急性腎不全の症状や原因・食事など治療法!予後・余命は?
急性腎不全の症状や透析など治療法について
急性腎不全という言葉は聞いたことがある人も多いと思いますが、具体的な原因や症状、治療法や予後、余命といった部分まで踏み込んで把握されている人は少ないと思われます。
治療にあたっては食事にも注意が必要なようです。
本記事ではこの急性腎不全の全般的なことについて触れてみたいと思います。
急性腎不全の症状は?利尿期とは?
急性腎不全は腎臓の機能が低下することで様々な弊害が発生する現象のことです。
つまり、病気の名前ではなく腎機能が低下する病気のせいで引き起こされる弊害だと思って頂ければと思います。
腎臓の機能低下が発生するとどのような症状が起こるのかというと、糸球体濾過機能の低下により尿量が減っていきます。
具体的には正常な人の尿量は1日に500~2000mlと言われておりますが、これが400ml以下となるようです。
乏尿になったりむくみ・疲労感・食欲不振・悪心・めまい・全身のかゆみ・頻脈などが発生し、稀に血尿が出ることもあるとのことです。
また、利尿期という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、急性腎不全になると治療の段階で発症期→乏尿期→利尿期→回復期という手順をふみ、時期によって対応が異なるようです。
利尿期というのはしっかりと不要な尿を排出する時期になります。
原因について
急性腎不全になる原因は色々とあります。
まず過度な出血や下痢によって循環血漿(けっしょう)量が減ってしまったり、心筋梗塞などの心臓機能の低下や末梢血管障害が原因で腎前性の障害が出て急性腎不全になることもあります。
そして、高カルシウム血症や急性糸球体腎炎や悪性高血圧によって腎臓自体に障害が発生しても急性腎不全になることがあります。
それ以外には腎臓でつくられた尿がうまく体外に運ばれなくなってしまうことで急性腎不全になることがあります。
これは尿を体外に排出するための経路である尿管や膀胱などで閉塞が発生してしまうことが原因のようですが、疑われる病気は泌尿器科的な病気や他臓器の腫瘍の後腹膜への転移が考えられると言われております。
それ以外にはO-157大腸菌感染といった日本を一時期騒がした菌によって糸球体に対して悪影響をもたらして腎不全になることもあるようです。
例外的に病気ではなく、様々な抗生物質や鎮痛剤を飲んでしまったことからアレルギーが発生し腎臓に悪影響が出る薬剤性急性腎不全というものもあります。
治療法について【透析が必要?】
急性腎不全は様々な病気などの原因によって発症するものなので、その原因を取り除く必要があります。
原因によって点滴・輸血・薬の投与・手術・副腎皮質ステロイドホルモンの単独投与などが行われるようです。
薬剤性が原因の場合は薬の量を減らしたり、中断したりといった対処が行われるようです。
ただし、尿細管壊死による急性腎不全の症状が出てしまった方は原因を除去しても腎機能はなかなか回復しないと言われており、腎機能の自然回復を期待することになるとのことです。
そのため、急性腎不全の症状がどこまで出ているのかによって透析の必要性も変わってきますが、一時的に透析療法を必要とするケースもあるとのことです。
腎機能が回復しないと判断された場合は人工透析も必要となるでしょう。
食事療法について
急性腎不全の人は腎機能が低下するので、食生活については必ず指摘を受けるようになります。
具体的にはタンパク質・塩分・カリウム・リンといった成分の摂取量を制限されるようになります。
最初のうちに少し説明しましたが、急性腎不全は発症期→乏尿期→利尿期→回復期という段階を踏みながら治療を進めるので、この段階によって治療内容が変わってくるようになります。
食事に対する制限もこれらの段階によって変わってくるのです。
例えば、タンパク質においては乏尿期の人は体重1kgあたり0.2gですが、利尿期なら0.5g、回復期なら1.0gとなってくるので、医師の指示による食事の規制はしっかりと守るようにしましょう。
それ以外には腎臓の負担を減らすために、水分摂取量も指摘されるようになるでしょうし、カロリー摂取量についても指示されるようになるでしょう。
急性腎不全は治る?予後・余命は?
急性腎不全は治る可能性もありますが、尿細管壊死による急性腎不全の場合は腎機能が回復する可能性は低いと言われておりますので、原因を除去したとしても急速に腎機能が回復するとは考えられておりません。
しかし、他の原因による急性腎不全の場合は治療方針に従って治療を行うことで腎臓への負担が減り、治る可能性も上がると言われているのです。
つまり、原因が何かによって完治するのかどうかが変わってくるので、予後や余命がどうなってくるのかを一律に申し上げることはできないのです。
検査・診断法について
急性腎不全の検査方法は血液検査を行うことが一般的となっております。
他には尿検査・超音波検査・CT検査・MRI検査・X線検査など画像による確認も行われるようですが、一番の主流となっている方法は血液採取による血清クレアチニン量の確認です。
ただし、腎不全の症状が急性なのか慢性なのかによって治療方法が変わってきますので、どちらに属するものなのかを正確に知る必要があると言われております。
その見分け方として、既往歴の確認を行うこともあるでしょう。
慢性の場合は、たまたま別の検査に行った時に発見されたりと偶発的に発見されることが多いと言われており、高血圧や蛋白尿といった既往歴を持っていることが多くなっております。
急性の場合は嘔吐や下痢といった症状の他にも手術や薬剤投与などの明らかな負担から発生していることが多いので、どのようなことがあったのかを確認することになります。
これ以外には急性腎不全では腎サイズが大きくなることが多く、慢性腎不全では小さくなることが多いのでそちらの見分け方を使うところもあるようです。
運動後急性腎不全とは?
運動後急性腎不全とは短距離走などの無酸素運動を行った後に発症するものです。
急激な運動の後に嘔吐や腰背部痛の症状が出るようになるので、これが特徴となっていると言われております。
ただし、初診では尿路結石や胃腸炎などの別の病気と診断されることが多いと言われており、かなり厄介な病気と考えられます。
若い男性に多く発症しているのですが、まだまだ分からない部分も多い病気なので今後の研究が待たれている疾患の一つとして扱われております。
急性腎不全と慢性腎不全の違いは?
多くの病気にある慢性と急性ですが、急性の場合は急激に症状が悪化して進行するものなので、原因を取り除くことで治る確率が比較的高いとされています。
慢性の場合は少しずつ症状が悪化して腎臓の機能低下が発覚した後では治らないことが多いと言われております。
急性の場合は何らかの疾患や病気が原因となることが多いのですが、慢性の場合は高血圧や糖尿病といった生活習慣病が原因となっており、少しずつ腎臓の機能が低下していくものとなっているのです。
つまり、慢性の腎不全と診断された時には症状がかなり進行していることも多く透析療法に直ぐ移行する必要がある方もいるようです。
腎不全につきましては次のページも参考にしてください。
急性腎不全につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では急性腎不全について紹介してまいりました。
急性腎不全は厄介な病気ではありますが、治療可能なケースが多いので慢性のように発見した時には手遅れで、腎機能を取り戻すことができないと言われるものよりはまだ良い方と言えるでしょう。
様々な病気が原因となっているので、まずは原因となる病気を治すことが大切になります。
LEAVE A REPLY