低カリウム血症で表れる症状や原因と治療法【食事内容は?】
低カリウム血症とは?原因や検査・診断・治療法
低カリウム血症は暑くなるシーズンに気を付けるべきものであり、どのような症状があるのかを押さえておかないと危険な状態になる恐れがあります。
具体的な原因や治療方法、改善すべき食事の内容などはどのようなものなのか、これは自分の身を守るための必須情報となるでしょう。
温暖化によって夏が従来よりもかなり暑くなっているので、この低カリウム血症の症状を理解して対策を取り防をする必要があります。
本記事では低カリウム血症の症状や原因、治療法を中心にお伝えしたいと思います。
低カリウム血症とは?
低カリウム血症とは血液中のカリウム濃度が低くなってしまった状態のことです。
医学的な数字を記載すると血清カリウム濃度が3.5mEq/Lを下回ると低カリウム血症と判断されます。
ちなみに血液中の血清カリウム濃度の正常範囲は3.5~5.0mEq/Lとなっています。
このカリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧を調節する作用があり、現代人は塩分を摂取しすぎる傾向があるのでもっとたくさん摂取するべきと言われている栄養素の一つなのです。
ナトリウムが多すぎると水分を溜めるように体が動くのでむくみが多く発生しやすくなるのですが、このむくみを防止するためにもカリウムの摂取がささやかれるようになりました。
低カリウム血症はカリウムが体内から不足している状態であり、どのような症状が出るのかある程度想像がついている人もいらっしゃるかもしれませんが次の項で説明したいと思います。
表れる症状について
カリウムは体液の浸透圧調整といった役目以外に、神経伝達を助ける作用や筋肉の収縮を補助する役割がありますので、低カリウム血症になるとこれらの作用がうまくいかなくなるのです。
特に厄介なのが、筋肉への伝達がうまくいかなくなってしまい体がうまく動かせなくなってしまうこと、そして内臓器官も正常に動かせなくなってしまうことでしょう。
具体的には、悪心・便秘・嘔吐・体のマヒ・自律神経失調症・痙攣・呼吸困難・不整脈・疲労・イライラ・鬱・睡眠障害・高血圧・多尿といった症状が出るようになります。
神経系のトラブルと筋肉系のトラブルなどがまとめて発生するのでいろんな症状が併発するのです。
たかがカリウムと思うかもしれませんが、このカリウムが不足することで起こる弊害というのはかなり大きいので、軽度の低カリウム血症でも油断してはいけません。
ちなみに、夏バテするとイライラしてしまったり疲労感を感じてしまうこともありますが、実はこれは低カリウム血症の症状が出ていることもありますので、ただの夏バテとして放置するのはちょっと危険です。
原因について
最もわかりやすい原因が、摂取するカリウムの量が少ないということでしょう。
カリウムは海藻類や大根やパセリやコーヒーなどに含まれていますが、和食離れが進んでいる現代人でコーヒーや野菜を摂取しない人は高確率でカリウムが不足します。
他に考えられるのは、体外に出ていくカリウムの量が多すぎるというケースでしょう。
これは尿量が増加することや汗の量が増加することで発症します。
もちろん、普通の日常生活で低カリウム血症になることは稀ですが、温暖化が進んでいる現代日本において汗対策は必須になるでしょう。
あとは、かなり稀ですが血液中から細胞内にカリウムが取り込まれてしまうことで低カリウム血症になるパターンもあります。
特に尿細管性アシドーシスや遺伝性のBartter症候群のような分かりにくい病気が原因で低カリウム血症になる可能性もありますので、放置するのは危険なのです。
また、この低カリウム血症は大量の汗が出ることで発生することも多いので、非常に暑い季節に外のお仕事をしている人は要注意となります。
水分不足やカリウム不足になって倒れてしまう危険性が高まるのです。
検査・診断方法について
低カリウム血症かどうかの判断は血液検査や心電図検査を行います。
カリウム濃度は臓器の動きに密接にかかわっているので、房室ブロックや期外収縮といった不整脈の症状が出る可能性が高いのです。
その他に血液検査を行わなくても尿中のカリウム濃度の測定でも判別することが可能となっております。
先ほど説明したように血液中のカリウム濃度の正常範囲は3.5~5.0mEq/Lなので、これを下回ると低カリウム血症となります。
ただし、これらの低カリウム血症の検査というのはカリウムが不足していることが判明しているだけであり、「どうしてカリウムが不足するようになってしまったのか」を突き止めることが出来ていないので、そちらの検査も並行して行うようになるでしょう。
どのような薬を飲んでいたのか、汗はどの程度出ていたのか、どれくらいのカリウムを摂取できているのか、何らかの病気になっているのではないのか、といった様々な観点から原因を探る必要があるのです。
患者さんのこれまでの病歴もチェックされるでしょう。
治療方法について
低カリウム血症の治し方はカリウム製剤の内服が基本なので、かなり簡単に治すことが出来ます。
ただし、症状が重くすぐに補給する必要があると判断された場合はカリウムを点滴によって補充することになるでしょう。
経口カリウム製剤は市販されており、夏のシーズンによくある低カリウム血症予防に使うのもあるようです。
ただし、高用量の単回投与は消化管への刺激につながってしまいますし、出血を引き起こす可能性がありますので、下手に薬に頼るのではなく食べ物による摂取が最も安全と言えるでしょう。
早い段階での治療は医師の指導の下に薬物治療を行うとか、点滴による治療を行う必要がありますが、恒久的な治療は食生活の改善といった日常生活から治していくことが必須となります。
低カリウム血症にとり入れると良い食事内容
一日に必要なカリウムの量は男性が3000mg/日、女性が2600mg/日以上となっております。
現代日本人は塩分摂取量が非常に多いので、カリウム摂取の推奨量も多いのです。
もちろん、摂りすぎると高カリウム血症になる恐れがありますが、基本的には不足しているので意識して摂取した方がいいでしょう。
カリウムが多く含まれている食べ物は、海藻類・里芋・ほうれん草・トマト・小松菜・バナナ・メロン・納豆・鮭・サバ・鶏のもも肉など色々な食材があります。
この中でも飛び抜けて高いのはほうれん草と海藻類ですが、海藻類を摂り過ぎるとヨウ素の過剰摂取につながり兼ねませんので、海藻類でカリウムを摂ろうという場合は摂取量に注意しましょう。
大豆や小豆といった豆類や肉や魚にも含まれていますので、基本的には健康的な食事をすれば不足することは少ないのです。
どうしても摂取しきれないという方はサプリメントでカリウムを摂取するといいでしょう。
ほうれん草や小松菜やバナナでも摂取できますが、それなりに多く摂取しないと目標量の3000mgにはなかなか届かないので、ちゃんとした食生活が送れない方はサプリによる摂取も念頭におきましょう。
バナナ1本で約300mgなので、1日の必要なカリウムはバナナ10本分となっています。
低カリウム血症につきまして次のページも参考にしてみて下さい。
読売新聞の医療・健康・介護サイト ヨミドクター 低カリウム血症
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では低カリウム血症について記載してまいりました。
低カリウム血症はある程度意識すれば簡単に予防できるものではありますが、現代人は塩分過多なので意外にも不足しているという状況になりやすいのです。
とくに、暑い時期の外での仕事をしている人はひたすら汗をかくかと思いますので、ミネラルの補給は定期的に行ってください。
カリウムだけでなく水分や色々なミネラルが不足すると、血液がドロドロになって脳梗塞になる恐れもありますので注意しましょう。
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