犬のトリコモナスの症状や原因と治療法【犬から人に感染する?】
犬のトリコモナスの症状や原因と検査・治療法【予防法は?】
人でも性病の一つとして悩まされているトリコモナスですが、犬もトリコモナスにかかってしまうことがあります。
一体どのような症状が出るのでしょうか?
治療するにはどうしたらいいのか、原因は何なのか、犬から人に感染してしまうことはあるのかなど色々疑問を持たれる方もいるかと思います。
動物から人間に病気がうつされるパターンは色々とありますが、犬のような身近にいる動物から感染させられてしまうというのは、なかなか怖いものがあるでしょう。
本記事では犬のトリコモナスの症状や原因、治療法を中心にお伝えしたいと思います。
トリコモナスとは?
トリコモナスとは「トリコモナス原虫」という寄生虫による感染症を指します。
人間の場合は腟トリコモナス症が非常に有名で、性病の一つとして数えられています。
日本では5~10%の女性、そして1~2%の男性が感染しているという情報があるのですが、人間の場合は症状が出ないケースも存在しているので本当の感染者数は把握できていないと言われております。
このトリコモナス原虫が犬にも寄生してしまうケースがあるのですが、動物の場合は多くの種類の鳥に感染することで知られているので犬や猫に感染するケースよりも飼っている鳥類に感染してトラブルになることが多い寄生虫と言えます。
ハトやオカメインコにも感染することがありますので、野生の鳩が実はこのトリコモナス原虫に感染し患っている可能性もあるのです。
犬のトリコモナスの症状
人間のトリコモナスは性病の一つとされていますが、犬のトリコモナスはどのようなものなのでしょうか?
犬の場合は基本的に大腸に寄生する「腸トリコモナス」が有名なので、性病とは異なる症状が出ます。
具体的には大腸性下痢・血便・粘液便・肛門の腫れや赤み・直腸脱・脱水症状などが症状として出てきます。
ただし、犬の場合はトリコモナス原虫による症状以外に他の寄生虫による感染症状も合わせて出るようになるので、トリコモナス原虫のみの症状なのかが分からないケースも多々あります。
とりあえず、軟便や下痢がひたすら続いているとか血便が出ているといった状態になったのなら、一度検査をしてもらった方が良いでしょう。
下痢の回数が多すぎると、肛門が腫れ上がってしまいトイレが出来なくなってしまう恐れがあるので早めに対処しましょう。
原因について
人間の場合は性病の一つに該当するので、いわゆる性行為によって感染するものではありますが、先ほど簡単に説明したように犬の場合は大腸に寄生する「腸トリコモナス」が有名であり性病ではありません。
そこで犬のトリコモナス症の感染経路ですが、経口感染が多いのです。
人間の場合はあり得ないのですが、犬の場合はトリコモナスに汚染された糞を口にしてしまうというケースがしばしばあるので、そこから感染してしまうことがあります。
このトリコモナス原虫に汚染されたとしても、症状が全く出ないケースも多々ありますので、気がついたら多くの犬にトリコモナス原虫を拡散していたというケースもあるでしょう。
症状があれば対処できますが、症状が出ない状態が続くと次々と感染を拡大してしまうのです。
検査方法について
人間の場合は性行為によって感染が拡大するので、腟分泌物の採取や尿検査などで発覚するものなのですが、犬の場合は口の中から粘液を採取するとか糞便検査によってトリコモナス原虫の影響を受けているのかどうかをチェックすることになるでしょう。
最も多いのが、糞便をとって、顕微鏡下で観察するという方法です。
しかし、いつまでも続く血便や下痢の場合はトリコモナス以外に原因があることも多いので、糞便の検査ももちろん行いますが、それ以外の検査も並行して行うことがあります。
ペットの検診というのは怠ってしまう人も多いので、何らかの病気になってしまったという疑いがある場合はその他の部位でトラブルを抱えていないかどうかをチェックしておくと良いでしょう。
治療方法について
トリコモナス原虫はしっかりと原因が特定されれば駆逐することが出来る抗生剤が用意されており、投薬治療が基本となります。
ウイルスのように殺せない存在ではなく細菌や寄生虫は対抗する抗生物質があれば死滅させることが可能なのです。
具体的に投薬されるものはメトロニダゾールなどの二トロイミダゾール系の抗原虫薬になりますが、量が多すぎたり投薬期間が長すぎると副作用が出るという話もありますので、投薬量については相談する必要があるでしょう。
また、下痢がひどい場合は脱水症状に苦しめられますし、肛門当たりがかぶれてしまうこともありますので、その対応策として輸液やかぶれに対する処置も行うことになるでしょう。
また腸内細菌のバランスを改善する必要がありますので、そちらへの対処もなされるでしょう。
その他、多頭飼いによる不衛生な環境から病気になってしまうケースもありますので、衛生管理についても言及されることがしばしばあるようです。
予防方法について
トリコモナス原虫というのはしっかりとした衛生環境にある犬ならば感染することはほとんどありません。
基本的に他の犬の糞便等を口にしてしまうことで感染するので、そのようなことが起こらないようにケアすれば発症することはないのです。
ちなみに、多頭飼いをしているとしたら、排泄物をしっかりと片付けられるような環境を整えて、トイレを複数の場所に設置して管理を徹底する必要があると言うことです。
また、トリコモナス原虫に寄生されたとしても無症状の場合もありますので、気がつかないだけで次々と感染を広げているケースもあります。
多頭飼いをしている中の一頭がトリコモナス原虫に感染してしまった場合、他の犬も感染しやすい環境ということになるので検査した方がいいでしょう。
症状が出ないだけでトリコモナス原虫に寄生されている可能性もあります。
こういったことに対してケアをする心が対策となるのです。
トリコモナスは犬から人に感染する?
トリコモナス原虫は様々な動物に寄生する能力がありますので、犬以外に鳥や猫や人間に感染するケースももちろんあります。
しかし、人の感染に多いトリコモナスは膣トリコモナスという別のトリコモナスなので、感染する可能性は低いです。
それでも、免疫力が低いと犬に寄生している腸トリコモナスの影響を受けてしまうケースもあるようですので、注意した方がいいでしょう。
確率は低いけどもうつされてしまう可能性はあるという言い方が適切かと思います。
とくに、免疫力が低い小さな子供がいる家庭は要注意です。
犬や猫といったペットがいて小さな子供がいる環境ではこのような病気に注意しましょう。
犬のトリコモナスにつきまして、次のサイトも参考にしてみて下さい。
アニコムグループ 動物親子手帳 トリコモナス症
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では犬のトリコモナスに関する色々な情報をお伝えいたしました。
人間で有名な性病の一つであるトリコモナスは膣トリコモナスなので、今回の犬の腸トリコモナスとはまた別物です。
衛生環境が悪い状態にあればあるほど腸トリコモナスが活発化しやすくなってしまいますので、多頭飼いをしている家庭は衛生管理を徹底的に行って下さい。
感染及び発症してしまって、被害が拡大する前に出来ることを行っておきましょう。
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