双極性障害の薬物療法の種類や太るなど副作用!一生続く?
双極性障害の薬を飲まないとどうなるか!いつまで飲む?
双極性障害はなかなか治すことができない悩ましい病で、薬物療法に頼ることが多いようですが、どのような種類の薬が使われるのでしょうか?
なかなか治らないとなると一生薬と付き合うことになってしまうでしょうか?
薬によって太るという噂があるようですが、副作用としてどのような症状が出ることがあるのかも気になるところです。
本記事では双極性障害における薬物療法について触れてみたいと思います。
双極性障害の治療は薬物療法が基本?
双極性障害の基本的な治療方法はメンタル的な部分をケアする心理社会的治療と薬物療法の2つが中心となります。
この心理社会的療法では双極性障害がどのようなものなのかをまずは本人に正しく理解してもらって、病気をコントロールできるようになるトレーニングを行っていくことになるでしょう。
この方法については医師によって大きく変わる部分ではありますが、発症の初期に重要になる治療となりますので、毎日の気分や症状がどうなっているのかを日記形式にして記入し客観的にとらえるようにするなどの指示が出されるようです。
ただし、社会生活においての対人関係ストレスが多過ぎるという人は良い対人関係ができるようなサポートなども行うようになりますので、何が原因かでも治療法は変わってくるようです。
そして、薬物療法ですがこの双極性障害はうつ状態と躁状態を繰り返すので、その時の状態に合わせた薬が処方されるようです。
例えばうつ状態ならば気分安定薬のリチウムを処方して状況次第では抗うつ薬も用います。
躁状態でも精神を安定させるリチウムを使いますがそれにプラスして抗精神病薬を用いることもあります。
薬の種類は?
具体的に薬物療法で用いられる薬の種類についてお伝えします。
基本となる薬は気分安定薬や抗精神病薬です。
これはうつ状態や躁状態でも用いられます。
まず気分安定薬ですが、これは名前の通り気分の極端な波を抑える作用があり炭酸リチウムやバルプロ酸ナトリウムがよく含まれております。
具体的な薬の名前はリーマス・デパケン・ラミクタール・テグレトールといったところです。
抗精神病薬は総合失調症という別な病気の治療薬としてよく用いられておりましたが、脳のドーパミンのはたらきをブロックするという作用が双極性障害にも活用できるとして使用されるようになりました。
具体的にはジプレキサ・セロクエル・エビリファイ・リスパダール・ロドピンなどの薬が使われます。
また、状況次第では抗うつ剤を使うことになりますのでトレドミンやサインバルタなどの薬を用いることもあります。
薬の副作用【太る?】
薬の服用において気になるのが副作用です。
短期間の服用ならばそこまで副作用を気にする人は少ないですが、長期間の服用となった場合は高い確率で副作用に悩まされてしまいます。
双極性障害は長期間の服用になる可能性があるので、副作用も十分チェックしておいた方が良いでしょう。
特に話題になることが多いのが、双極性障害の薬を飲むことで太ってしまい、太るくらいならといって薬を飲むことを自主的に止めるというものです。
確かに、双極性障害でよく用いられる薬のリチウムは食欲が増大するという副作用があります。
そのため、食事の量を減らす意識を強く持たないと、ついつい食べる量が増えてしまって太っていくのです。
つまり、薬を飲むことで直接的に太るというわけではないのですが、食欲が増して、それに耐えられなく食べ過ぎてしまい太る可能性があるということです。
人によっては抗精神病薬で食欲が減ってしまうという人もいますので、薬物療法を受ける方は体重コントロールを強く意識する必要があります。
薬はいつまで飲むの?一生?
双極性障害は原因が解明されておらず、原因が分からないものを治すのはなかなか容易ではない面があります。
こういったことから、基本的には一生涯この症状と付き合っていく必要があるので、薬の服用も長く続くと考えた方が良いでしょう。
このような障害の症状を出さない状態にすることを「寛解」といい、安定させることを意味しております。
症状が出ていなくても、治っているわけではないので再び症状が出る可能性は十分にあります。
つまり、この障害は完全なる治療法が確立されているわけではないので、症状が出ないようにするためにも、今のところは一生投薬を続ける必要があると考えられています。
実際にブログでこの双極性障害と戦っている人の記事を読んだことがありますが、薬をやめた結果再発したという記載をよく見ますので、その人たちの実体験からくる警告を無駄にしないためにも薬は飲み続けるしかないと考えた方が良いでしょう。
ご参考)早稲田メンタルクリニック https://wasedamental.com/youtubemovie/5996/
薬を飲まないとどうなる?
薬を飲まないということは治療を受けないということと同じ意味を持っておりますので、たとえ症状が良くなったとしても再発を繰り返す可能性が高く、社会的な信用を失いやすくなって最悪の場合、職も失ってしまうでしょう。
この病気は再発を繰り返すたびに発症までの間隔が短くなりますので、症状を抑え込む状態を可能な限り続けないと危険なようです。
また自殺の危険もありようです。
度重なる再発は、急速交代化(通常よりも躁状態とうつ状態のサイクルが短くなる)を誘発するので、対応が困難になってしまう可能性があります。
双極性障害の人はお酒は禁忌?
双極性障害においてお酒の扱い方には注意が必要です。
というのも、お酒を飲むと躁鬱の波が非常に激しくなる傾向にありますので、感情のコントロールができなくなって大変なことになり兼ねません。
うそを言うとか暴言を吐く程度ならいいのですが、最悪の場合暴力につながってしまうことだってあるでしょう。
双極性障害はつらい障害ではありますが、それにアルコール依存症にでもなてしまったら、大変なことになりますので、絶対に避けるようにしなければなりません。
周りの人たちへの過度な迷惑になりますので禁止したほうがいいでしょう。
また、アルコールを大量に摂取すると薬が効かなくなってしまう可能性だってありますので、お薬を毎日飲み続ける必要がある双極性障害とお酒は非常に相性が悪いです。
双極性障害で妊娠した場合に薬を服用してはいけない?
双極性障害の人が妊娠した場合、薬の扱い方に迷ってしまうでしょう。
基本的に妊娠中の方は薬は使えません。
精神科の薬も扱いは同じで使うことは出来ないでしょう。
もちろん、薬によっては飲むこともOKだと言う医師もいるようですが、生まれてきた子供に対するリスクが少しでも上昇する可能性があるのなら、どのような理由があったとしても薬の処方をストップする医師もいます。
これはもう医者の見解次第でしょう。
子供のことを考えたら絶対に服用しないほうがいいと断言する人もいれば、母体が健康の状態でないと赤ちゃんは元気に育たないから最低限度の薬だけでも処方するべきであるという考え方をする医師もいます。
こればかりは担当の医者と相談するしかないでしょう。
双極性障害の書籍に次のようなものがあります。
寺尾 岳 (著), 和田 明彦 (著) 双極性障害の診断・治療と気分安定薬の作用機序
双極性障害の薬につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
すまいるナビゲーター 双極性障害のお薬について
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では双極性障害について触れて参りました。
この病気は一生涯付き合っていく必要がある非常に悩ましい障害です。
医師の間でも100%正解といえる対処法は無いようで意見が分かれております。
治ったという判断はなされず、症状が治まっても再発しないよう注意しながら生活を送る必要があります。
とは言え、諦めずに寛解状態を維持することを目標に医師と相談しながら、前向きに過ごされるよう努めて頂けたらと思います。
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