チョコレート嚢胞とは?症状や原因と治療法や再発について
チョコレート嚢胞の症状と手術など治療法【妊娠は可能?】
女性にとっては非常に重い病気である子宮内膜症の一つにチョコレート嚢胞と呼ばれるものが存在します。
この病気に関して、どのような症状が出るのか、原因は何なのか、治療できるものなのか、再発の危険性はあるのか、発症しても妊娠することに影響はないのかなど色々と気になってしまうでしょう。
本記事ではチョコレート嚢胞に関する様々な情報をお伝えしたいと思います。
チョコレート嚢胞とは?
チョコレート嚢胞は子宮内膜症の一つで、20~30歳代の女性に見られることが多い子宮のトラブルです。
このトラブルは月経血成分が卵巣に溜まってしまうことで卵巣が肥大化してしまうことで起こります。
子宮内膜症は女性の3~10%とかなり高い割合で発症する病気であり、現代でも増え続けている病気なので気にしている人が多く、若い人に身近な病気ということで、警戒されている病気となっています。
治療が長期に及ぶことも多いようですが、早期発見による治療が行われればそのトラブルの規模も小さくなるので、通常通りに妊娠することも可能となって将来も安心して過ごせるようになります。
症状について
チョコレート嚢胞は月経血成分が卵巣に溜まってしまうことで症状が重くなります。
つまり生理周期が来るたびに重くなると言うことです。
具体的な症状は生理痛・排便痛・性交痛・骨盤痛・不妊症であり、放置することでこれらの症状がどんどんと重くなっていくのです。
発症期間が長くなると古い血液がチョコレート嚢胞から漏れ出すようになって骨盤内にこぼれるようになったりします。
こうなると古い血液から病気に感染してしまうことがあり卵巣膿瘍といった病気を引き起こすことがあるのです。
つまり放置すると合併症のリスクも上がるということになります。
この合併症まで併発すると強い痛みの他に発熱などの症状も出ると言われているのです。
また、あまりにも肥大化すると破裂することもあり、この場合は急性腹症(急激に発症し、激しい腹痛を伴う数多くの疾患の総称)になってしまって緊急手術を受けることになるでしょう。
急性虫垂炎とその時の症状や痛みが出る場所が似通っているため、そちらの対応が最初はとられたりしますが、緊急手術中に発覚することがあるようです。
原因について
生理痛・排便痛・性交痛・骨盤痛・不妊症など厄介な症状を引き起こしますし、発症確率も高めであることから警戒したいところなのですが、チョコレート嚢胞は原因が分かっていません。
子宮内膜症が卵巣内部に発生することで卵巣腫大が見られるようになるのですが、どうしてそのような状態になってしまうのかがはっきりしておりません。
いくつかの仮説が立てられているようですが、その中でも最も確率が高いと言われているのは月経血の逆流で、逆流が発生してしまうような行動をすると発生確率が高まるのではないのかという推測が立てられています。
生理の回数が多めの人ほど発症するという意見や、遺伝によって発症確率が上がるという意見もありますが、全てはまだ憶測なので未だに原因究明は終わっていないようです。
もちろん、更年期を迎えて生理周期が終われば子宮内膜症の症状も治まります。
検査方法について
子宮内膜症の検査は生理痛の変化などを問診から確認してそこで疑いがあるのかどうかでスタートします。
疑いがあった場合は内診にて子宮の後方にしこりがあるのか、圧痛はあるのか、腫大が発生しているのかどうかをまずは確認します。
卵巣腫大の有無がチョコレート嚢胞かどうかを判断するポイントになりますので、超音波検査やMRI検査で卵巣内に腫大が発生しているのかどうかを確認することになるでしょう。
血液検査で血液中のCA-125という腫瘍マーカーが発生していればチョコレート嚢胞の可能性が高くなるようですが、あくまでもこちらは副次的なもので基本は内診とMRIや超音波検査が主体となるようです。
他の卵巣嚢腫との区別が難しいケースもあるとのことなので、MRI検査も積極的に取り入れられているようです。
チョコレート嚢胞は癌化する可能性も?
あらゆる病気に対する治療法が確立されつつある中、まだまだ多くの人を悩ましているのが癌で発見が遅れてしまった場合は現代医療でも治すのか難しいものとなっています。
そんな癌になってしまう恐れがあると言われているのがチョコレート嚢胞です。
チョコレート嚢胞の癌化はかなり前から問題視されており、いくつかのデータも出そろっているという報告もあります。
チョコレート嚢胞は閉経後に症状が治まると説明しましたが、放置し続けることで癌化率が上昇するようで、症状が出ないからと放置し続けるのは避けた方が良さそうです。
発症確率が高い20~30代が癌になる確率は1%と非常に低いのですが、40歳以降は4~5%と急激に確率が上昇し、50歳以降の癌化率は20~25%とどんどん上がっていくというデータがあります。
要するに、放置するのは間違いなのです。
治療方法について【手術?】
チョコレート嚢胞と診断された場合の治療法は基本的に年齢や妊娠の希望の有無に関わらず腹腔鏡下手術になってしまうようです。
ホルモン剤を使った薬物療法もあるようですが、基本的には嚢胞の摘出手術が必要になると考えて良いでしょう。
ただし、妊娠や出産の希望がないという方の場合は再発防止も含めて卵巣摘出術が選択肢に入るようです。
再発率が高いのでその選択も間違いではないのでしょう。
現代医療における手術は腹腔鏡手術が基本となっています。
この腹腔鏡手術の発達は近年めざましいとのことで、ほとんどの病院で取り入れられているでしょう。
妊娠は可能?
チョコレート嚢胞はどのような治療をしたのかで妊娠の確率が大きく変わります。
再発防止のために卵巣を摘出してしまった人は妊娠の確率もゼロになってしまうでしょう。
一般的には嚢胞摘出術が行われますが、早期治療を行った場合、妊娠は可能になるという意見が多く、軽傷のうちに治療が出来た人なら50%くらいの確率で妊娠できるという報告もあります。
ただし、再発率もかなり高く、再発してしまった人は妊娠できないと言われております。
これは担当する医師の技量や治療法に依存しますので明確な数字を出すことは困難でしょう。
再発について
先にも少し触れていますが、非常に厄介なことに、このチョコレート嚢胞は高確率で再発すると言われております。
2009年の報告によると術後2年が20%で5年では40~50%が再発するというデータがあるのです。
女性ホルモンの影響を受けて増殖してしまうのが子宮内膜症なので、一時的な治療で生理を止めるといった対策をしていた場合、治療が終わってしまうと再び発生してしまうのです。
病院によっては再発を警戒して治療後も薬物療法を続けることがあります。
チョコレート嚢胞につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
生理痛や不妊症などのトラブルを引き起こすチョコレート嚢胞ですが、明確な予防法も原因もまだまだ分かっていないというのが現状のようです。
しかも再発率が高いという状況もあり、なかなか悩ましいものとなっています。
現代医療がさらに発展することで原因の究明が出来き、効果的な治療法が見つかることに期待するしかない状況です。
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