せん妄の認知症との違いや症状や原因と治療法【家族の対応は?】
せん妄の症状と原因や診断基準・治療法や予防法
せん妄は認知機能障害の一種ではありますが、認知症とは違いがあり症状が異なっております。
このせん妄の症状や原因、治療法はどのようなものなのでしょうか?
また家族の対応はどのようにするのが良いのでしょうか?
単なる病気とは異なるので、家族の方々は対処に困ってしまうことも多いでしょう。
本記事ではこのせん妄に関する色々な情報をお伝えしたいと思います。
せん妄と認知症の違い
このせん妄がやっかいなところは、集中力の欠如や物忘れが多く発生するといった認知症のような症状が出るようになることです。
そのため、短期間の診察では認知症と診断されてしまうことがあります。
しかし、認知症とは違う部分もありますので、それらの差異について知っていた方が良いでしょう。
具体的には、せん妄は突然発症するので比較的発症時期が特定できるのに対し、認知症は徐々に悪化するので発症時期が曖昧なこと、そしてせん妄は症状の変化が急激なのに認知症は急激な変化はないこと、せん妄は意識障害が多いのに対し認知症は意識がはっきりしていることが多いといった違いがあります。
このような違いがありますので、ここから概ね見極めることは可能でしょう。
簡単な症状のみでは難しいでしょうが、これらの差異から特定してみるといいでしょう。
せん妄の症状
せん妄とは意識障害の一種であり、場所や時間が分からなくなってひどく混乱している状態のことです。
人によっては異常に興奮することもあれば、幻覚を見てしまうこともあるでしょう。
このようなことから精神状態も追い詰められて別人のように暴れ出して暴力や暴言が多発することがあります。
具体的な症状を挙げると幻想・妄想・興奮状態・集中力の欠如・物忘れの多発・睡眠リズム障害・意識の混濁・意識障害などが当てはまります。
これらの症状が徐々に進行するのではなく、急に発症するのが特徴的なので、「○日前から急激におかしくなった」とある程度の時期を特定することが出来るでしょう。
しかも、一時的に発症して治まることも多く、朝方にひどくなって夕方には治まるとか、日中は問題ないけれど夕方にひどくなるというケースもあるようです。
原因について
これは発症するためのスイッチのようなものがありますので、ある程度原因が特定できます。
徐々に症状が進行する認知症はいろんな複合的な要因が絡みますので、原因の部分でも差があると言えるでしょう。
具体的には、何らかの病気によって発症するパターン・年齢によるストレスや感染症や睡眠不足によって発症するパターン・入院など大きく環境が変わることで発症するパターンです。
これらの原因によって急激に発症するので、年齢によるパターン以外はある程度特定することが出来ます。
ちなみに、病気とは糖尿病・パーキンソン病・脱水・腎不全・脳疾患・悪性腫瘍・心不全などが該当しています。
入院などで大きく環境が変わり、ストレスが溜まっている状況で、照明や物音などさらなるストレスが加わることで発症するケースもあります。
また、傷の痛みや薬物投与が必要となる手術後の環境でも発症することがあるようです。
治療方法について
基本的に、メンタルに大きく響くような出来事があると発症することが多いので、それらのメンタル的な要因を取り除くことからスタートします。
何らかの病気であればその病気を取り除くための治療を行いますが、入院などの環境が大きく変わることで発症している場合は患者を安心させるために、部屋を明るくして部屋にあるものを把握できるようにするとか、穏やかに話しかけて様子を見るとか、家族が付き添うようにするといった対応が必要になるでしょう。
無理に止めると暴力に発展することがありますので、適度な距離を置くことも重要です。
慣れない環境で苦しめられてしまい発症することも多いので、生活習慣を整えて夜はしっかり眠れるようにして、気持ちも体もリラックス出来るようにしてあげて下さい。
脱水や睡眠不足から発症することもありますが、これらの予防のために水分補給も定期的に行わせるようにしましょう。
見当識(けんとうしき:現在の年月や時刻、自分がどこに居るかなど基本的な状況把握のこと)の低下予防のために、カレンダーや時計を見やすい場所に設置するといった対処法も存在しているようです。
幻覚が見えているとおかしな発言が増えてしまうかもしれませんが、それでも話を聞いて様子を見るようにしましょう。
全否定すると拒絶されたと考えて暴力などのトラブルに繋がります。
せん妄の方への家族の対応
このせん妄になると大変なのは、暴言や暴力が発生してしまうことがあり、家族に被害が出てしまうという点です。
落ち着ける環境や場所を用意するためには家族の協力が不可欠であり、たとえ入院中であってもメンタル的に落ち着かせるために家族との写真といった見慣れたものを用意するのは有効なのですが、暴力や暴言といった状態になってしまった場合は被害が出ないように一旦離れた方がいいでしょう。
落ち着いてから話しかけてみましょう。
また、これらの症状が重く家族がいる時といない時では発症する確率や症状の重さに違いが出ることもありますので、家族の付き添いが命じられることもあります。
突然な付き添いができないという方はケアマネージャに相談した方がいいでしょう。
付き添いを請われているのに無視し続けるのだけはやめましょう。
診断基準について
せん妄の診断基準は注意力や判断力以外に見当識も低下するので、これらの能力が低下しているのかどうかをチェックするところからスタートします。
従来は診断に時間を要していたりしましたが、今ではある程度短期的に終わる3D-CAMという手法が用いられるようです。
図形を書くとか文章を書くとか計算力をチェックするといった総合のテストによって試されると考えると良いでしょう。
ただし、せん妄は何らかの病気がトリガーになっていることも非常に多いので、その何らかの病気を特定するために、これらのテスト以外にMRI検査やCTスキャン、血液検査や尿検査が行われることもあるようです。
認知症と間違われることも多いので、間違われないように細かく診断をしていきます。
予防方法について
高齢者が何らかの病気になって入院してしまうことで発症してしまうことが多いので、これらのパターンに該当しないように努めることが最大の予防法となります。
つまり、高齢者の方が入院しないように予防することが最大のケア方法ということです。
ちょっとした脱水や便秘や睡眠不足から発症することもありますので注意しましょう。
生活のリズムや睡眠のリズムが狂ってストレスが溜まっていくと発症する確率が高まると考えて、ストレスが溜まりにくい環境を整える努力も続けて下さい。
急な引っ越しも大きなストレスとなりますので、よく考えて行動しましょう。
せん妄につきまして次のページも参考にしてみて下さい。
公益社団法人 日本精神神経学会 和田健先生に「せん妄」を訊く
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事ではせん妄について、認知症との違いや症状や原因を中心にお伝えいたしました。
病気にならないことがせん妄の最大の予防法となりますので、まずは健康的な体作りを第一に行動するようにしましょう。
老化が進むとどうしても病気になりやすく怪我をしやすくなってしまいますので、しっかりと体を鍛えながらも生活リズムを整えて健康的な体を作って維持していって下さい。
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