肘の剥離骨折の症状や原因は?治療は手術?リハビリ方法は?
転倒などでの肘の剥離骨折の原因や治療について
剥離骨折はなかなか完治しない厄介なものです。
よく耳にする症状でもあり、肘で剥離骨折が起きることもあります。
その症状や原因はどのようなものなのでしょうか?
また治療は手術が必須なのかやリハビリについても気になるところです。
本記事では肘の剥離骨折の症状や原因および治療法を中心にお伝えしたいと思います。
肘の剥離骨折の症状は?
剥離骨折が肘に発生した場合というのは、上腕骨内側上顆(上腕骨小頭の外側にある隆起)に付着している腱や靭帯などが投球動作で引っ張られたことにより、付着部の骨が剥がれてしまった状態になっています。
初期症状は肘の内側が痛み始めて、野球のピッチャーをやっている子供ならまず投げられなくなるでしょう。
骨折した部分の筋肉が腫れて炎症を起こすようになるので、見た目でも異常に気が付けるかと思います。
そして、ただの腫れだった場合は放置することで治りますが、剥離骨折の場合は治らず進行することの方が多いと言われております。
基本的に剥離骨折は骨が折れるというよりは剥がれているという状態なので、無理をすれば動かせるものなのですが、激しい痛みを伴うようになるので痛みを感じた時点で無理は禁物となります。
原因について【野球などスポーツ?】
剥離骨折の原因としてスポーツをしている方々が、継続的にある一定の運動を行ったり、無理な動作が続いて、肘を酷使したりすることで発生することが挙げられます。
特に多いのが野球で投手をやっている子供たちです。
おそらく野球を詳しく知らない方でも「野球肘」という言葉を聞いたことがあると思います。
この野球肘には色々な症状があるのですが、その症状の一つに剥離骨折があります。
基本的に野球のピッチャーは投球動作を行うことで外側に肘を反らせる必要があり、肘の内側に牽引力がかかって外側には圧迫力がかかるようになるのです。
そのため肘に相当な負荷がかかり続けるので、靭帯付着部分で剥離骨折が発生します。
特にこの剥離骨折に悩ませられているのは小中学生の子供が多く、子供は大人よりも骨が柔らかいので、過度な負荷がかかると剥離してしまうのです。
また、転倒によって肘を強打した場合でも剥離骨折する可能性もあるので、スポーツマン以外の方も要注意となっています。
治療方法は手術?
肘の剥離骨折は突発性のものではないのなら、安静にすることや、温熱療法・電気療法といった保存療法が基本となっています。
鎮痛剤を用いてギブスを使って固定しながら治すといったものもある他、手術によって骨を固定するケースもあります。
この判断は医師によって変わってくるようですが、とある医師の言葉を借りると「剥離骨折はズレが大きいのなら手術、小さければ様子見」といったものがありました。
このズレが大きいとか小さいという判断は検査を行っている医師によるものになります。
ただし、転倒による強打で発生した剥離骨折と、継続的な疲労が溜まって発生した剥離骨折では対処法が異なり、継続疲労が原因なら手術よりも、安静にして固定することが優先されると言われております。
手術を行った後のリハビリは、手術をしない場合よりも完治までかなりの時間を要するので、判断が難しいところではあるようです。
治療後のリハビリ方法は?
剥離骨折によるリハビリは手法がいろいろあり一概には言えないとされております。
現代治療で主流なのは痛みが無い程度に積極的に動かすことだと言われておりますが、この見解も医師によって異なるので、具体的な内容は医師と要相談としか言えません。
この痛みに関する考え方もいろいろあって、「痛みがあったとしても動かせるだけ動かさないと、肘は固まりやすいから後遺症が残る」という説と「痛いというのはストレスに繋がり、筋の緊張を増やして、機能回復を遅らせる」という説もありました。
読まれて分かると思いますが、全く正反対の説です。
これらの意見はネット上でも議論されており、答えが出ていない状況なので、最も信頼できる先生を口コミなどで探してリハビリをするのが正解としか言えないでしょう。
診断方法はレントゲン?
基本的に、剥離骨折を診断する方法はレントゲンとなっておりますが、まずは患者に問診を行い、どのようなことをして痛みが生じるようになったのか、どのような動作で痛むのかを確認して、経緯を理解してから触診を行ってレントゲンを撮るようです。
その後、人によってはCTなども使うことがあるでしょう。
場合によってはMRI検査を行うこともあります。
基本的に剥離骨折が発生していると腫れが生じて不自然な出っ張りが生じることもあるので、その場合は子供が隠していたとしても、親が注意深く観察していたら間違いなく気がつくことができます。
スポーツをやっている子供の場合、痛みがあったとしても大切なチャンスが目の前にあると無理をする傾向にもあるので、痛そうにしていないか親が気が付けるよう注意してあげましょう。
全治する期間は?
全治する期間は保存療法になるのか手術療法を行うのかによって、大きく変わるでしょう。
保存療法によって回復できる場合は数ヶ月は様子を見る必要がありますが、この間は動かすのは禁止となるでしょう。
また、手術が必要の場合はリハビリを含めて長い人では1年ほどかかることもあります。
手術を行った後に6週間ほど固定を行った場合は約6ヶ月かかるという話もあるので、肘の剥離骨折は非常に時間がかかると考えていただいたほうがいいでしょう。
予防方法は?
突発的な剥離骨折の場合はまず、転倒といった事故を無くすことが大切になるので注意力を身につけると言ったことしかアドバイスができません。
しかし、慢性的な疲労からくる剥離骨折の場合はその疲労の原因を少しでも減らすことが大切になります。
具体的には野球のピッチャーが多い肘の剥離骨折は、とにかく投球過多にならないように気を付けて、運動を行った後のケアをアイシングなどで徹底的に行い、運動前にもストレッチといったケアを行うようにしましょう。
また、肘の負担を少しでも減らすためには筋力をつけることも有効と言われているので、投球練習を行う以外にも筋トレやインナーマッスルの強化を意識するようにしてください。
ただし、子供のうちの過度な筋トレは悪影響を及ぼすので、大人がこれらの知識を手に入れて、しっかりとした身体ケアをできるようにしてください。
無理をしても無茶をしても頑張る子供の場合は特に要注意です。
剥離骨折に関しましては次のページやサイトも参考にしてみてください。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では剥離骨折が肘で発生した時について色々と考察してきました。
野球を愛する人にとって大敵なのが怪我なのですが、ピッチャーの場合特に気を付ける必要があるのは野球肘です。
この野球肘は多くの人たちが悩まされてきたので、この野球肘にならないようにするためのトレーニングといったものもたくさん考案されるようになりました。
そのため、子供が野球を行っている方は、肘が無理に「外反」する状態に耐えられるように内側側副靭帯を鍛えるトレーニングを教えたり、肘の外反しない投げ方を教えたり、指導者が意識して下さっているかチェックしてみられると良いでしょう。
LEAVE A REPLY