腸閉塞の手術の方法や時間・入院期間と費用【術後の食事は?】
腸閉塞の手術での合併症などリスク!高齢者は手術しない?
腸閉塞になってしまった場合の手術の方法やその時間及び入院期間といったものはどのようなものなのでしょうか?
その他にも費用はどうなるのかとか術後の食事がどうなるのかなども気になる点だったりします。
本記事ではこの腸閉塞になってしまい手術が必要な状況になった時に、気になると思われる点を調べていきたいと思います。
腸閉塞の治療は手術が基本?
腸閉塞はウイルスや細菌によって引き起こされる病気と違い、何らかの原因で腸で詰まりが発生しているという物理的な事象によって引き起こされるものであり、この詰まりをどうにかしない限り治ることはありません。
つまり、放置によって治ることはないと言うことです。
治療の基本は腸の壊死が進まないうちに手術を行うのが基本となっているので、腸閉塞は何らかの手術が行われると考えた方がよいでしょう。
もし、壊死が発生していた場合にはその部分を切除して吻合(ふんごう)する必要があるので大手術となります。
いわゆる開腹手術が基本になります。
ただ、最近では医療技術も進歩してきており、内視鏡の一種である腹腔鏡を使った手術も可能となっており、開腹手術と比較すると出血量が少なく再発の恐れも少ないことから、こちらが優先して行われるように切り替わっています。
また、癒着性腸閉塞や麻痺性腸閉塞の場合は外科手術によって再び癒着が発生する恐れもあるとのことなので、手術よりも保存療法を用いることもあるようです。
手術の方法は?
手術の方法は状況次第で大きく変わります。
たとえば、癒着性イレウスの場合は癒着の剥離をして手術が終わるケースもありますので非常に簡単に終わることもあります。
逆に、何度も腸閉塞を引き起こすことで狭窄が強くなっている場合は腸管を切除するという大きな手術になってしまいます。
これが緊急性の高い絞扼性イレウスの手術の場合は腸管のねじれを戻すとか、壊死している部分を切除して吻合するという大きな手術を行うことになるでしょう。
また、大きな腫瘍によって詰まりが発生している状況ならば腫瘍を含め腸管の部分切除を行って対応することが多いようです。
手術時間や入院期間は?
このように腸閉塞は状況次第で手術の内容も大きく変わってきますので、手術時間も異なってきます。
実際にあった治療から手術時間がどの程度かかったのかを見てみると腸閉塞を繰り返していた腹腔鏡手術は1時間だったとのことなので、そこまで長時間ではないと考えられます。
大腸がんの手術において腹腔鏡手術と開腹手術でかかる時間の差を提示したものがありましたが、開腹手術だと160分が平均で腹腔鏡手術だと211分と1時間近く延びている状態でした。
腸閉塞で手術をした場合の平均入院期間はだいたい13日とのことですが、これが腹腔鏡手術のようにそこまで大きく切開しない手術ならば入院期間も短くなります。
ちなみに、29歳以下で手術した場合だと入院期間はだいたい14日となっておりましたが、手術なしだとわずか4日程度で退院できているので、手術があると若くても退院まで時間がかかりますが手術なしだと早めに帰宅できるということも分かります。
手術にかかる費用は?
腸閉塞の手術費用はやり方次第で大きく異なるので、具体的な数字を出すことは困難です。
実際に腸閉塞で入院した場合、手術費用を含めてだいたい20~30万円ほどかかるという情報がありますので、これが基準になるかもしれません。
ただし、何度も申し上げますが腸閉塞には手術以外の治療法もありますし、手術の内容も異なりますので値段もかなり上下します。
従いまして、あらかじめ予想するのは難しいでしょう。
手術後の食事について
腸閉塞になってしまった人は手術後の食事の内容は徹底的に気をつける必要があります。
具体的には消化が良くて腸に負担をかけない食べ物を最優先にする必要があり、消化が悪いものは推奨しないということです。
その中でも避けるべきと言われているのが、脂質が多い食べ物、食物繊維が多い食べ物、アルコール類、香辛料が強い食べ物です。
特に、アルコールや香辛料が駄目だと言うことを認識されていない方が多いので注意しましょう。
もちろん、腸閉塞になってしまった患者に対して、何を食べてはいけないのか病院側から説明されますので、ここで覚えなくても問題はないでしょう。
緊急手術が必要になる場合もある?
腸閉塞には機械的腸閉塞と機能的腸閉塞の2種類があります。
機械的な腸閉塞の場合は腸管内部に腫瘍や異物で詰まりが発生してしまうといったもので、機能的腸閉塞は腸の蠕動運動がうまくいかなくなってしまうことで腸内においての停滞がひどくなり腸閉塞になってしまうといったものです。
この中でも急いで手術が必要になるのが突然の腹痛で発症して動けなくなってしまうような状況になってしまう機械的腸閉塞の一種である絞扼性(こうやくせい)イレウス(癒着による索状物、腸捻転、腸重積、結節形成、ヘルニア嵌頓などが原因で起こる)によるものです。
この絞扼性イレウスは亡くなる人もいる非常に危険な腸閉塞なので、重篤な腸閉塞という認識になっております。
もちろん絞扼性イレウス以外にも腫瘍による腸閉塞のように保存療法がほとんど効果がなく切除が必要であり、壊死する可能性が高いものだったのなら緊急手術が必要になりますので、その人の状況次第のところが大きいです。
手術での合併症などリスクについて
腸閉塞は壊死が発生しているような状況では悪循環が発生しており、薄くなった拡張腸管から血中と腹膜腔へ細菌や毒素が移行するようになってしまい合併症が発生する確率が飛躍的に高まります。
具体的には敗血症・腹膜炎・エンドトキシンショックなどの合併症が発生する可能性があるとのことです。
それ以外にも合併症には縫合不全や術後肺炎がありますので、それが悪化して重症化するケースも多々あります。
術後管理も今は色々と進化しているので重症化する確率も低下しているようですが、それでもゼロになった訳ではありませんので注意が必要です。
ちなみに、開腹手術のような大きな手術になればなるほど合併症や再発のリスクは高まると言われており、そのことからも大きく体を切らない腹腔鏡手術が推奨されているようです。
高齢者の腸閉塞は手術しない?
手術は患者の体力をかなり使うものなので、基本的な体力が低い高齢者は手術をするのかどうかで判断が難しいケースもあります。
そのため、緊急性の高い腸閉塞以外はできる限り保存療法を試すケースが多く、手術は最後の手段として用いられるようです。
絶対に手術をしないというわけではありませんが、若い人と比べると優先順位が低くなってしまうということです。
腸閉塞に関連する書籍として次のようなものがございます。
三毛 牧夫 (著) 腸閉塞症
手術を始めとした腸閉塞に関する内容につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
https://doctorsfile.jp/medication/198/
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では腸閉塞の手術に関する情報を集めて記載いたしました。
腸閉塞での手術はある程度決まっていたものもありましたが、医療技術の進歩は確実に行われているので、少しずつではありますが患者の負担を減らせる方向へとシフトしております。
なので、患者側から見ると合併症などにおびえることも無くなりつつあるようです。
ただし、この腸閉塞も状況次第で手術の内容やレベルも大きく異なりますので、最大級に悪化する前に手術をしてしまうという選択肢もあるでしょう。
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