鷲足炎はランニングでなる?治療法や予防する走り方やシューズは?
鷲足炎の治療法とランニングフォームなど原因について
ランニングを行っていて鷲足炎(がそくえん)になってしまう人が多くいらっしゃいます。
走りたいという思いがあるなか、本当にもどかしいと思います。
原因はランニングそのものにあるのでしょうか?
走り方【フォーム】やシューズに問題があるのでしょうか?
治療法や予防法の他、鷲足炎の原因などについて触れたいと思います。
鷲足炎はランニングでなりやすい?
鷲足炎は鷲足部(膝の内側部)に負担がかかることで起こるのですが、膝の屈伸運動が多いと膝の内側の骨と鵞足が擦れて膝の内側に痛みが出やすくなります。
ランニングは小さな屈伸運動の連続であり、特に足を後ろに蹴り出す時にこの鷲足部に負担がかかります。
そして繰り返し強い負担がかかり続けるとやがて炎症を起こし、鷲足炎になります。
ただランニングだけが原因かというと決してそうではありません。
現実的にランニングの量が多い人でも鷲足炎にならない人がいれば、ランニング量が比較的少ない人でも鷲足炎になるケースが多々あります。
ということはランニングそのもの以外に鷲足炎になる原因があるということになります。
いったい何が原因なのでしょうか?
考えられる原因は4つあります。
X脚
画像出典:http://www.body-surprise.com/blog/
X脚とは膝が内側に入りこみ正面から見ると、Xの文字を形成したように見える脚のことを言いますが、X脚だと脚を交互に動かす毎に、強い負担が鷲足部にかかってしまいます。
従いまして鷲足炎になりやすくなります。
体に歪みがある
画像出典:http://www.37genki.com/pages/case/004733.html
X脚ではなかったとしても、体に歪みがあると、体中の様々な箇所に集中的に負担がかかりやすくなります。
歪み具合によって鷲足部に負担がかかりやすくなることもあり、その結果鷲足炎になったりします。
足部の過回内(かかいない)
画像出典:http://mbp-kanagawa.com/robinfoot/
踵骨(かかと部の骨)が内側へ異常に倒れ込む形をしているが為に鷲足部に負担がかかりやすくなり、鷲足炎をひき起こす場合があります。
歩き方や走り方の問題
歩き方に問題があることで、普段から常に鷲足に負担をかけてしまっている可能性があります。
また、ランニングのフォームそのものに問題があることで鷲足に負担をかけてしまっている可能性もあります。
普段からの血行が良くない
普段から血行が良くないが為に鷲足に十分な血液が行かず、筋肉が疲労していて、そこにランニングの負荷がかかることで、痛みを伴うことが考えられます。
膝に負担のかかりやすいシューズをはいている
ランニングシューズには膝に負担のかかりやすいタイプとかかりにくいタイプがあります。
詳しくは「ランニングシューズを選ぶポイント」の項をご参照下さい。
鷲足炎の治療法
鷲足炎を治すには鷲足部にかかっている過剰な負担を取り除かねばなりません。
鷲足部の過剰な負担を取り除くには次のようなものがあります。
まずはしっかり膝を休ませる
痛みのある状態でランニングを続けると更に鷲足炎が悪化するだけでなく、痛みをかばって走るようになり、体の他の部分に影響が及ぶようになる他、ランニングフォームも崩れかねません。
体の歪みを正す
体のバランスが崩れていることで、普段から鷲足部に負担がかかっている状態でランニングをすることなどにより更に強い負荷がかかると、膝に痛みが出てくることが大きな原因なので、根本的に体の歪みを取り除く必要があります。
自分で体の歪みを正す方法につきましては次の動画をご参照下さい。
自律神経の働きを整える
自律神経というのは血行をコントロールしています。
つまり自律神経の働きが整えば血行が良くなります。
すると鷲足部への血流も良くなり、痛みにくくなります。
自律神経を整えることに関しては次のページをご参照下さい。
普段からの歩き方を正す
意識する点としては姿勢を正し、かかとからやさしく地面につけ、足裏全体を地面につけるようなイメージで指で地面を軽く蹴るという感じです。
正しい走り方
正しいランニングフォームを考える要素として、「腕の振り」「腕の角度」「歩幅」「地面の蹴り方」「着地の仕方」「姿勢」などがありますが、走り方の基本として次の3つの要素を意識すると良いそうです。
体重移動の繰り返し
まっすぐに立って、そのまま前に倒れ、倒れる直前に足を前に踏み出す・・・この繰り返しが最も体に負担をかけず、スムーズに走るコツです。
腕の振り
肘を90度に曲げ、手は軽く握りこぶしを作り、肘を後ろに引くことを意識して腕を振ります。
肘を引いた時こぶしが腰の位置にあるのが理想です。
そして次に反対の腕の肘を引きます。
この繰り返しです。
膝の引き上げと走法
右肘を引く時に右膝を引き上げる、左肘を引く時に左膝を引き上げる。
これを繰り返します。
そして走法には2種類あり、歩幅が広く足や腕の回転数の少ない「ストライド走法」と、回転数の速い「ピッチ走法」があります。
このような走り方の基本がありますが、いつの時代でもマラソン界のトップ3に入るランナーが何れも同じフォームで走っているわけではありません。
つまり自分にとって最も理想的なフォームを作り上げていったということです。
従いまして、走り方の3つの要素を基本に自分なりの理想の走り方を追求し固めていくのがベストかと思います。
出典:http://sports.nissin.com/rikujo/advice/running02.html
ランニングシューズを選ぶポイント
ランニングシューズを選ぶポイントとして、膝を守るという観点から考えた場合、最も重要なのがソールです。
ソールの厚いシューズはクッション性があり、膝への負担は小さくなります。
反対にソールの薄いシューズは膝に負担がかかりやすくなります。
また走る目的によってシューズを選ぶポイントが変わってきます。
運動不足解消あるいはダイエット目的のジョギングなのか、足腰を鍛えるランニングなのか、完走を目指すマラソンなのか、タイムを競うマラソンなのかなど。
このような目的を明確にした上で、お店の方に相応しいシューズを選んでもらうといいでしょう。
鵞足炎に効果的なマッサージ方法は?
鵞足炎は太もも全体をマッサージすることである程度症状が回復しやすくなります。
上の動画でも詳しく説明しておりますが、できる限り太ももの内側にある内転筋や裏側の部分を意識してマッサージしましょう。
「膝の裏に痛みがあるのになぜ太もも?」と疑問に思うかもしれませんが、この鵞足炎の原因は大腿の内側部分の筋肉や太ももの裏側の筋肉ですので原因となる筋肉をほぐすことが重要なのです。
ポイントは強く押し過ぎないことでしょう。
強く押してしまうと筋肉が固まってしまって悪化する傾向にあるので、一般の方は筋肉を揺らすようにもむイメージで実行しましょう。
それ以外にも軽く膝を曲げてから前屈を行う半腱様筋や薄筋のストレッチングも有効でしょう。
ただし過度なストレッチは筋肉を硬くする原因となりますのでほどほどにしましょう。
鵞足炎におけるサポーター
鵞足炎を改善する上で、膝に大きな負担をかけないことが必要になりますが、サポーターはあくまでも、その負担を和らげるものになります。
日常生活を営む上では必ず歩かなければなりませんが、悪化している鵞足に、より負担をかけなくすることで回復を早めようというものです。
サポーターをすることで痛みをごまかし、ランニングを再開させようという目的で使うことはおすすめできません。
そして、回復が進んできましたら、早めにサポーターを外すことをおすすめします。
ずっとサポーターをしていると筋肉がサポートされているため強化されません。
痛みが引いてきたらサポーターを外し、少しずつ膝に負荷をかけ、筋力アップしていくことが大切です。
またサポーターをしていると不自然に膝が圧迫されてしまうので、血行が悪くなるといった面もあります。
血行が悪くなると痛めている膝に十分な血液が行かなくなるので自然に回復する力を弱めてしまうというデメリットもあります。
従いましてサポーターは必要最低限におさえることが大切です。
そもそも鷲足炎とは?
画像出典:http://blogs.yahoo.co.jp/momo
まず鵞足についてですが、膝の内側に縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はくきん)、半腱様筋(はんけんようきん)という筋肉の腱が集まっている場所があります。
この場所を後ろから見るとガチョウの足のように見えることから鷲足と名づけられています。
この鷲足に負担がかかり、筋肉が硬く緊張して引っ張られて痛みが出たり、その周辺が腫れたりする症状を鷲足炎と言います。
膝を曲げたり伸ばしたりした時や運動中、鷲足部を押した時などに痛みを感じます。
初期段階ではこのように膝を動かした時に痛みを感じますが、悪化してくると、じっとしていても痛みを感じるようになったります。
ランニングを再開できるタイミング
鷲足炎を起こすと2~3日休んで痛みがひいても、ランニングを再開するとまたすぐに痛みが出る傾向にあります。
部活動を行っていて、鷲足炎になった場合、周りの目が気になって・・・あるいは他の部員に差をつけられるのではないか?という焦りなどから、ついつい無理をしてしまいがちになったりします。
無理は更に悪い結果を導きかねません。
思い切って完治するまではランニングを休むという覚悟を持つ勇気が、あなたにとって必要なタイミングなのかもしれません。
また、それがランナーとしての成長につながるのかもしれません。
ではランニングを再開するタイミングですが、まずは鷲足炎の改善の実績のある治療院で診てもらい、痛みがなくなるまで改善していきましょう。
改善したら、その治療院の先生と相談して練習再開を判断するのがベストな選択かと思います。
あなたがお住まいの近所に鷲足炎の改善実績が豊富な治療院がないか探し、あった場合はその事例などを確認してみましょう。
鵞足炎につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
鷲足炎というのは膝の内側にある鷲足という部分に負担がかかり、腫れたり痛みが出たりする症状を言います。
ランニングそのもので勿論膝に負担がかかりますが、X脚や体の歪みなどいくつかの要素で更に膝に負担がかかりやすくなっていることが最も大きな原因です。
鷲足炎の治療法としては「膝を休ませる」「体の歪みを正す」などがあります。
しっかりとした治療院で治した上でランニングを再開することが大切です。
サポーターは補助的なものという位置づけで必要最小限の使用に留めておくと良いでしょう。
ランニングフォームは基本を頭にいれつつ自分に合ったフォームを確立していくことがおすすめです。
シューズは膝を守るという観点から言えばソールの厚めのものが良いです。
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