微小血管狭心症の症状と治療法【漢方薬が良い?】予防法は?
微小血管狭心症の症状や治療・予防法について
安静にしていたのに突然胸のあたりが痛む「微小血管狭心症」。
狭心症の一つであるこの病気は検査で見つけにくいという非常に厄介な特徴があります。
本記事ではこの微小血管狭心症の症状の他、どのように治療して、どのように予防するかにスポットをあてて検証していきたいと思います。
微小血管狭心症とは?
微小血管狭心症はその名前の通り、狭心症の一つです。
狭心症は冠動脈という大きな血管の流れが悪くなることによって起きる疾患ですが、微小血管狭心症は小さな血管が痙攣することで発生する病気となっています。
更にこの病気の特徴として更年期の女性に多発しているという点にあります。
理由として月経不順や更年期の女性は血管を広げる作用があるエストロゲンが急激に減少するために発症しやすいと言われております。
更年期の女性の10人に1人が微小血管狭心症であると言われており、多くの女性を苦しめている病気であることが解ります。
微小血管狭心症の症状
微小血管狭心症の症状は胸の圧迫感・息が詰まるような痛み・背中の痛み・胃の不快感・吐き気・あごや歯の痛み等があります。
これらの症状が安静にしている時に起こり、動いている時はほぼ起きないと言われております。
症状が出る長さもまちまちで数分で消えることが多いですが、数時間から1日と長時間続くこともあります。
発生回数は1年に数回から10回以内で、数年続きます。
ただし中には頻繁に起こる人もいるようです。
過労や不眠の症状がある方には症状が出やすい傾向にあるようです。
症状が更年期障害に似ているため、更年期障害と自己判断し放置されることがかなりあると言われております。
更年期の治療をしても効果が無い場合は微小血管狭心症を疑いましょう。
治療法について
治療方法は血圧を下げて血管を広げるカルシウム拮抗薬を用います。
更年期障害の症状も見られる方はホルモン補充療法を行うことがあります。
カルシウム拮抗薬は心臓にある細い血管を広げる作用があるため特に有効であると言われております。
逆に狭心症に対して一般的な薬であるニトロは微小血管狭心症には効果が無いといわれております。
それはニトロには微小血管の拡張作用が無いためです。
これが前述した微小血管狭心症は診察によって見つかり難いという難点につながります。
医者に「突然胸が痛みだした」と相談して検査を受けたけれども、何の異常も見つからず原因不明にされたとしても、カルシウム拮抗薬を飲むことで効果があるならこの症状は微小血管狭心症である可能性が高いです。
漢方薬は効果的?
微小血管狭心症は漢方が効果的であると言われております。
これは微小血管狭心症が血管のつまりではなく一時的な収縮が原因であるためです。
そのため微小血管の血流を改善する漢方薬やホルモンバランスを整える漢方は効果的であると考えられます。
ただし人によって進められる漢方は異なるので必ず漢方専門医や専門薬局で相談する必要があります。
原因について
微小血管狭心症の原因は微小な血管の収縮が原因です。
喫煙やストレスによって誘因されていると考えられております。
そして原因解明はまだできておりませんが、女性ホルモンとも関与しているといわれており、血管を広げる作用があるエストロゲンが月経不順や更年期によって急激に低下して体の冷えが起こるためという考えがあります。
エストロゲンが少なくなると血管の収縮が起こり狭心症を起こしやすくなってしまいます。
予防法について
先に挙げましたように微小血管狭心症の原因と考えられるものの1つにエストロゲン低下による体の冷えがあります。
ですのでこの冷えを治すことが予防の1つになります。
まず初めに自分の基礎体温を知り少しずつでも上げるように努めます。
基礎体温の測り方は、起きたら動かないで体温計を舌の下に入れて図ってください。
予防方法その1は体温より少し高めの40度ぐらいの白湯を目覚めたら一杯みます。
こうすることで内臓を温めつつ水分補給を行い血の巡りを良くします。
次に第二の心臓とも呼ばれるふくらはぎをもむ習慣をつけましょう。
ふくらはぎをもむことで足に溜まった血液を上半身に戻すよう促します。
毎朝運動をする癖をつけましょう。
このとき激しい運動ではなくウォーキング等の軽い有酸素運動がお勧めです。
お風呂に入る時はゆっくりと入浴するようにしましょう。
全身の筋肉がほぐれて血の流れを良くするため体温を上げるのに非常に効果的です。
できる限りストレスを溜めないようにしましょう。
過剰なストレスは自律神経にまで影響を及ぼしてしまい狭心症の原因になってしまうのでストレス解消のすべを身につけましょう。
検査と診断について
安静にしていると急に胸が痛むといった症状が出た場合、例えすぐにおさまったとしても病院に行き検査をするのが良いかと思います。
ですが微小血管狭心症の場合、検査をしても異常が見つからないというケースが非常に多いのです。
まず理由として2010年にガイドラインに書き込まれたばかりの病気であるといことがあげられます。
つまりまだ広く広まっていない病気であるということです。
循環器科の専門医がこの病気を知らなかった場合、見つけることができません。
さらに心電図検査や心臓カテーテル検査という狭心症に対する一般的な検査でも異常が見つからないこともあります。
微小血管狭心症にかかってしまい苦しんでいるのに医者には異常なしと言われてしまい対処のしようが無く、不安にかられてしまい、うつ症状を引き起こしてしまう人もいます。
更年期障害にも苛まれている方は不安感やうつ症状が強く出やすいので、ますます注意が必要です。
微小血管狭心症が起こりやすい年齢は?
基本的に心臓病は高齢になればなるほど発症しやすくなるものですが、微小血管狭心症の場合はこの定義から外れ、30~50代の人が発症しやすくなります。
ピークは40代です。
60代になるとむしろ発症者は激減します。
これは先に記載した女性ホルモンが関わっている可能性があるからと考えられます。
実際に40代の女性や50代前半の女性は発症しやすくなっており、更年期になることで心身ともに不調を感じる方に更なるトラブルとなって襲い掛かってくるのでしょう。
テレビ番組でも隠れ心臓病といわれておりますように、若い世代でも発症する可能性があるものなので、油断は禁物です。
参考URL ナイス!シニア 微小血管狭心症の症状は40代にピークを迎える
微小血管狭心症につきましては、以下のサイトも参考にしてみて下さい。
公益財団法人 日本心臓財団 微小血管狭心症ではないのでしょうか
NHK健康ch 微小血管狭心症とは?
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
「微小血管狭心症の症状と治療法【漢方薬が良い?】予防法は?」と題しまして、微小血管狭心症とはどのようなものであるのかを掘り下げて参りました。
微小血管狭心症は認知度が低いにもかかわらず多くの女性をなやましている非常に厄介な病気であることが解っていただけたと思います。
更年期の10人に1人という高確率で発症しているこの病気は、身近な人で発症している人もいるかもしれません。
もし更年期障害で悩まされている人がいた場合、さりげなく胸の痛みが無いかを聞いて微小血管狭心症でないかを確認してあげるといいかもしれません。
認知度が低く医者からも見つけられにくい非常に厄介な微小血管狭心症。
今回はこの微小血管狭心症に対する認知度上昇に繋がればと思い記載してまいりました。
微小血管狭心症に苦しんでいる人や周りの人が少しでも早くその症状に気が付いて、苦しみから解放されることを祈りつつ、今回の文章の締めとさせていただきます。
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