双極性障害の原因【母親・家族・脳・仕事・ストレス】と対策
双極性障害になりやすい性格や年齢と家庭環境など原因
双極性障害になりやすい人は意外にも多く存在しています。
その原因は家族、特に母親との関わり方にあるとか、脳の形状、仕事や学校におけるストレスにもあるなど色々な意見が交わされています。
本記事では双極性障害について原因は何なのかや対策といったところを中心に触れてみたいと思います。
双極性障害の原因
遺伝?
遺伝は双極性障害になる大きな原因と一つとされています。
ただし、親が双極性障害だからといって100%発症するというわけではなく、複数の遺伝子が関係しているようで、「このDNAがある人は双極性障害になる」と断言できている段階ではないようです。
まだまだ研究中の領域なので今後さらに明らかにされていくでしょうが、この研究段階では親が双極性障害だからといって必ずなるというものではなく、発症の可能性が比較的高い程度に考えるのが良いでしょう。
今現在では遺伝とストレスが大きく関係していると想定されていますが、発症者には当てはまらないケースも存在しているなど、まだ分からないことが多いようです。
ストレスについて
先ほど、遺伝とストレスが大きく原因として関わっていると記載致しましたが遺伝にストレスが加わると、発症の可能性が高まるという考え方もなされているようです。
ただストレスが溜まり過ぎると遺伝的な要因がなくても発症してしまうことがあるとされています。
ストレス過多の人生は様々な病気を引き起こすために、できる限りストレスが少ない人生を歩むことが健康的には良いという記載があらゆるところで見られますが、現実世界ではなかなか困難なことであるため、追い込まれて発症してしまう人が多くいます。
実際にストレスを受けてうつ病になる人も精神的に追い込まれているだけではなく、コルチゾールなどのホルモンがたくさん分泌されるようになることで毒性反応が体中で発生し中枢神経障害になってしまうことが原因であるという説もあるので、この双極性障害もストレスのみで発症することはあると考えられています。
母親など家族にある?
大きな原因にストレスがあることから、ストレスを強く受けやすい家庭環境ですと、それが原因で発症することも考えられるでしょう。
特に成長過程においては母親との関わりが強い傾向がありますので、家庭環境の中でも母親との関係性が関わっている比率は高いかもしれません。
脳にある?
先ほど遺伝とストレスの二つが大きな要因と想定されているとお伝えいたしましたが、それ以外にも脳の病気であるという見方もあります。
半世紀以上前から脳の病気であると言われておりましたが、当時は脳をいくら調べても明確な病変が発見されなかったので、脳が原因ではないという説が主体になりました。
しかし、現代医療において双極性障害が脳の病気であると立証するようなデータが集められるようになったので、そのデータを元に治療をする病院も増えてきました。
実際に脳の中で感情をコントロールする前部帯状回(発話時や歌を歌う時に活動する脳領域の ひとつ)が小さくなっているという報告もあるので無関係ではなさそうです。
また、双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す傾向にあります。
この躁状態の時にドーパミン神経伝達を止める効果がある抗精神病薬を使うことで症状が改善する一方で、逆にドーパミンを増加させる薬を使うと躁転(急激に躁状態に変わること)を引き起こすという情報もあるので、脳のドーパミン量がこの双極性障害に関与していると考えられているようです。
仕事にある?
双極性障害は遺伝的な要因と溜まってしまったストレスによって引き起こされるケースが大きな原因と想定されていると記載させて頂きました。
人生においてストレスにおける最大要因となるのは仕事です。
仕事は人間関係の構築などストレスが溜まる要素がいっぱいなので、社会人になってから双極性障害になってしまう人もいます。
強いストレスを受けることでどのようにして双極性障害が発症してしまうのかは、まだ明確にされておりませんが、ストレスを受け続けることで脳神経細胞に悪影響を与えるというデータもあるので仕事で追い込まれてしまった人が発症する可能性はあると言えるでしょう。
実際に遺伝的な要因とストレスが加わることで発症すると言われておりましたが、遺伝的な要因がない人でもあまりにも仕事がきつ過ぎる人は発症しているケースもありましたので、仕事のみが原因で発症することも考えられます。
双極性障害になりやすい性格や特質ってある?
発病前の性格についても多方面から研究されており、様々な報告書が蓄積されております。
うつ病のような状態に陥るところからまじめで几帳面なタイプが発症しやすいと多くの方は感じておりますが、ドイツのとある精神科医の報告では社交的で明るく、周囲の人たちからはユーモアがあって楽しい人であるというものがあります。
うつ病からは対極にあると感じてしまう特徴ですが、そのようにバイタリティがあって周囲の人と合わせる能力が高い方が、ふとした調子で急激に落ち込んでしまうようになるとのことです。
社会的に地位を築きやすいタイプと判断される人がうつ病のような状態になった場合に、双極性障害となってしまうようです。
発症しやすい年齢は?
発症しやすい年齢についてもいくつか意見がありましたが、それらの意見を統合するとだいたい20代から30代の前半が発症しやすいようです。
ただし、発症する対象範囲は非常に広く中学生で発症する人もいれば老年期になってから発症することもあります。
発症者の数に関しては世界的には100人に1人と言われている一方で、日本では500人に1人が発症すると言われており、またこれよりも少ないという報告もあり不明瞭な状態になっています。
うつ病と比較されることが多い双極性障害ですが、実は発症率はうつ病のように女性が多いというわけではなく、男女同等に発症しています。
対策について
誰もが発症する可能性のある病気ですので、気分が沈んだ状態の日がずっと続いたり、テンションの上がり下がりが激しすぎるという人はまず医療機関を受診することから始めましょう。
これが発症する可能性がある人の最初に実行すべき対策となります。
まだ発症していない健康の人ならば、とにかく規則正しい生活を送りメンタル的に安定的な状態をキープすることが大切です。
原因についても明確ではないので、まだまだこれからの部分もありますが、ストレスが関係しているという説が有力なのでストレスを溜めないような生活が必要になるのです。
具体的にはメンタル的にストレスから解放されるべく、ストレス開放ができる趣味を見つけることや、明確にリラックスできる時間を設けることも有効でしょう。
体のストレスを減らすために、規則正しい生活をして朝起きたら体のスイッチを入れるために朝日を浴びるようにしたり起床時に部屋の温度を上げておくのも良いでしょう。
睡眠時間もしっかりと確保してください。
わからない部分が非常に多いので、健康的な日常を送ることこそが最大の対策となってくれます。
双極性障害につきまして次のような書籍がございます。
野村 総一郎 (監修):新版 双極性障害のことがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)
双極性障害の原因につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
すまいるナビゲーター 双極性障害ABC双極性障害早わかりガイドです
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では双極性障害についてお伝え致しました。
この病気はいまだに分からないことが多い病気なので、対策についても原因についても「今の段階では」という言葉がくっついてしまいます。
それでも厄介さはうつ病よりも高い病気なので、発症しないようにストレスとどのように付き合っていくのかを真剣に考えていく必要があるでしょう。
社会人になると嫌なことが多い傾向にありますので、その嫌なことをすっきりと忘れることができる時間が大切になるのです。
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