膠原病の症状や原因!血液検査の内容と結果までの日数は?
膠原病の血液検査の内容とその結果が出るまでの期間について
膠原病の症状として関節痛や筋肉痛、微熱など様々なものがありますが、そういった症状が出た時、もしかしたら膠原病?と不安になってしまうかもしれません。
膠原病は早期発見が重要ですので、すぐに血液検査を始めとした検査を受けることが肝要です。
本記事では、膠原病の症状や原因を始め、検査の内容やその結果に要する日数についての他、治療法などについても触れたいと思います。
膠原病の症状
膠原病の症状としては、関節の痛み、筋肉の痛み、微熱、皮膚に斑点が出る、リンパ腺の腫れ、レイノー現象(寒冷刺激や精神的緊張などによって指先の血管への血流不足から、突然指先が白くなったり、紫色になったりする)、手足全体もしくは指のしびれなどがあります。
そして膠原病には次のような種類があります。
関節リウマチ
初期症状としては、朝起きてから30分以上、手にこわばり感が出るのが代表的な症状です。
物を持ったり、ひねったりなど、手を使う時に違和感があったりします。
そして体がだるかったり、熱っぽかったり、食欲がなかったりします。
やがて手首や手足の指の関節に痛みや腫れが出たりもするでしょう。
特に手の指の第2関節に痛みや腫れが出やすいところがあります。
左右対称で症状が出やすい傾向がありますが、片方だけというケースもあります。
そして最初が1箇所だけだったのが、だんだん肘関節や頚椎、股関節、膝関節など徐々に色々な関節に症状が広がっていきます。
その他の症状として、筋肉痛やしびれ、皮膚に1~2cmの硬いしこり、貧血といったものが出る場合もあります。
全身性エリテマトーデス(SLE)
画像出典:http://www.collagen-disease.com/SLE-symptom.html
皮膚や内臓、関節など全身に様々な症状が出ます。
皮膚は蝶型紅斑と言って頬に赤く蝶が羽を広げたような発疹や、顔や耳、首まわりなどに円形の紅斑で中心の色素が抜けてコインのようになるディスコイド疹というものが出たりします。
また日光に対して過敏に反応しやすく、強い紫外線を受けると発疹、水ぶくれができ、発熱を伴ったり、手のひらや手の指、足の裏などに、しもやけのような発疹が出たりします。
内臓は腎臓でおきる糸球体腎炎、心臓では心膜炎や胸膜炎、肺でおきる間質性肺炎、肺胞出血など様々な臓器で色々な症状が一度に、あるいは時間とともにさみだれで起こったりします。
関節では出たり治まったりする痛みや突然複数の関節に起こる炎症(急性多発関節炎)まであり、全身性エリテマトーデス患者の約90%の人にみられる症状です。
ただ、通常は関節に損傷が起きることはありません。
その他、発熱、全身の倦怠感、食欲不振、腹痛、吐き気、貧血、白血球・リンパ球・血小板の減少、うつなど精神的症状などがみられたりもします。
原因ははっきり分かっていませんが、抗体を作る働きをしている免疫の1つであるBリンパ球が異常に活性化し、それに伴い作られた自己抗体によって、様々な異常が生じると考えられています。
このような免疫異常は遺伝的素因に、何らかの外因(感染症や紫外線など)が加わって発症するものと考えられています。
多発性筋炎・皮膚筋炎
画像出典:http://www.articular-rheumatism.com/kind.html
多発性筋炎は、筋肉の炎症などの障害によって、筋肉に力が入らなくなったり、筋肉に痛みを感じたりする病気です。
筋肉だけでなく、肺や関節、心臓、消化管などの臓器障害が合併して起こる場合もあります。
皮膚筋炎というのはゴットロン徴候(筋肉が炎症を起こすことによって、筋肉に力が入りにくくなったり、倦怠感を感じたり、筋肉に痛みを感じたりすると同時に、肘の関節や膝の関節の外側に、ガサガサとした紅斑が現れます)やヘリオトロープ疹(ヘリオトロープという薄紫色の小さな花の色と似た紫紅色の発疹が、まぶた、特に上まぶたにみられる)がみられます。
全身性強皮症
画像出典:http://kougenbyou.jp/html/class1.html
約90%の方にレイノー現象がみられます。
指先が白くなったり,紫色になったりした段階でしびれ感,冷感,違和感,痛みなどを感じる場合もあります。
そして皮膚の症状として、皮膚が硬くなります。
むくんだ感じがあったり、皮膚がつまみにくかったり、明らかに皮膚が硬くなったりします。
指先やつま先から始まり,だんだん体の中心の方向にむかって進行していく傾向があります。
顔面の皮膚も硬くなることがあり,表情が変わったり,口が十分に開かなくなったりすることがあります。
その他の皮膚の症状として、全身の皮膚が黒ずんできたり,部分的に白くなったりと皮膚の色素異常や、血行障害による皮膚潰瘍(皮膚が欠損し下層の組織に至った状態)、顔や手足に小さな血管が拡張した斑点が出る、足の裏に「たこ」や「魚の目」が出る、皮膚が乾燥したりかゆみが出たりするといった症状がみられたりします。
あと肘や膝や手首や指などの関節痛、間質性肺炎(肺の間質に炎症が起きる)、肺線維症(肺の間質に線維化が生じる)、腎臓の血管が狭くなる強皮症腎、「食べたものが胸につかえる」「胸やけがする」または胃酸が食道に逆流する逆流性食道炎といった消化管障害などの症状が起きたりします。
シェーグレン症候群
口が渇く、唾液が出ない、会話で口が渇く、味がよく分からない、口の中が痛むといった口の症状、目が乾燥して涙が出ない、目がころころする、目が疲れる、目がかゆい、目が痛い、眩しい、目やにが溜まるといった目の症状の他、鼻が乾く、発熱、頭痛、関節痛、めまい、髪の毛が抜ける、疲れやすい、関節が痛む、夜中に何度もおしっこに行く、レイノー現象、記憶力低下、集中力の低下、憂鬱感といった症状が起きたりします。
頭痛、めまいに関する内容については次のページをご参考いして下さい。
頭痛をこめかみ付近のツボで即効で治す方法
頭痛における右後頭部の鈍痛は大丈夫?
めまいの症状の原因は何か? その対処法は?
膠原病の原因について
いくつかの疾患をまとめた病気の概念である膠原病は医学的にも解明されていない部分が多く、はっきりとした原因が分かっておりません。
様々な説がありますが、それらの説における主なものは紫外線・免疫異常・体質・遺伝・細菌感染・環境といったところでしょうか。
あくまでも推測も混じっているものなので明確には分かりません。
今のところ、膠原病は遺伝しないというのが基本ですが、膠原病になりやすい家系となりにくい家系がやはり存在しておりますので、体質など遺伝的な要因は存在しているという考えもあるのです。
臨床結果は膠原病が提唱されて70年以上経過したことでかなり得ているため、ある程度の参考資料は存在します。
それによると、女性に多い病気であるということが分かっています。
症状から膠原病と判断した場合は早期の治療開始が望まれます。
このように原因がはっきり分からないので「○○をしたら膠原病になってしまう」といった禁止事項が存在しないので、予防することは非常に難しい病気と言われております。
血液検査の内容について
膠原病の疑いのある場合の血液検査では次のような項目を調べます。
白血球、赤血球、血小板の数
白血球が多い場合はどこかで炎症が起きている可能性があると判断できます。
赤血球は体内で炎症が長く続いていると減少します(貧血に繋がります)。
血小板は炎症性要素の強いリウマチの場合は増加していることが多いなど、病状によって増減します。
ちなみにリウマチの場合は白血球が増えます。
全身性エリテマトーデスの場合は白血球、赤血球、血小板の何れも減ります。
こういったことから、膠原病の可能性があるかどうか、またどの種類の膠原病である可能性があるかなどを調べます。
CRP
CRPとは血液中の免疫に関わるたん白質で、体内の炎症状態を現します。
通常CRPは低いのですが、強い炎症が起こるとCRPは上昇します。
正常:0.3以下、軽度0.3~1、中度、1~10、重度10以上
自己抗体
自分を攻撃してしまう抗体です。
正常な人の場合、この抗体は検出されません。
攻撃している対象によって違う抗体が検出されるので、この自己抗体の種類によって、どの種類の膠原病なのか詳しく診断できるとされています。
白血球のリンパ球が過剰に増えて起こる症状にアトピー性皮膚炎があります。
アトピーに関する内容は次のページをご参照下さい。
血液検査から結果までの日数について
患者さんそれぞれの状態や病院によっても違いがあるようですが、白血球・赤血球・血小板の検査やCRPの検査だけだと当日に結果が分かる場合も多いようです。
ただ、膠原病が疑われ、自己抗体の検査を行う場合は1週間くらいかかるようです。
血液以外の検査について
膠原病における血液検査以外の主な検査としては以下の画像診断と生検の他、尿検査、胃・腸の透視、心電図など様々あります。
画像診断
膠原病の場合は、様々な臓器に炎症が起こりますので胸部や腹部などの内蔵のチェックを行ないます。
Ⅰ.X線検査
X線にて胸部や腹部など必要に応じた検査を行います。
Ⅱ.超音波検査
主に心臓の検査で用いられますが、胃や腎臓などの腹部の臓器や血管の状態を見たりもします。
生検
発疹が出ている場合に、皮膚の一部を切り取って、その状態を見る検査です。
様々な症状をひき起こす疾患に糖尿病があります。
糖尿病に関する内容は次のページをご参照下さい。
糖尿病の症状や原因は?合併症の危険性や治療法は?
糖尿病の症状や予防法は?足でチェックする方法は?
妊娠糖尿病の症状とは?小児【子供】糖尿病とは?
糖尿病の検査方法や検査機器・キットは?その費用は?
糖尿病での合併症 発症時期と発症率は?予防方法は?
膠原病の治療について
治療については患者さんの状態に応じて、かかられる病院の医師の判断で行なわれますが、ここでは概要について記載したいと思います。
リウマチの治療
生活習慣を改善しながら、薬物治療を中心に行なわれます。
非ステロイド系抗炎症剤、免疫調整剤、免疫抑制剤、生物学的製剤、などが使われます。
リウマチにつきましては次のページも参考にしてみて下さい。
全身性エリテマトーデスの治療
日常生活において過労を避ける、紫外線対策、感染症予防といったことに注意しながらステロイド薬や免疫抑制薬といった薬を中心とした治療が行なわれます。
多発性筋炎・皮膚筋炎の治療
薬物療法が中心となり、ステロイド薬、免疫抑制薬などが使われます。
効果が不十分な場合に免疫グロブリン大量静注療法、ステロイドパルス療法というものが使われる場合があります。
全身性強皮症の治療
薬物療法が中心で、全身の血管の内が狭くなることから、血管拡張薬や血流改善薬が使われたり、症状によって必要な薬物が使われます。
シェーグレン症候群の治療
根本的に治癒することができず、乾燥症状を軽快させることと疾患の活動性を抑えて進展を防ぐことが中心になります。
薬物療法が中心で、点眼薬、唾液分泌促進薬などが使われます。
規則正しい生活やバランスのとれた食事、適度の運動、ストレスを取り除くといった生活習慣にも注意していきます。
ストレスを取り除く方法の1つに自律神経の働きを整えるというものがあります。
自律神経につきましては次のページをご参照下さい。
自律神経を整える方法 ツボ・アロマ・運動・食事・呼吸法
自律神経失調症の症状と原因と改善方法【治し方】
自律神経失調症を改善する食事は?
自律神経失調症とは?症状は?痛みや吐き気・ほてりなど
膠原病につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
一般社団法人 福山市医師会 膠原病(こうげんびょう)の話
最後に
膠原病の症状は、関節の痛み、筋肉の痛み、微熱、皮膚に斑点が出る、リンパ腺の腫れ、レイノー現象、手足全体もしくは指のしびれなど様々あります。
また膠原病には関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどいくつかの種類があります。
膠原病かどうかを判断する血液検査では白血球・赤血球・血小板、CRP、自己抗体を調べ、膠原病の可能性や膠原病の種類を見極めます。
検査にかかる日数は当日のケースもあれば1週間くらいかかるケースもあります。
その他の検査として画像診断や生検、尿検査、胃・腸の透視、心電図などがあり、必要に応じて行なわれます。
治療方法としては薬物療法が中心で、生活習慣も並行して気をつけていくことになります。
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