アニサキスの冷凍での死滅温度【厚生労働省】家庭用では死なない?
アニサキスの冷凍での死滅条件!スーパーや回転寿司は大丈夫?
アニサキスによる寄生虫症への対策には昔から死滅温度になるように冷凍させることと言われております。
この温度は厚生労働省で提示されておりますが、家庭用の冷凍庫で出せるような温度では死なないという噂もあるのです。
一般の家庭で対処できないとなると、どうしたらいいのか?と不安に思ってしまいます。
本記事ではこのアニサキスはマイナス何度で死滅するのかや家庭での対策法を中心にお伝えいたします。
アニサキスとは?
アニサキスは回虫の仲間で幼虫移行症を引き起こす寄生虫のひとつです。
成虫はイルカやクジラといった海で生きている大きな生き物に寄生しておりますが、私たち人間に悪さをするのはいわゆる幼虫でこちらはイワシやサバといった私たちがよく食べるお魚の内臓表面に寄生しております。
ただし、この幼虫は生きているうちは内臓に寄生しておりますが、鮮度が落ちると内臓から筋肉内に移動すると言われており、魚のワタ抜きだけでしのげるものではありません。
この寄生虫は幼虫でも2~3cmのサイズがあるので、市販されているお魚をさばいているときに目にすることもあるでしょう。
幼虫でもとぐろを巻いているのではっきりと目にすることができます。
厚生労働省が定める冷凍でアニサキスが死滅する温度は?
このアニサキスに対する予防方法などは厚生労働省からしっかりと明示されております。
具体的に厚生労働省においてアニサキスに対していろいろと情報を提供しているサイトはこちらです
(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html)。
このサイトにはっきりと対処法が記載されており、冷凍保存する時は「-20℃で24時間以上冷凍」というのが条件となっております。
アニサキスは家庭用冷凍庫では死なない?様々な死滅条件は?
上述したように、冷凍でアニサキスを死滅させる条件は「-20℃で24時間以上冷凍」なのですが一般家庭にある冷凍庫では不可能です。
そこまで冷やすことは出来ません。
なのでそれ以外に死滅させる方法、あるいは避ける方法を行う必要があります。
こちらも厚生労働省の対策を実行するのがベストとなります。
厚生労働省の記載をそのまま引用すると、「新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除いてください」、「魚の内臓を生で提供しないでください」、「目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください」、「-20℃で24時間以上冷凍してください」、「70℃以上で加熱してください、60℃では1分」となりますので、これらを行うと良いでしょう。
アニサキスは鮮度が落ちた魚に住み着いている場合、内臓器官ではなく筋肉の方に移動する性質がありますので、内臓を除去しただけでは除外しきれない可能性があります。
アニサキスは加熱で死滅させるのがベスト?
目視でも見落としが発生する可能性はゼロではありませんので、実際にしっかりと死滅させたい場合はやはり加熱がベストとなります。
まんべんなく火を通して加熱してしまえば殺すことが可能なのです。
シンプルでありながら最も効果的な方法なので、アニサキスが怖くて生食を避けたいという方はしっかりと過熱して死滅させましょう。
ちなみに、アニサキスは酢でしめるというやり方は全く持って効果がありませんので、注意してください。
お酢には殺菌効果がありますので、寄生虫除去の方法としてお酢を使ってしめるというやり方が、かなり浸透しておりますが、アニサキスには効果がないのです。
塩漬けやワサビ漬けを行ったとしても死滅しませんので注意しましょう。
アニサキスは何に寄生する?
先ほどのアニサキスの紹介において簡単に紹介いたしましたが、改めて詳しく紹介いたします。
このアニサキスは成虫ならばイルカやクジラに住み着きますが、幼虫だとアジやサバといった私たちがよく食べる魚介類に寄生するようになります。
その他ではヒラメ・サバ・イカ・さんま・アジ・ブリ・タイ・ニシン・サケ・いくらにも寄生します。
マグロに寄生しているというお話はあまり聞きませんが、マグロ自体が幼虫が寄生しているお魚を食べる生き物なので、いる可能性はゼロではありません。
しかし、マグロは冷凍保存しているから大丈夫というお話もあり、後述するようにアニサキスはマイナス20℃以下での冷凍保存なら死滅するという情報もありますので、その温度以下で保存されることが一般的となっているマグロならばほぼ大丈夫という見方もあります。
スーパーや回転寿司の刺身は大丈夫?
アニサキスは厚生労働省から食品関連の業者に対しての注意喚起を行っているので、これをしっかりと守っている業者のお刺身ならばアニサキス対策は十分となりますので大丈夫と言えるでしょう。
実際に回転ずしチェーン店の「くら寿司」はアニサキス対策として先ほど記載した-20℃の冷凍保存をしっかりと行っているとかアニサキス対策として寄生しにくい養殖魚を使っているといった対策を行っており、健康被害が出ないように対策をしっかりと行っていることが分かっております。
実際に一度でもアニサキス被害が発生するとお店の信用度がかなり落ちますので、業者側も対策に必死なのでしょう。
消費者側はこれらの対策を信じて生食やお刺身を楽しむしかないでしょう。
それでもちょっと怖いという方はスーパーなどで買ってきたものには加熱処理などをしましょう。
そうすれば対策は取れることになります。
アニサキスによる症状は?
そんなアニサキスを体内に入れてしまうと、アニサキスが胃や腸の中で動きだしますので激しい腹痛が発生します。
胃の壁や腸の壁を突き破ろうとするためかみつくので、痛みが発生するのです。
それ以外には、吐き気・嘔吐・蕁麻疹といった症状が出てくる時もあります。
主な症状は痛みですが、この痛みは寄生虫のアニサキスが体内で生きている限り発生し続けるので長い人だと1週間程度続いてしまうこともあるでしょう。
特に厄介なのが、アニサキスアレルギーになってしまって、かゆみや発疹が出るようになってしまうことです。
このアレルギー体質になってしまいますと、アニサキスが寄生し得る魚介類は避けねばならなくなりますので、ほとんどの魚介類が食べられなくなります。
アニサキスアレルギーはアニサキスの幼虫を死滅させた魚介類でも、アレルゲン活性が失われないという情報がありますので、どのような処理を施してもアニサキスが存在していたら食べられないことになってしまうのです。
アニサキスに関しましては次のページも参考にして下さい。
アニサキスによる食中毒の予防につきましては次の厚生労働省のサイトに記載があります。
厚生労働省 アニサキスによる食中毒を予防しましょう
アニサキスにつきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
同友会グループ ~胃の寄生虫、『アニサキス』について~
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事ではアニサキスの死滅温度などをまとめ、対策について記載いたしました。
アニサキスは厚生労働省からも細かく注意喚起が出されておりますので、業者側も対策がほぼ必須となっており、当たり前のものとなっております。
しかし、消費者側からはこの当たり前の部分が実際に行われているのかどうかを見ることは出来ませんので、アニサキスが発症したことがあるのかどうかをチェックして信用するしかないのでしょう。
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