てんかんにおける仕事や運転についてと症状や原因・治療法


てんかんの症状や原因【遺伝?】・治療方法と運転について
てんかんはなかなかに厄介な病気で、患っている人は仕事や運転に支障が出てしまいます。
しかし、症状は一つではないのでわかりにくいと感じる人もいるでしょう。
いったい原因は何なのか、治療できるものなのか、親から子へ遺伝するものなのかなど色々と疑問を持たれている方も多いでしょう。
今回はてんかんについて記載いたします。
てんかんとは?
「てんかん」という病気名について聞いたことがある人も多いでしょうし、症状もなんとなくは把握している人も多いでしょう。
しかし、具体的にどのような症状が出てどのような原因があるのかを説明できる人は少ない病気にもなっております。
このてんかんについて簡単に説明すると「通常とは異なる特殊な活動を脳の神経細胞がしてしまうことで引き起こされる事象」となります。
この脳の神経細胞のことをニューロンと呼ぶので、てんかん症状をニューロンという言葉を用いて説明する人もいるでしょう。
このニューロンに突発的な激しい電気的な興奮が発生してしまうことで、急に意識を失ってしまったり硬直してしまうという症状が出るようになるのです。
このてんかんは脳の発達や老化に伴って発症率がかなり変わるものであり、脳が未成熟な3歳以下が最も多く発症する可能性があり、その後は50代まで発症率が下がり、それ以降にまた急激に高くなるという傾向にあります。
症状について
てんかん発作は脳の一部が興奮する「部分発作」と脳全体が興奮する「全般発作」があります。
もちろん、後者の方が症状は重くなるのです。
まず、部分発作が発生した場合は意識障害になるケースとならないケースに別れます。
ならない場合は「単純部分発作」にカテゴリーされ意識障害になってしまう場合は「複雑部分発作」に別けられるのです。
単純部分発作の場合は顔や手足のこわばりやけいれんといった運動障害、目がちかちかするとか耳がうまく聞き取れないといった視覚聴覚障害、頭痛や吐き気といった自律神経の異常症状が出るようです。
複雑部分発作の場合は意識が失うという共通の症状がありますが、人によっては前後の記憶を失う記憶障害も発生するようです。
ただし、意識障害と言ってもパッタリと気絶するのではなくぼーっとした状態で動作がストップしたり、急にフラフラと意識することなく歩き始めると言った意味不明な動作を行うようになります。
端から見ても何かおかしいことに気がつけるでしょう。
そして、全般発作が発生すると意識を失ってしまったり全身にけいれんが発生するようになります。
突発的に動作を停止して呼びかけにも反応しないのでかなり危険な様子だと思ってしまうでしょう。
てんかんの人の割合や年齢は?
簡単にてんかんになりやすい年齢については説明しましたがもっと細かく説明していきます。
まず、日本ではてんかん発症率が人口100人のうち0.5〜1人であり1学年100人程度いる学校の場合は1人は煩っているということになります。
ただし、症状の大小はありますので、煩っていても気がつかない人も多いでしょう。
そして発症しやすい年齢は3歳以下と60歳以上です。
小児てんかんの患者さんの一部は発症していても成長とともに治るパターンもあるので、記憶に無い人でも実はてんかんに悩まされていたという人もいるのです。
原因について【遺伝?】
問題はこのてんかんは何を持って発症するのかということです。
脳のトラブルで電気信号が乱れることで発症するてんかんですが原因は特定できていません。
一説には遺伝によって発症率が変わるというお話もありますが、100%遺伝するという訳でもありませんので発症のしやすさだけが遺伝していると考えられています。
特に、突発性てんかんは遺伝以外の原因はわかっておらず解明できておりません。
また、症候性てんかんと呼ばれている何らかの病気や障害によって脳にトラブルを抱えてしまっているという人はその病気が原因となってきます。
具体的には脳出血や脳梗塞や脳炎といった脳にダメージを与えてしまう病気によるものです。
こちらは原因がはっきりしております。
検査方法について
てんかんは健康診断などの簡易的な身体の検査でわかるものではありません。
検査方法は発作時の状況を詳細に調べるといった問診や脳波検査などをして特定するしかないようです。
もっと具体的な検査をする場合は頭部CTやMRI等の画像をチェックすることもあるようです。
また、他の病気によってそれらの症状が出ているケースもありますので、てんかん以外の病気による症状の出方も検査によって排除する必要があります。
そしててんかんは意識障害や記憶障害が出るパターンも多いので患者本人が問診に答えられないケースも多く、症状が出たときに居合わせることが多い家族や親族に問診したりもするようです。
治療方法について
てんかんの治療の基本は内服薬を使っての治療となるでしょう。
どのような症状が出るのかを正確にチェックして脳の動作も調べた後に、ラモトリギンやカルバマゼピンなどいくつかあるてんかん用の薬から最適なものを投薬することになるようです。
もちろん、一種類の薬では抑制できないことも多いので、そのときは発作をコントロールするために併用することもあるでしょう。
これらの薬を使った治療でも効果が薄かった場合は手術を行うこともありますが、手術によって劇的に回復することは稀なようです。
もちろん、ある程度症状が回復したケースもありますが、全く効果が無かったパターンもあるそうです。
このように、原因も不明でありながら治療法も確定できないケースがあるので非常に厄介な病気なのです。
てんかんと自動車の運転について
てんかんは意識障害といった症状が出ることから自動車運転につきてはすごく危険です。
運転中に意識障害になってしまい事故に繋がったパターンも実際にあるのです。
「2011年4月の栃木県鹿沼市で発生したクレーン車による交通死亡事故」や「2012年4月に京都の祇園で発生した交通死亡事故」がいい例でしょう。
この事故によって道路交通法が変わり免許取得条件も変わりました。
『発作が過去5年間以内に起こったことがなく、医師が「今後発作が起こるおそれがない」旨の診断を行った場合』といったルールが設けられたのです。
ご参考サイト:てんかん情報センター http://epilepsy-info.jp/question/faq10-4/
てんかんと仕事について
てんかん症状が全く出ずに過去のものとなっている人ならば特に意識することなく好きな仕事につけられますが、意識がなくなる発作が出てしまう人は車掌さんやパイロットや高所作業が必要な職業にはつけません。
意識を失うことで自分の命を失う可能性の高い職業や他の方々の命を奪いかねない職業にはつくことができないのです。
症状があまりにも重いという人は、「公共職業安定所」または「心身障害者職業センター」に相談して「社会復帰プログラム」などの国の対策に期待するという形になるかと思います。
てんかんにつきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
厚生労働省 知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス てんかん
最後に
以上、いかがだったでしょうか。
今回はてんかんについて記載して参りました。
てんかんはこのように非常に厄介な病気でまだまだわからないことが多いのです。
解明すべき部分が多々ありますが、脳の病気ということで手間取っている部分も多いのでしょう。
発症者も意外に多いので、これからの医学の発展によって完璧な治療法の考案を期待したいものの一つとなっております。
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