域包括支援センターにおける高齢者の「セルフ・ネグレクト」および消費者被害への対応について)
ただし、本人がセルフネグレクトの改善支援を断るケースが多いので、対策を講じれないこともあります。
この部分の対処の方が難しいケースもあるのです。
セルフネグレクト改善の対策は?
セルフネグレクトの対策は地方自治体でもかなり進んでいます。
特に高齢者の孤独死は非常に増えているので、訪問対策や見守り対策、声がけ対策を地方自治体で率先して行っているという声もあります。
これらの対策を行っている地方自治体に協力する現地の人たちも重要で、新聞がすごく溜まっている家やゴミがあふれている家を見つけたら、できる限り報告してあげましょう。
対策をしている部署でも、セルフネグレクトが発生していることに気がつかないと先に進めません。
ただし、心と体が完全に分離している人はそもそも治りたいという欲求がなくなっているので、通常の対策では対処できないでしょう。
その場合には説得をしながらも体を綺麗にするとか体のケアから初めて心を戻りやすくするといった対処法も必要になります。
一度離れてしまった心と体を元に戻すのは非常に時間がかかりますので、根気よく接する必要があります。
もちろん、素人には難解な部分も多いので、専門家に相談しましょう。
セルフネグレクトの予防法
大きな事故や災害といったトラブルは防ぎようがありませんので、予防するには孤立を防ぐしかありません。
あらゆる人から孤立する状況になるとセルフネグレクトになってしまう確率が上がりますので、社会性を大切にすることがやはりセルフネグレクト対策としては一番となります。
人格形成というのは人とのつながりにおいて誕生するものであり、誰かに認められたいという欲求が満たされることで存在価値が高まっていきますので、その人が必要であるという状況を作ることが大切になります。
セルフネグレストにつきまして次のような書籍がございます。
岸 恵美子 (編集), 滝沢 香 (編集), 吉岡 幸子 (編集), 小宮山 恵美 (編集) セルフ・ネグレクトの人への支援
最後に
以上、いかがだったでしょうか。
今回はセルフネグレクトについてお伝え致しました。
若者のセルフネグレクトは筆者にとっても似たような状況に追い込まれたことがありますので、非常に胸に刺さります。
ブラック企業に勤めていてひとり暮らしをしていたとき、1ヶ月の残業が150時間程度で休日出勤も多く上司や周りの人すべてが嫌いだったのでとにかく孤独を望んでいました。
もしかしたらこの時の状態はセルフネグレクト一歩手前だったのかもしれません。
実際にそのような状況に追い込まれている若者が増えているために、若い人たちの発症者が増えていると考えると、何とも言えない心境になります。
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