拒食症の症状や特徴・診断基準は?原因や食事など治療法は?
拒食症の症状やきっかけ・治療法について
拒食症は何らかの精神疾患が原因となって食事がうまく摂取できなくなり引き起こされる非常に危険な病気で、様々な症状を引き起こす高い可能性があります。
精神疾患であるため治療もなかなか困難で時間のかかるものとなっています。
本記事では拒食症の症状や特徴・診断基準について、および原因や治療法もお伝えします。
拒食症の症状とは?
拒食症とは簡単に説明すると精神疾患です。
無理なダイエットや食事制限によって自分の精神の奥底に食事に対する拒否反応が生じるようになって、それが体にも表れるようになり体が食べ物を受け付けなくなってしまいます。
拒食症の方の症状はまず体重が異常なまでに軽くなります。
周りの人たちから見るとビックリするぐらい細いと感じるでしょう。
それ以外にも脈が遅くなったり、病気になりやすくなったり、思考力の低下が発生したりします。
これらは全て栄養不足が原因となっていて、白血球の減少による免疫力の低下、栄養不足になるため心臓の筋肉量の減少、栄養不足によって脳の働きも低下して考える力の低下などが引き起こされます。
これらの全ての原因は全て一貫して食べないことによる栄養不足によるものなのですが、それ以外にも拒食症の人は嘔吐の回数が一般の人よりも異常に多くなる傾向にあるので、胃液がいつも歯に接触するようになって歯のエナメル質がやられてしまい虫歯になりやすくなり歯が抜けやすくなるといった症状もでてきます。
基本的な考え方として、栄養不足の人間が陥る全ての症状が出てくると思えば間違いありません。
なってしまったら治るまで時間がかかることが多いので無理なダイエットは本当に危険と言えます。
特徴について
拒食症の人は栄養が全く足りていないので、肌に栄養素が足りていない状態が続いてしまい、油分はまったくなくカサカサの肌になってしまうでしょう。
もちろんツヤもないので、見た目からしても相当老けて見えるようになります。
さらに、肌の異常乾燥によって顔・首・腕といろんな部位でシワができやすくなってしまい、体中シワシワになってしまって元気な高齢者より老けて見られることがあるでしょう。
さらには手のひらや足の裏、または顔が黄色く見えるようにもなり外見の悪化が止まらなくなります。
人に美しく見せるために行われるダイエットがもし拒食症に繋がった場合、人から見て最も美しくない状態を引き起こす結果となるので、何とも矛盾した状態になってしまうと言えるでしょう。
そうならないためにも当たり前ですが、拒食症にはならないようにするのが一番なのです。
診断基準について
まずシンプルなところで体重になります。
すごい簡単な式となりますが「身長(m)×身長(m)×22=標準体重」としてその標準体重より15%~20%以上やせている場合は危険信号です。
まず体重としてはこの分類に当てはまるかどうかを考えてください。
次はBMI指数でしょう。
これが17.5以下なら極端なやせ状態と判断されるので、拒食症の疑いがあると言われてしまいます。
BMIの計算方法は「BMI=体重(kg)/身長(m)×身長(m)」なので、まずはやってみてください。
逆に25以上は肥満なので、こちらも注意が必要ですよ。
これらのわかりやすい判断基準の他にも、食行動においてまったく食事をとらないようにするなどの異常行動がみられたり、食事の後に吐くことが日常になっていた場合は拒食症であると判断されるでしょう。
この傾向にプラスして自分が低体重にあるのに関わらず、それでも太っているという認識があるなら拒食症と判断できます。
もちろん痩せている人全てが拒食症ではありませんが、食事に対しての異常行動や体重に対しての異常な認識があった場合はほぼ拒食症と判断されます。
原因やきっかけは?
精神的な疾患ともいえる拒食症には間違いなくそうなってしまった原因が過去に存在しているでしょう。
一番多いのは「やせたい、太りたくない」という痩せることへの願望から、過度なダイエットに走ってしまうパターンです。
それ以外にも両親の離婚やいじめなどの異常なまでのストレスによって過食や拒食にはしってしまう人もいます。
中には親から虐待のように食事すら監視される生活が続いてしまうと、常にストレスにさらされることになり、拒食になってしまう人もいるようです。
食事療法について
拒食症や過食症は精神疾患であるため、心の状態を正常なものにする必要があるのですが、その過程で食事の摂り方を改善していかねばなりません。
拒食がひどくてうまく食べられない人に行われることは食事の回数を多くすることです。
拒食症で一般的な人の量を食べられない人が、食事と食事の間隔を一般の人と同じくらい空けてしまうと、低血糖症状が起こることがあります。
そうならないためにも食事の回数を変更する必要があるのです。
しかし、中には米や小麦粉といった糖質が含まれるものを摂取することで、食欲が暴走してしまい過食症になってしまう人もいるので注意が必要です。
必ず医療関係者や他の人の監視のもと通常の食事に戻れるようにする必要があります。
治療法について
拒食症の人は精神に病気を抱えていることが多いので、まずはカウンセリングから入ります。
そのため拒食症の人は初めてなら精神科を受診することになるでしょう。
10代であれば小児科でもOKです。
カウンセリングの場合は臨床心理士などが患者から悩みを聞いて、生活環境や原因およびそのような状態になるまでの過程などを確認されるようです。
人によって、なってしまった原因はバラバラなので、何が原因なのかをつきとめて解決方法を模索する必要があるのです。
また、すでに拒食症が原因でイライラや不眠障害が発生していた場合はそれに対する薬を処方してもらうこともあります。
それ以外では対人関係療法・行動療法・家族療法・集団療法、場合によっては入院治療を行うこともあります。
拒食症で肝臓に影響が出る?
拒食症が原因となって肝機能障害が発生することがあります。
この肝機能障害も栄養不足が原因となっています。
またこれは肝臓だけではなくそれ以外の臓器も栄養が不足状態になっているので様々な機能障害が発生する可能性が高いのです。
また、肝機能障害が発生してしまった場合、回復する方法はシンプルで、良質なタンパク質やビタミンまたは適正なカロリーを摂取することで回復することができるでしょう。
栄養の摂りすぎも問題ですが、摂らなさすぎも当然ながら問題なのです。
拒食症になりやすい性格は?
拒食症や過食症のような摂食障害になってしまう人は基本的に、自分自身が大っ嫌いです。
自分の見た目も性格も体質も嫌いと感じ、とにかく「痩せることができれば人生が大きく変わる」といった考え方が強く、並々ならぬ執着心をダイエットに対して見せてしまうのです。
とにかく、不安が強いので見た目に対しての不安が高まると拒食症になってしまうことがあります。
このようなタイプの人たちは努力家の人が多いので、前向きに生きられている人は問題ないのですが、ネガティブな状況ばかりが襲い掛かりネガティブな気持ちが基本となってしまうと不安感がとにかくひどくなって負のループに陥ってしまうことがあるようです。
拒食症の人への家族の接し方
拒食症の身内がいる場合、家族はどう接していいか困ってしまうでしょう。
実際にメンタル的に非常にデリケートになっているので、何を言ってもマイナスイメージと受け取られてしまうことすらあります。
なので、本人の治りたいという気持ちの味方となり、肯定的に接し焦らず病気と付き合っていくしかないでしょう。
ただし、家族のストレスも相当なものとなりますので、精神科の先生などの協力を得た方が良いでしょう。
拒食症につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では拒食症の症状や特徴・診断基準について、および原因や食事など治療法も記載いたしました。
拒食症は精神疾患が原因となる病気であるため、治療に時間がかかる場合が多く、最悪過食症に反転する場合もある危険な状態と言えます。
拒食症の人は栄養が全く足りていないため、様々な危険な状態を引き起こしているのですが本人にはその自覚が無いことも多いのが問題と言えるでしょう。
精神疾患は治すことが難しいものと言われておりますが、これからの社会は増え続ける可能性の方が高いと思われますので、必ず自分の理解者をつくるように努めてください。
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