閉経とホルモンバランスの変化【上昇・低下】や補充療法など
閉経での肌への影響や骨粗鬆症と女性ホルモンの増やし方など
閉経とホルモンバランスの変化は密接に関係しており、更年期に入った女性はこの女性ホルモンに低下に頭を悩ませます。
ホルモン補充療法などで上昇するとも言われておりますが、果たして期待できるものなのでしょうか?
本記事では閉経とホルモンバランスの変化を中心にお伝えしたいと思います。
閉経前後はホルモンバランスが乱れる?
ホルモンバランスの乱れにはいくつかの原因がありますが、その中で最も影響が大きいのが思春期と更年期です。
思春期になると活発に分泌されるようになるため、分泌されることでの影響が強く出ますが、閉経前後の更年期になると卵巣機能が徐々に衰えてエストロゲンの分泌量が一気に低下していってしまいます。
つまり、閉経前後にホルモンバランスが乱れるのはもはや必然とも言えるのです。
エストロゲン分泌量が一気に低下してしまうのを避けることは困難でしょう。
年齢的にも40歳を過ぎると卵巣機能が低下していき、分泌量は減少して50歳前後には閉経を迎えます。
いわゆる更年期はこの閉経する年齢の前後の10年間なので、この時期になるとホルモンバランスの乱れによる症状に苦しめられるケースが多いです。
ホルモン値が低下するものだけでなく上昇するものもある?
基本的に閉経時にはエストロゲンの分泌量は確実に減少します。
しかし、下垂体から分泌される黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンは更年期になるとむしろ高い数値になると言われているのです。
これが両方とも低い状態の場合は視床下部や下垂体機能の低下が疑われますし、生理不順といった月経異常の原因にもなってしまうでしょう。
ただ、この二つのホルモンが過剰分泌されると自律神経中枢に悪影響がもたらされると考えられており、更年期障害の原因はエストロゲン分泌量が減少することと、この黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンが増えすぎることが原因と言われています。
ホルモン補充治療とは?
更年期の症状がひどい人は治療を受けることになりますが、その治療方法の一つが女性ホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)になります。
この治療法は文字通りで更年期によって失われるエストロゲンを外部から補充するというやり方です。
更年期による症状を改善する効果があると言われておりますし、それ以外にも不眠の改善や悪玉コレステロールを減らす作用もあると言われております。
更年期になるとうつ病のような症状を引き起こすこともありますので、それの改善効果ももたらしてくれことが期待できるようです。
このホルモン補充療法では飲み薬として渡されることもありますし、エストロゲンの貼り薬と塗り薬を用いることもあるでしょう。
貼り薬や塗り薬は皮膚から直接吸収される作用があるので飲み薬よりも負担は少ないと言われております。
正常なホルモンの数値
正常なホルモンの数値に収まっているのかどうかは女性ホルモン検査によって分かります。
こちらはこの数値を記載している病院の値をそのまま参考にしましょう。
このホルモンの分泌量がどうなっているのかを気にされるケースとしては更年期の心配をしている人や生理不順になってしまった人が多いようです。
・エストラジオール(エストロゲン)(CLIA法)
[月経周期]
卵胞期(月経開始から排卵まで)前期 11~82pg(ピコグラム)/mℓ・卵胞期後期 52~230 pg/mℓ・排卵期(排卵日) 120~390 pg/mℓ・黄体期(排卵後から月経まで) 9~230 pg/mℓ
[妊娠中]
妊娠前期 2300~7400 pg/mℓ・妊娠中期 9700~18400 pg/mℓ・妊娠後期 16500~32400 pg/mℓ
[閉経後] 22 pg/mℓ以下
・LH(黄体形成ホルモン)(CLIA法)
[月経周期]
卵胞期(月経開始から排卵まで) 2.3~16.9mIU(ミリインターナショナルユニット)/mℓ・排卵期(排卵日) 2.9~51.3 mIU/mℓ・黄体期(排卵から月経まで) 0.9~19.4 mIU/mℓ
[閉経後] 87.4 mIU/mℓ以下
・FSH(卵胞刺激ホルモン)(CLIA法)
[月経周期]
卵胞期(月経開始から排卵まで) 3.0~14.7mIU(ミリインターナショナルユニット)/mℓ・排卵期(排卵日) 3.2~16.6 mIU/mℓ・黄体期(排卵から月経まで) 1.5~8.5 mIU/mℓ
[閉経後] 157.8 mIU/mℓ以下
・プロラクチン(PRL)(CLIA法)
6.1~30.5ng(ナノグラム)/mℓ 妊娠中は100前後~300 ng/mℓ
(参考URL:https://www.pluswellness.com/dictionary/checkup/010006.html)
閉経したかはホルモン検査で分かる?
上述した数値というのは採血による血液検査でわかります。
その検査からエストロゲンが減少していることがはっきりと分かった場合は、更年期に入っているという証でもありますし、閉経が近いという証でもあるでしょう。
もちろん若いうちは無排卵や無月経といったものも考えられますが、40代後半以上の年代では閉経が近いと考えるのが妥当でしょう。
もちろん、この数値が全てではないため、これだけで閉経していると断定することはできませんが、明らかな減少傾向にあった場合は時期が近いと判断する材料にはなります。
一般的な閉経の基準は「月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています」ということのようです。
閉経でのホルモンの変化と骨粗鬆症との関係
閉経前後になるとエストロゲンが非常に低下している状態になります。
この状態になると骨粗鬆症になる確率も上がると言われております。
なぜなら、エストロゲンはカルシウムの代謝に関わっており、エストロゲンが低下してしまうとこのカルシウムの代謝バランスも崩れて骨を破壊する破骨細胞のみが活発化し、骨をつくる骨芽細胞の働きが追いつかなくなるからです。
一見無関係に見えますが、更年期になった女性は急激に骨がもろくなりやすくなりますので、カルシウムの補給もより積極的に行う必要があります。
ホルモンの変化による肌への影響
更年期になるとエストロゲン分泌量が減少します。
このエストロゲンは言わずもがな女性ホルモンの一つで、女性らしさをキープするためには重要なホルモンとなっており、美しい肌をキープするのにも大切なホルモンなのです。
具体的な症状としては肌のヒアルロン酸と皮脂の分泌量が減少してしまうので、乾燥する確率が非常に高まり、粉が出るような肌になってしまいます。
そのため、今まで以上に、保湿力の高い化粧水を使うといった努力が必要になるのですが、肌のお手入れにかかる時間がかなり増えてしまうのがネックといえるでしょう。
更年期における女性ホルモンの増やし方は?
繰り返しになりますが、老化が進むことで女性ホルモンのエストロゲン分泌量が減少してしまうのは間違いない事実です。
このエストロゲンを増やす方法は、ホルモン補充療法のような治療を行うか、エストロゲンと同じ働きが期待できると言われている大豆イソフラボンを補充するというものがあります。
後者はサプリメントを使うことも考えられるでしょう。
他にもエストロゲンに変換されるといわれている「DHEA」というものを摂取するのもいいでしょう。
食べ物として摂取する場合は大豆類を摂取するかDHEAが含まれている山芋を食べられると良いでしょう。
あとは、自律神経のバランスが整っている体の方がエストロゲン分泌量は増加するので、適度な運動や規則正しい生活リズムで生活するようにしましょう。
更年期や閉経に関連する書籍として次のようなものがあります。
横森理香 (著) コーネンキなんてこわくない (集英社女性誌eBOOKS)
閉経とホルモンにつきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
Advanced Medical Care Inc. 女性ホルモンと更年期障害
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では閉経とホルモンバランスの変化についてお伝えいたしました。
ホルモンバランスが変わってしまうことは女性にとって避けられないものではありますが、現代医療では更年期への対抗策もある程度用意されておりますので、あまりにもしんどいという方は医師に相談してみましょう。
LEAVE A REPLY