頻尿の原因は糖尿病かも?そのメカニズムと改善方法について
頻尿の原因として考えられる糖尿病との関係性と改善法
頻尿の原因としては過活動膀胱や骨盤底筋のゆるみなどがありますが、糖尿病によって頻尿が起きる場合もあります。
糖尿病によって頻尿になるメカニズムはいったいどのようなものなのでしょうか?
本記事では糖尿病と頻尿の関係や改善・治療方法について記載したいと思います。
糖尿病が頻尿の原因になるメカニズムは?
糖尿病で頻尿になる原因とそのメカニズムについて以下に記載いたします。
水分の多量摂取によるもの
糖尿病の症状の1つに「喉の渇き」があります。
なぜ喉が渇くようになるかというと、糖尿病では糖分が全身の細胞に運ばれにくくなる為に血液中の糖の量が増えます。
すると体は糖を尿によって排出しようと働くので水分を欲するようになります(通常は1L~1.5Lのところ、3L以上摂るようになります)。
そしてたくさん水分を摂ることによって尿の回数が増えます。
排尿機能の障害
通常は膀胱におしっこが溜まると筋肉が圧力を感じて、その信号が神経を介して脳に伝わります。
すると尿意を感じ、正常な排尿が行われるのですが、糖尿病の影響で、この尿意の伝達が正常に行われなくなることがあります。
つまり、尿が十分に溜まっていないのに尿意を催すので、尿の回数が増えます。
糖尿病で起こる頻尿の自分でできる改善方法は?
糖尿病で起こる頻尿の改善方法としては次のようなものがあります。
血糖値をコントロールする
最も大切な要素になります。
頻尿の原因が血糖値上昇による喉の渇きからの水分の過剰摂取の場合は血糖値をしっかりコントロールすることによって水分摂取量が減り、尿の頻度が正常化していきます。
血糖値のコントロールについては病院で適切な治療を受けるのが最良かと思います。
普段から適度な運動を行う
運動は血糖値をコントロールする要素の1つです。
運動の中でもウォーキングなどの有酸素運動を行うと、そのエネルギー源として糖分が使われます。
従いまして血糖値を下げる効果があるので、尿の回数を抑えることが期待できます。
食事をコントロールする
糖尿病のかかりつけのお医者さんから指導を受けられると思いますが、血糖値のコントロールにおいて食生活は大切になります。
気をつける基本的なものとして、適切なカロリーに抑える、糖質の摂り過ぎに注意する、たんぱく質・脂質・食物繊維・ビタミン・ミネラルといった6大栄養素をバランス良く摂る、1日3食たべる、良く噛んで食べるといったものがあります。
日頃から水分補給は真水か麦茶で摂る
以下に触れている夜間頻尿に限らず、1日を通しての頻尿対策として行うと良いでしょう。
糖尿病の治療に関しては次のページをご参照ください。
糖尿病による頻尿の頻度は?
糖尿病を含め一般的な頻尿の明確な基準はありませんが、日中に8回、夜に2回の合計10回を超えたあたりが目安になります。
以前はそうでなかったにもかかわらず、ある時期から1日の尿の回数が10回を超えるなど明確に尿の回数が増えているとしたら、頻尿になっている可能性が高いです。
子供の頻尿においても糖尿病の可能性がある?
子供が夜間に何度も目覚めてトイレに行くなど頻尿が疑われる場合、その原因としては心因性の場合と病気の場合があります。
心因性の場合は子供がおしっこに対して神経質になっているので、周りの大人は「またこしっこ?」などと言うことなく、見守ってあげる必要があります。
何かに夢中になっていたりすると尿の間隔が開いたりしますので、親はおしっこのことを気にせずに、何かを一緒に楽しむなど、子供がリラックスできるように接してあげると良いかと思います。
そして病気の場合としては出血性膀胱炎、細菌性尿路感染症、小児糖尿病などが考えられます。
あまり子供が糖尿病というのはピンとこないかもしれませんが、小学生10万人あたり1人弱、中学生では同4~7人が小児糖尿病になっているそうです。
従いまして、子供の頻尿が気になる場合は小児科で検査してみるのが無難です。
小児糖尿病につきましては次のページをご参照ください。
夜間頻尿の対策
夜間頻尿の対策としては次のようなものがあります。
利尿作用のある飲み物を控える
利尿作用のある飲み物としてはカフェインやアルコール、砂糖の入ったものがあります。
糖尿病の方が砂糖の入った飲み物を摂ると、ただでさえ高い血糖値を更に上げてしまうのですぐに喉が渇き、水分をたくさん摂り、尿の回数が増えるという悪循環に陥ってしまいます。
従いまして、糖尿病の方は特に砂糖入りの飲み物を控えた方が良いでしょう。
カフェイン入りの飲みのもとしてはコーヒーは勿論、紅茶、ココア、栄養ドリンク、玉露、抹茶、ほうじ茶、ウーロン茶、緑茶などがあります。
糖尿病の方が飲むのにおすすめの飲料は真水か麦茶になります。
少なくとも就寝1時間以上前から飲み物を控える
できるだけ寝る前までの水分補給を控える時間が長い方が理想ですが、少なくとも就寝の1時間前は飲み物を控えましょう。
就寝中はしっかり体が温まるようにする
体が冷えると、体内の水分を排出しようと働きますので、おしっこが近くなりやすいです。
しっかり体が温まるような状態で就寝しましょう。
糖尿病で起こる頻尿の治療法は?
糖尿病で起こる頻尿の治療は糖尿病そのものを治療することになります。
「糖尿病で起こる頻尿の自分でできる改善方法は?」の項で挙げた改善法を行うと同時に病院を受診し適切な治療を受けるのが良いでしょう。
病院での治療としては、血糖を下げるインスリン療法や薬物療法があります。
糖尿病の治療に関しては次のページをご参照ください。
糖尿病以外の頻尿の原因は?
頻尿の原因は利尿薬の服用も考えられますが、前立腺肥大症や前立腺がんのような尿道が圧迫されることも原因となりますし、水分補給があまりにも多過ぎることで頻尿になってしまうこともあります。
水分摂取量が多くなるのは糖尿病の症状ではありますが、それ以外にも尿崩症(尿崩症)や心因性多飲症といった病気でも出てくる症状なので要注意です。
また、膀胱に溜まる尿量が減少する神経因性膀胱が原因の場合もあれば、妊娠などで膀胱が圧迫されてしまって溜められる尿量が減ることで起こることも考えられるでしょう。
他には膀胱炎になってしまった場合も頻尿の症状が出るようになります。
このように頻尿になる原因は病気以外にもありますし、病気の場合でも種類がかなり豊富にあるので、頻尿という症状だけでどのような原因なのかを特定するのは難しいです。
従いまして、病院を受診して検査してもらいましょう。
最後に
糖尿病によって頻尿が起きるメカニズムとしては血糖値が高いことによる喉の渇きから、水分を過剰摂取することと、排尿機能に障害が起きることが考えられます。
子供が夜間に何度かおしっこに行くなど、頻尿の傾向がある場合は、心因性の原因と病気の原因がありますが、病気の場合の1つに小児糖尿病が考えられます。
夜間頻尿の対策としては「利尿作用のある飲み物を控える」「少なくとも就寝1時間以上前から飲み物を控える」「就寝中はしっかり体が温まるようにする」といったものがあります。
糖尿病が原因となっている場合に頻尿を改善させるには、血糖値をコントロールすることが最も大切で、運動や食事など自分で気をつける部分と病院による治療を併行して行っていくことが肝要です。
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