萎縮性胃炎の治療は薬を使う?良い食べ物や生活習慣


萎縮性胃炎とピロリ菌や癌との関係【薬の副作用は?】
胃の粘膜に対するダメージが蓄積されてしまうことで発症するのが萎縮性胃炎です。
この萎縮性胃炎はどのように治療すれがいいのか、薬は何が効果的なのか、良い食べ物や生活習慣とはどのような関係があるのか、そもそもピロリ菌と関係があると言われているし癌とも関わりがあると言われているがいったいどういうことなのか、といった疑問点が多数存在します。
そこで、今回は萎縮性胃炎について触れ、治療法や予防法についてまとめて参ります。
萎縮性胃炎とは?
慢性胃炎という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
これはいわゆる慢性的に胃炎が続いている状態の人が発症してしまうもので、原因はヘリコバクター・ピロリ菌の感染にあると考えられています。
このピロリ菌に感染すると胃粘膜が痛め続けられるようになるので、徐々にじわじわと炎症が広がっていくのです。
暴飲暴食による急性胃炎とは違いピロリ菌によってダメージを受け続けるのでずっと胃炎状態になってしまいます。
この状態が続いてしまうと胃の粘膜の胃液や胃酸などを分泌する組織そのものが弱ってしまうので、胃の機能低下が発生します。
一説には粘膜の修復と破壊が何回も繰り返されることで薄くなると言われております。
胃の粘膜が非常に薄くなっていくので正常に機能しなくなって血管が薄らと透き通って見えるようになってしまうと、いわゆる胃の萎縮が始まるので萎縮性胃炎になってしまいます。
治すには病院にいくべき?
放置されがちな萎縮性胃炎はピロリ菌によって発症するものであり、ピロリ菌がいることで癌になる確率が高まってしまうという現実が存在しているので、除菌してもらうためにも病院に行くべきです。
胃潰瘍などの一部の病気では当たり前だった除菌ですが、2013年から慢性胃炎の原因となっているピロリ菌の除菌も保険対応となっているので安心して病院に行くことが出来ます。
ただし、この除菌が一般的になってしまったことで除菌に対する耐性を持ってしまったピロリ菌が広まっているとのことで、除菌成功確率が下がっているとのことです。
それでも薬を使った二次治療が存在していますので、病院に行くことが無意味という訳ではありません。
何もしない状態では除菌も出来ませんので、治療のためにも病院に行きましょう。
昔は放置されてきましたが、色々と原因がわかったことで病院に行くことが一般的になりつつあるのです。
治療には薬を使う?
ピロリ菌の除菌は市販薬ではできません。
病院から処方される除菌効果がある薬や胃酸を抑える薬、そして抗菌薬といった複数の薬を1週間服用することで治療を行うようです。
要するに、ピロリ菌除去が必須なのでその除去効果のある薬などを含めた薬を使った治療が中心になると言うことです。
もちろん生活面でもストレスがかかりすぎると胃の筋肉が緊張するので血行不良になり萎縮性胃炎が悪化するというお話もありますし、暴飲暴食や喫煙によって悪化するというお話もありますので、薬以外の注意点もありますが、薬による治療は必須となるようです。
良い食べ物は?
萎縮性胃炎になってしまった方は食事に対する制限が出てきてしまいます。
萎縮性胃炎になってしまったという方が医師に指摘されたことは冷たすぎる物・脂っこい物・生もの・刺激物・揚げた物は控えるようにするといったものでした。
つまり、これらは食べ物の中でも避けなければいけないと言うことです。
これらの食べ物を避けつつ意識しながら食生活を改善させる必要があります。
胃が荒れないために覚えるべきことは、消化の悪い食品を避けて調理法も気をつけることです。
たとえば、脂質が多い食べ物や食物繊維が多い食べ物というのはなかなか消化が出来ないので避けるべきとのことです。
野菜を摂取する時もにんじんや青菜などを選び、お肉をどうしても食べたいという人は鳥のササミのような脂肪が少ない物を選びましょう。
切り方は小さい方が消化がしやすいですし、油の量も少ないことが理想です。
硬い食べ物も消化がしにくいので柔らかくしてあげましょう。
これらを意識した上で、効果的な食べ物は卵粥・煮込みうどん・煮魚・鍋料理・鶏ささみ・ポタージュスープ・プリン・湯葉・煮浸しなどが当てはまります。
治療時のとるべき生活習慣は?
胃腸の調子というのは日頃の生活習慣と非常に関わりが深いので、萎縮性胃炎になってしまった人は胃腸を休ませられるような生活、胃腸を痛めないような生活を心がける必要があります。
当たり前のことばかりを列挙しますが、重要なことなので守りましょう。
タバコを吸わない・暴飲暴食はしない・適度な運動をする・睡眠時間を確保する・リラックスタイムを作ってストレスをできる限り緩和する・栄養バランスを意識して食生活をおくる・寝る直前の食事は避ける、このように基本的なものが該当するのです。
萎縮性胃炎だと癌になるリスクが高まる?
これは意見が割れていますので、医師による意見を参考にしてもらいたいと思います。
たとえば「徳島県医師会」のホームページにある「萎縮性胃炎の質問(http://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/366-688)」を見ていただきたいです。
患者側の質問で「委縮性胃炎は胃がんに進むのでしょうか」と直接聞いています。
この質問に対する医師の答えをシンプルにまとめると「萎縮性胃炎で胃がんが進むことはないけど、ピロリ菌が陽性で萎縮性胃炎がひどい人は胃がんになりやすい」というものでした。
それ以外にも日本癌学会の「講演1「胃がんで亡くならないために何をなすべきか」(https://www.jca.gr.jp/public/seminar/023/001_asaka.html)」にははっきりと「日本人がかかっている胃がんの98%はピロリ菌感染によるもの」と断言されているので、ピロリ菌によって萎縮性胃炎に苦しめられているという人はピロリ菌に感染していない人よりは圧倒的に胃がんになりやすいのは間違いないでしょう。
ピロリ菌との関係は?
先に記載していますが、ピロリ菌によって胃がダメージを受け続けることで、萎縮性胃炎に繋がりやすくなります。
そしてピロリ菌に感染してしまうことで萎縮性胃炎になってしまうと、分化型胃がんになる確率が上がってしまいます。
実際にピロリ菌の有無によってどの程度胃がんの発生確率が変わるのかを調べたデータもこのページに具体的に記載されています。
ピロリ菌をきっちりと除去した人は胃がん再発率や十二指腸潰瘍発生率が急激に抑えられるのです。
ただし、100%抑えられるというわけではなく10年後を見ると再発を60%は抑えられていることがわかっています。
つまり、ピロリ菌に感染していると胃がんになる可能性が高まるので、除菌が必須と言うことです。
薬による副作用は?
薬が治療の主体となる場合、心配になるのが副作用です。
除菌のために使う薬はかなり強いので、下痢・味覚障害・口内炎・アレルギー反応・悪心といった副作用が出る可能性が高くなてしまうようです。
出やすい症状は下痢や味覚障害と言われております。
これらの症状が出たとしても深刻なものではなく軽く出るとのことですが、出る確率が10%程度は存在しているとのことなので、症状が出たら一応は医師に相談されると良いでしょう。
また、治療が終わった後でも胃酸過多を感じてムカムカするという症状が出てしまう人もいるとのことです。
萎縮性胃炎の治療につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
美馬内科クリニック 慢性胃炎(萎縮性胃炎)の原因と治療方法
最後に
以上、いかがだったでしょうか。
今回は萎縮性胃炎について記載しました。
ピロリ菌は昔から色々と騒がれるようになりましたが、ピロリ菌に感染して放置してしまうとどうなるのかまで知っている人は実は少ないように感じます。
この萎縮性胃炎になって癌になるというのがピロリ菌に感染してしまった良くないパターンになるので、感染してしまうとどうなってしまうのかを知って頂けたのではないかと思います。
たかが胃炎と放置するのではなく、ずっと調子が悪いと感じたら一度医師に診てもらうことを強く推奨します。
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