白内障の手術の費用【両目・片目・入院】は高い?リスクは?
両目や片目など白内障の手術の費用について
白内障という病気は、眼の水晶体が濁ることで視力に悪影響をおよぼす病気です。
最近では若い世代にも見られる傾向にある病気であり、基本的に目薬などでは治せません。
なので「手術」を必要とするのですが、そうなると「費用」や「リスク」について考えなければならなくなります。
本記事では白内障の手術における費用やリスクを中心にお伝え致します。
白内障の手術の費用は?
まず、手術において気になるポイントとして「費用」という要素があります。
白内障の手術は、片目で約6万円、両目だと11万円~12万円が目安となっています(3割負担の場合)。
白内障手術は日帰りの手術も選択できますが、その場合だと入院費用がかからないというメリットがあります。
ただし、重大な症状や合併症が無いことが条件であり、手術後のデリケートな状態を考えると入院することも選択肢として十分に考慮すべきものではあります。
その場合は、患者さんの状態に応じて入院日数が異なり、それによって入院費も変ります。
両目だと12万円+検査代や手術後の経過観察および医薬品代、そして入院費用がかかることも考えると、それなりの金額になります。
なので「高額医療制度」を利用することも考えましょう。
高額医療制度は、保険診療の範囲内で毎月決まった金額以上の医療費について還付を受けられる制度です。
白内障の手術のリスクは?
医療技術の進歩に伴い、白内障の手術におけるリスクは軽減されています。
しかし、場合によっては何らかの弊害が発生するリスクも残されています。
まず、高齢者の場合だと「麻酔によるショック」を引き起こした際、危険度が急激に高まります。
その他にも、高齢であり肉体的な問題で白内障の手術におけるリスクが高まったり、何か起きた際にその危険度が高まるといったリスクが考えられます。
次に、糖尿病を患っている人に関してです。
血糖値のコントロールが必要になり、重度の場合には感染症や合併症のリスクが高まることになります。
こういったことに関しては手術する前にカウンセリングを行いますので、その際に申告および不安なことは全て担当医に伝えておきましょう。
白内障の手術の時期はいつがいい?
白内障の手術は、基本的に患者さんが希望するタイミングで行うことが望ましいですが、あまりにも遅くなり過ぎると取り返しの付かないことになります。
白内障は少しずつ進行する病気であり、初期の段階では手術の必要性もそこまで高くありません。
しかし、視力が物を言うスポーツや仕事をする人にとっては、この時点でも白内障の影響が強く現れます。
なので、手術を希望するという人も少なくありません。
これが進行して中程度の症状が現れると、医師の方からも手術を勧められるようになります。
とは言え、この時点ではまだ致命的な状態にはなっておらず「早めに手術をしたほうが良い」程度の認識となっています。
さらに進行して重度の症状になると、場合によっては手遅れになったり、手術の難易度が高まったりする事になります。
患者さんそれぞれに事情は異なりますが、中程度の症状のうちに早めに手術を受けられることが望ましいです。
麻酔について
白内障の手術ということで、手術の前に「麻酔」をすることを想定する人が多いと思います。
実際、白内障の手術においては麻酔を用います。
用いる麻酔は「局所麻酔」であり、手術の際の痛みを大幅に軽減してくれます。
麻酔の方法はいくつかありますが、「点眼薬」と「注射薬」を用いることが多いです。
これらの方法は、手術を行う病院によってどういった方法を選択するのかは異なります。
点眼薬+注射薬を使用するのか、もしくは点眼薬のみで行うのかといった具合です。
その方法については手術の前にあらかじめ担当医に確認しておきましょう。
局所麻酔ですので、手術中にも意識があります。
何か不安になるようなことがあれば、医師やスタッフとの会話によって確認することができます。
白内障の手術の時間は?
次に気になるポイントとして「手術に必要な時間」です。
どれだけ麻酔下での手術を受け続けなければならないのか、それだけで不安になる人も少なくありません。
白内障の手術の場合、手術のみの時間で見れば約15分前後で完了します。
しかし、実際には麻酔や洗眼などに時間を必要としますので、プラス10分は見積もっておく必要があります。
さらに、手術後の休憩に10分~15分ほど必要になり、その後に術後の注意点の説明を受けて薬を受け取ります。
日帰りの場合であればこの時点で帰宅となります。
総合すると、約1時間ほどかかる計算になります。
しかし、実際のスケジュールは病院ごとに異なりますし、何より患者さんの症状や術後の状態などに影響されますので、実際にかかる時間は変動すると考えた方が良いでしょう。
手術後の注意点は?
白内障の手術を受け、日帰りできる人であればそれで安心できるというわけではありません。
白内障は、手術後にも幾つかの注意点があります。
幾つかの制限を医師から申し渡されると思いますが、基本的に「目を保護する」ということが必要になります。
手術後の目は傷口が完全には塞がっておらず、ばい菌が入り込みやすくなっています。
ばい菌の侵入を許してしまうと、せっかく手術したのに意味がなくなったり、最悪の場合は失明の原因になりかねません。
日常生活において、目を押さえる行動や、目にばい菌が入りやすくなる行動は制限され、入浴などの生活の中の行動も制限されます。
定期的に目薬を点し、完全に制限がなくなるまで個人差はありますが数ヶ月かかることも多いです。
車の運転はいつから可能?
車の運転は日常生活の上で必須という方も多いことでしょう。
運転は当然目を使うわけですが、白内障の手術を行った場合はいつから可能となるのでしょうか?
白内障手術の場合は車の運転をしていいのかどうかを判断するのは医師になりますが、だいたい1週間後と認識されると良いでしょう。
テレビなどを観ることは当日でも問題ないですが、事務仕事などの小さな文字を読む必要がある行為は3日程度必要だと言われております。
ただし、両目を手術する場合は左右の目で1週間ほどずらして実行するのでそれだけの期間、車の運転はできなくなると考えられると良いでしょう。
白内障の手術の合併症について
白内障の手術に関しては、「合併症」のリクスも考えなければなりません。
白内障の手術においては、手術中に発症する「術中合併症」と、手術後に発症する「術後合併症」の2種類に大別されます。
術中合併症としては「後嚢破損(こうのうはそん)」「毛様小帯断裂」が挙げられ、術後合併症については「術後眼底出血」「術後炎症」「嚢胞様黄斑浮腫(のうほうようおうはんふしゅ)」を始めとして、さまざまな合併症のリスクが考えられます。
特に、術後合併症の中でも「眼内炎」「角膜混濁」といった合併症は、視力に直接悪影響を及ぼす可能性がある合併症です。
大したことがないものから重度の合併症までさまざまであり、医療技術の進歩にともなってリスクは下がってきていますが、人が行うことなので完全にそのリスクを無くすことはできません。
犬の白内障の手術費用は?
白内障は目の病気であり、これは同じく目を持つ生き物である「犬」にも発症する可能性があります。
そして、犬の白内障も、手術によって治療することができます。
費用相場は片目で30万円、両目で50万円必要になります。
また、合併症の存在が確認されれば、その分だけ治療費はかさむことになります。
犬の白内障は、5~6歳の時に発症する「若年性白内障」と、7歳~10歳で発症する「老年性白内障」の2種類があり、後者の場合だと高齢な犬への負担を考え、医師の方でも手術を勧めないことが多いです。
その場合には、点眼薬で白内障の進行を遅らせることになりますが、犬はもともと視力よりも嗅覚に頼る部分も多いため、家具の位置が変わったり視覚に頼るアクション(ボール遊びなどを含む)をしなければそこまで生活に困ることはありません。
この点に関しては、家族や医師と相談してください。
白内障の手術につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
眼科先進医療研究会 白内障の治療・手術
最後に
手術ということで何かと不安も多いでしょうが、保険診療に含まれている治療なので保険が効き、高額医療制度も利用できますので医療費による経済的な負担はそこまで大きくなりません。
合併症のリスクを完全に防ぐことはできないとはいえ、症例数の多さと医療技術の進歩は確実にそのリスクを下げつつあります。
患者さん毎に事情は異なりますので、不安に思うポイントは担当医に相談することでその不安を和らげましょう。
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