貧血の数値【6,7,8,9,10など】と症状及び対策
貧血の数値の意味や症状と対策について
貧血検査では基準値として10とか11などと数値で表現されますが、その数値の意味の他、貧血の症状及び対策について記載したいと思います。
貧血の悩みは女性に多く見られます。
頻繁にフラフラしたりすると不快であるのは勿論、仕事や家事、育児、遊びなどが思うようにできず本当に辛いことと思います。
ぜひ参考にして頂ければと思います。
貧血の数値の意味
貧血検査では基準値として8とか9とかいう数値が使われますが、これは血液中のヘモグロビンの濃度が8g/dl(1デシリットル中8グラム)や9g/dlであることを意味しています。
この濃度が男性で14g/dl以下、女性で12g/dl以下、妊婦で11g/dl以下、高齢者で12g/dl以下が貧血の目安となっています。
一般的に10、11の濃度は軽度、7~9の濃度は中度、4~6の濃度は重度と言われています。
重度の時は勿論ですが、軽度でも油断ぜずに対策を取ることが必要です。
貧血の症状に似たものとして「めまい」がありますが、めまいについては次のページをご参照下さい。
ヘモグロビンの働き
画像出典:ヘモグロビン低いナビ
ヘモグロビンの濃度と先ほど記載しましたが、ヘモグロビンというのは赤血球の中に含まれているたんぱく質で、赤い色をしています。
血液が赤いのは、このヘモグロビンの色素です。
ヘモグロビンは酸素と結合する性質を持ち、肺で酸素と結合すると全身に酸素を運び届けてくれます。
それがゆえに、血液中のヘモグロビンの濃度(量)が低くなると、全身に運び届けられる酸素の量が少くなり様々な症状が現れやすくなります。
頭痛は頭に流れる血液の量が少なくなった時に起こるのも一つの要因です。
頭痛に関連するページとして次のページがあります。
貧血の症状
貧血は圧倒的に女性が多いと言われています。
その比率は男性:女性=1:10くらいです。
日本人の成人女性の中で約17%が貧血なのだそうです。
貧血の人に現れる症状には次のようなものがあります。
①めまい・立ちくらみ【脳が酸欠状態になることで起きたりします】
②動悸・息切れ【体全体が酸欠状態になるので、たくさん血液を送ろうとすることで起きたりします】
③疲労感【体全体が酸欠状態になるので、慢性的に疲れを感じたりします】
④食欲不振【内臓の働きが悪くなり、食欲不振に陥りがちになります】
⑤慢性的に眠気がある【脳が酸欠状態になることで眠気を感じやすくなります】
⑥顔色が悪い
⑦手足がしびれる
⑧寒さを感じやすい
⑨イライラしやすい・・・など
一般的には貧血の症状というと立ちくらみのような症状を思い浮かべがちですが、色々な症状が貧血と関わっています。
動悸に関する内容については次のページをご参照下さい。
貧血の原因
貧血には次のような種類および原因があります。
鉄欠乏性貧血
ヘモグロビンの合成に必要な鉄分が不足することで起こる貧血です。
食生活に乱れがあると鉄分が不足したります。
主にめまいや立ちくらみ、動悸・息切れ、疲労感などの症状が起きます。
貧血の中で約70%と最も多く見られるタイプの貧血です。
ピロリ菌に感染していると、鉄欠乏性貧血になる1つの要素になると言われています。
ピロリ菌に関する内容につきましては次のページをご参照ください。
悪性貧血
ビタミンB12と葉酸の不足が原因となって起こる貧血です。
これらの栄養素は正常な血液を作る為に必要な栄養素です。
赤血球になる前段階の赤芽球が栄養を十分得ることができず、赤血球になる前に壊れてしまいます。
主にめまいや疲労感、手足のしびれ、食欲不振といった症状がみられます。
悪性貧血の詳細については次のページをご参照下さい。
失血性貧血
出血を伴うことによって起こる貧血で、【急性失血性貧血】と【慢性失血性貧血】があります。
【急性失血性貧血】は大怪我をしたり手術などで大量出血を伴った時に起こります。
【慢性失血性貧血】は胃潰瘍、痔、月経過多などによって、少しずつ出血するような症状がある場合に起こります。
再生不良性貧血
画像出典:認定特定非営利活動法人 あいち骨髄バンクを支援する会(あいちの会)
血液は骨髄で作られますが、血液を作る機能が低下し赤血球が減少(白血球や血小板も減少)します。
その結果、めまい、立ちくらみ、息切れ、動悸、感染(発熱など)、出血(血が止まりにくくなったりします)などの症状が起こります。
めまい、パニック障害、動悸、過敏性腸症候群といった症状は次のページを参考にして下さい。
続発性貧血
色々な病気が原因となって起こる貧血です。
腎臓・肝臓・脾臓・肺などの病気や慢性炎症疾患、慢性感染症、内分泌疾患、がん、膠原病など様々あります。
原因となっている病気を治すことで貧血も治ります。
溶血性貧血
人の赤血球の寿命は120日ほどありますが、この寿命が1/10くらいと極めて短くなること(溶血)で起こる貧血です。
先天性のものと後天性のものがあり、先天性では、赤血球そのものの異常が溶血の原因です。
後天性の溶血性貧血の中でも多いのは「自己免疫性溶血性貧血」というもので、赤血球を破壊する抗体が体内で生成されてしまうことによって溶血が起こるというものです。
脳貧血
血液内のヘモグロビン量とは無関係で、急に起き上がったり立ち上がったりすることで血圧が急激に下がり、脳の血液量が少なくなり酸欠状態となって立ちくらみやふらつきなどが起こります。
立ちっぱなしでいたら倒れたというのもこの脳貧血になります。
脱水状態や血管拡張薬・降圧薬などの薬の使用によって起きたりする他、自律神経の乱れによって、急に起き上がった時に血液を一気に下に下がらせないための血管の収縮が上手くなされずに脳貧血が起こったりします。
自律神経については次のページをご参照下さい。
貧血の対策
最も割合の高い鉄欠乏性貧血についてはミネラルである鉄分の摂取を心掛けるようにしましょう。
鉄分の多い食べ物には豚肉レバーや鶏肉レバー、あゆ、しじみ、いわしなどがあります。
ちなみにコーヒーや紅茶、緑茶、赤ワインなどに含まれている渋みの成分タンニン、さつまいもやキャベツなどに含まれているシュウ酸、食物繊維の過剰摂取は鉄分の吸収を妨げますので、鉄分を摂取する際のメニューは組み合わせに気をつけるといいでしょう。
また病院では鉄剤を数ヶ月服用するといった治療を行なっています。
悪性貧血の場合もビタミンB12や葉酸の不足によって起きますので、これらの栄養素を摂取することで改善が十分期待できます。
ビタミンB12が多い食べ物はしじみ、赤貝、あさりなどの貝類や牛肉レバー、豚肉レバー、いわしなどがあります。
その他の病気が原因で起こっている貧血については病気そのものを治す必要があります。
従いまして、貧血と思われる症状がある場合は、まずはお医者さんに診てもらい、改善法を提案してもらうと良いでしょう。
貧血対策として「鉄分」を摂取することは有効ですが、やはり一番大切なことは栄養バランスの良い食事を摂るということです。
栄養バランスの良い食事については以下のリンクをクリックして頂き「バセドウ病の食事量と栄養バランス」の見出し部をご参照ください。
バセドウ病の方に限らず、全ての方にとって大切な食事の考え方になっています。
妊婦は貧血になりやすい?対策は?
妊婦さんはどうしても胎児に栄養素や血液を送る必要があるので、自分が使える血液量が少なくなってしまいがちです。
特に、つわりがひどい人はちゃんと食事を摂ることができなかったりするので、余計に鉄分不足になって貧血が多く発生しやすくなるでしょう。
妊娠の中期や後期ならばある程度つわりが収まるので食べることもできるでしょうが、妊娠初期のようなつわりがひどい期間はどうしても貧血が避けられないという人も多くなってしまいます。
また、妊娠初期から鉄分不足になってしまった人は、その後の貧血が重くなることもあり、出産まで貧血に悩まされてしまう方ケースもあります。
この対策にはやはり食生活の改善しかありません。
貧血気味の人は鉄分や鉄分の吸収力を上昇させてくれるビタミンCやタンパク質を積極的に摂取しましょう。
ただし、ビタミンAの摂取が過剰になってしまうと赤ちゃんの体に悪影響が出る恐れもあるので、レバーは避けた方がいいでしょう。
熱中症につきましては次のページをご参考にして下さい。
貧血につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
タケダ健康サイト 貧血
最後に
貧血の検査を行うと、その結果は8とか9などの数値で表されますが、その意味はヘモグロビンが血液中に1dlあたり何g存在しているかという数値です。
男性で14g/dl以下、女性で12g/dl以下、妊婦で11g/dl以下、高齢者で12g/dl以下が貧血と判断されます。
一般的に10、11の濃度は軽度、7~9の濃度は中度、4~6の濃度は重度と言われています。
貧血の症状としてはめまいや立ちくらみの他、動悸、息切れ、疲労感、食欲不振など色々あります。
ですので、当てはまる症状がある場合は貧血である可能性もあります。
貧血の原因には鉄分やビタミンB12といった栄養が不足している場合や何かの病気によって引き起こされている場合があります。
貧血対策としては、栄養が不足している場合は、その栄養を摂取するよう心がけ、病気が原因になっている場合はその病気を治すという形になります。
貧血と思われるの症状が気になる場合は病院に行って診てもらいましょう。
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