双極性障害の症状の特徴やチェック診断法!治療は入院?
双極性障害の症状の特徴と向いている仕事【治るものか?】
双極性障害のことが気になっている方にとっては症状の特徴はいったいどのようなものなのか、チェック診断にはどのような項目があるのか、治療するためにはやはり入院しなければいけないのかと、知りたい点が色々とあるかと思います。
知ることで、気持ちが落ち着くこともあるでしょう。
本記事ではこの双極性障害について調べ、先に記載した知りたい点に関する内容を中心に記載していきます。
双極性障害の症状と特徴
双極性障害とは別名「躁うつ病」とも呼ばれており、うつ状態と躁状態を繰り返してしまう障害の一つです。
特徴としては、陰鬱な状態になる時と気分が高揚している時の差が非常に激しいということでしょう。
気分が悪くマイナス思考になるうつ状態と気分が高揚して何でもできると感じてしまい、開放的かつ攻撃的になる躁状態を繰り返しますが、症状が軽いうちはこれらの切り替わりの頻度も少なく症状が落ち着いている「寛解期(かんかいき)」が長くなることもあります。
この落ち着いている期間は初期状態では5年程度あると言われておりますので、うつ状態と躁状態を繰り返しているようには初期段階では見えないという特徴もあります。
ただし、悪化すると1年の間に4回以上気分の変動が発生するようになってしまう「急速交代型」となってしまい、他の人からも「あの人は何かおかしい」と感じられるようになるでしょう。
チェック診断方法について
ネット上では双極性障害における診断チェックリストや選択形式で双極性障害になっているのかをチェックする専用サイトを立ち上げているところもあります。
具体的に言えばこのサイト(https://www.ginza-pm.com/selfcheck.html)などが双極性障害における自己診断チェックリストとして使うことができるでしょう。
もちろんそれ以外にも自己チェックリストを記載しているサイトはありますので、ネットで検索すると簡単に見つけることができます。
基本的に、うつ状態と躁状態を繰り返すので、うつ状態における症状と躁状態における症状で当てはまる項目がどれくらいあるのかで判断することになるでしょう。
うつの診断方法としては、1日中やる気が出ない・不眠症気味か過眠症気味・疲労感がある・意欲がない・思考力が低下している・集中力が低下している等がチェックリストに入ってきますし、躁状態では自尊心が肥大している・睡眠欲求が減る・注意散漫になる・口数が増える・やたらと行動的になるなどの項目がチェックリストに記載されていきます。
治療法について
現代日本における双極性障害の治療法は薬物療法と精神療法が中心となります。
薬物療法でも人によって効果がある薬には差異があるとのことで、用いられる薬もしばしば変わってくるようです。
今のところの基本として用いられるのが気分安定薬であるリチウムが高確率で処方されております。
気分安定薬や抗精神病薬などがこの双極性障害における薬物療法の基本と考えられます。
ただし、一番大切なのは自分が病気であるということを受け入れて薬を飲み続けることです。
自分が病気であることを受け入れ、治そうという本人の意思がないと、改善は厳しいでしょう。
この薬物療法と並行して行われるのが精神療法で、精神面のサポートも行われるようになります。
再発しやすいことを患者に理解させ、自分がどのような病気になっているのかも教育する必要があります。
入院することもある?
双極性障害の治療は率直に申し上げて非常に難易度が高いです。
特に発症してから長く経過していて、その間、薬を途中で止めてしまって何度も再発している人は重症化してしまっていると考えられるので、入院が必要と判断されるケースが多々あります。
もちろん、障害がほとんど発生しない状態になっている人ならば入院する必要はありませんが、激しい躁状態にある方は周囲の方々も巻き込んで暴れたりしますので、被害が大きくなってしまうのです。
こうなった場合は入院させるしかないでしょう。
入院する方が効果的であるとは断言できませんが、入院する必要がある状態に追い込まれることはあると理解されると良いでしょう。
双極性障害の原因は?遺伝?
双極性障害の原因については未だに全てが解明されているわけではありません。
ただし、親戚や親が双極性障害の場合は子供が発症する確率が高くなっていることから、遺伝性はあると考えられており、ストレスによって発症するケースも見つかっているため、遺伝とストレスは原因であるだろうと多くの医師たちが見解を出しております。
ただし、遺伝性も見つからず、ストレスも少ない環境にありながらも発症するケースもあるようですので、まだまだわからない部分が多いようです。
仮説として、乳児期にどのような環境で育ったのか、親との関係はどうだったのかで発症する確率も変動するとか、脳細胞内のミトコンドリアの機能異常がある人は発症する可能性が高いというものもあります。
一部は研究発表されておりますが、まだまだ原因究明の段階であるようです。
治るの?
双極性障害は名前に「障害」が入っており、完治することがないものとなっております。
ただし、症状が出ない安定している状態(寛解)にすることは可能なので、治療が全く無意味ということはありません。
症状を抑えることができれば、普段通りの生活を周りの人たちと送ることができるようになるので、この状態ならば治ったとも言えるでしょう。
ただし、長期にわたって薬を飲み続けながらの生活になってしまいますので、障害をコントロールしながら生活し続ける必要があると認識された方が良いです。
治療しないことで再発を繰り返してしまうとより症状が重くなっていく傾向にありますので、完治しないものだからといって放置するのは避けねばなりません。
双極性障害の方に向いている仕事は?
双極性障害の方々に向いている仕事は率直に申し上げてかなり絞られてしまいます。
対人関係や仕事から来るストレスが双極性障害を重くしてしまう傾向にありますので、残業がかなり多くなる仕事や対人関係がきつい仕事は向いていないでしょう。
極端な話をすると、人と接触する回数が全くない仕事が最適ということになります。
また、生活のリズムが乱れるような仕事も症状が重くなる傾向がありますので、向いているとは言いがたいです。
つまり、営業や接客、夜勤があるような仕事は避けた方が良いですし、人付き合いが多すぎる仕事も止めた方がいいでしょう。
これらに当てはまらない仕事が理想だと考えて探すことになるかと思います。
双極性障害の方との接し方
双極性障害の方との付き合い方は非常に難しいです。
まず激しい躁状態になっている方はとにかく攻撃的になる傾向にありますので、感情的になってしまいがちな人は近づかない方がいいでしょう。
とにかく冷静に病院の受診を促すようにしてください。
信頼している目上の人から病院に行くように指示してもらうのも良いでしょう。
うかつに刺激をするのは避けねばなりません。
騙して病院に連れて行くと後で大変なことになりかねませんので、それは避けましょう。
ただ暴力行為がひどいのなら警察に相談するのもやむを得ないです。
また、うつ状態の人の場合は「頑張れ」とか「薬に頼るな」とか「いつ治るのか」といった言葉を言ってはいけません。
躁状態の言動について文句があったとしても言ってはいけません。
そっとしておくのが一番です。
見守るしかありません。
双極性障害につきまして、次のような書籍がございます。
マルク・マソン(著) 阿部又一郎(監訳) 斎藤かおり(監訳) 双極性障害
双極性障害の症状や治療法につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では双極性障害の症状や特徴について記載しました。
この障害はうつ病から始まることが多いので、初めのうちはうつ病と診断されてしまうことも多いでしょうが、躁状態になることで初めて双極性障害であると判明することが多々あります。
完治しないものではありますが、症状を押さえ込むことはできますので、諦めずに薬と長期間付き合っていきましょう。
周りの人も双極性障害とはどのようなものであるのかを理解した上で、付き合うようにしてください。
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