胃潰瘍とストレスの関係や症状は?仕事が原因なら労災?
胃潰瘍の症状や治療法とストレスとの関係
胃潰瘍とストレスは古くから関係があると言われ続けていました。
このストレスの原因は仕事にあることも多く、仮に仕事のストレスによって胃潰瘍ができた場合、労災はおりるのでしょうか?
本記事では胃潰瘍とストレスの関係や症状をお伝えし、仕事が原因なら労災認定されるのかといった点についてもお調べし触れたいと思います。
胃潰瘍とストレスの関係
胃潰瘍とは胃の粘膜や組織が溶かされる病気です。
粘膜が溶けきってしまうと筋肉の層を溶かしはじめ、最終的には胃に穴が開くようになります。
そこでなぜこのようなことが起きるのかというと、ストレスによって胃液から胃粘膜を守る働きが弱まった上に食べ物を消化する胃液が増加することで起きるという説があります。
人間はストレスを受け続けると自律神経が刺激され続けて交感神経と副交感神経の機能が活発に動くようになってしまいます。
すると胃液の分泌が増加して、胃液から胃粘膜を守れなくなり、潰瘍ができやすくなるという仕組みになっています。
胃潰瘍の症状
胃潰瘍の初期症状はどのようなものがあるかを記載します。
・背中が痛む
・吐き気がして嘔吐する
・空腹時に胃が痛い
・食後に胃が痛い
・食欲不振
・胃がもたれる
このようなものがありますが、人によって症状に違いがあり、これらの症状が全て出てくるわけではありません。
ある程度症状が重くなると、出血をともなうようになります。
出血のパターンも噴き出すような出血や染み出るような出血まであり、黒色便・吐血・下血となって体外に血が出てくるようです。
さらに症状が進むと胃に穴があいて胃穿孔になってしまいます。
こうなると今まで感じていた以上の痛みが出てきて、腹膜炎という非常に重い炎症を起こす確率が高まります。
嘔吐するケースとして胃腸風邪があります。
胃腸風邪に関しては次のページを参考にしてください。
仕事のストレスで胃潰瘍になった場合の労災は?
働いている時に骨折したり事故が起きた場合に出てくるのが労災というものですが、仕事のストレスによって胃潰瘍になった場合には労災は果たしておりるのでしょうか?
これ認められそうな気がしますが、現実的には相当きびしいようです。
まずストレスを受け続けたことによるうつ病などは精神疾患として労災認定を受けることができます。
なぜなら精神疾患は病気と判断されるからです。
しかしその労災認定基準には例外があって「心身症は労災認定の対象から除外する」という記載があるのです。
ここでいう「心身症」に精神的ストレスで発生する下痢やめまい、そして胃潰瘍が該当してしまいます。
そのため対象外として扱われるので労災認定をしてもらえないようです。
それでも労災認定が欲しい場合は業務上の精神的ストレスの大きさの立証などが必要になり、さらにはヘリコバクターピロリ菌が原因ではなくストレスが原因であるという医学側からの立証も必要になります。
この部分が相当ネックになるので現実的にはほとんど不可能と思ったほうがいいでしょう。
胃潰瘍の原因はストレスのみ?
胃腸のトラブルの原因にはストレスがよく関係しているため、ストレスのみと考えられることが多いですが、胃潰瘍の原因としてピロリ菌のケースも多々あります。
一昔前までは、胃酸は強い酸性であるため胃の中に細菌の生息は考えられていなかったので原因はほぼストレスにあるとされていましたが、実は胃の中にもヘリコバクター・ピロリ菌という細菌がいるということが分かりました。
この細菌は胃粘膜に生息することができ、細菌に感染してしまうと胃粘膜が弱って胃壁が傷つきやすくなってしまうのです。
そのためストレス以外にもヘリコバクター・ピロリ菌の感染も原因となっています。
それ以外では解熱鎮痛薬の副作用で胃の粘膜に異常が起きるNSAIDs潰瘍にも注目されており、ストレス以外の原因が近年見つかっているのです。
胃潰瘍とピロリ菌の関係
胃潰瘍の原因にピロリ菌が潜んでいることが証明され、事実胃潰瘍患者の70~80%がこのピロリ菌に感染していることが判明しております。
もともと人間の胃はかなりの修復能力があり、簡単に穴が開いたりはしません。
軽い傷なら周囲の細胞が増殖することで胃粘膜を修復させてしまいます。
しかしピロリ菌に感染すると修復能力が低下してしまうので胃酸を防げなくなり胃壁の組織が侵食されてしまいます。
またこのピロリ菌はアンモニアや毒素を作り出すこともあり、胃粘膜を直接傷つける力があることも判明しております。
ですので、仮りに胃潰瘍の症状が良くなったとしてもヘリコバクター・ピロリ菌に感染している状態では再発する可能性が必ず残ってしまうので、ピロリ菌の陽性反応が出た場合は必ず除菌を行うことになるのです。
治療法について
胃潰瘍の治療は軽度の場合は投薬治療で、重度の場合は入院治療になります。
まず、軽度の胃潰瘍なら胃酸を抑える薬とピロリ菌を除菌する抗生剤を一定期間内服することで治療します。
胃酸を抑える薬は内服を中止すると再発することが多いので治療期間中は必ず薬を継続する必要があります。
また、重度の症状とは吐血や内視鏡での止血困難が認められた時で、この時は入院をして手術を行う必要があります。
基本的に胃潰瘍に対しての投薬治療はかなり発達してきているので、外科的手術は激減しているようです。
注意点としては治療期間が長いケースが多く、2~3ヶ月ほど続くこともあるということでしょう。
それ以外にも再発防止と早期回復には日常生活の見直しが不可欠になるので、食生活指導や睡眠時間の管理、定期的な運動の促進が行われることもあります。
治療から入院・退院までの流れ
胃潰瘍で入院するケースは症状がかなり重くなった時になります。
仮りに胃潰瘍で入院することになった場合、軽症なら1週間以内には退院となって、吐血して倒れるなどの重症なら手術を含めて2週間程度での退院となるでしょう。
一例として胃潰瘍がひどくてそこから血がでている人が入院する時の流れを記載します。
・重症で倒れる
・入院して止血処置を行う
・血が止まるまで食事は摂れず、止血されているかを確認し、何度か検査をして大丈夫そうなら流動食を食べ始める
・ここで食事による痛みがないなら食事の形態が変わっていき、最終的には通常の食事に戻る
・通常食を食べても腹痛や出血がないなら、飲み薬を服用しながら症状を確認して安定していたら退院
・退院後胃薬の内服を続けて3~6か月以内に再度胃カメラの検査を行う
おおざっぱにですが、このような流れになるでしょう。
またピロリ菌の検査も入院中に行われるようで、感染がある場合は除菌も行います。
再発しやすい?
40歳を超えると一気に発症する人が増える胃潰瘍ですが、その原因としては記載してきたように強すぎるストレスや暴飲暴食、ピロリ菌の感染などがあります。
この胃潰瘍で最も厄介な部分は再発確率が非常に高いと言うことです。
実際に1年以内に再発されてしまって何度も入院生活になってしまうという方は日本にもたくさんいます。
もともと、この病気は食生活や受けるストレスによって発症率が大きく上下しますので、たとえ手術によって胃潰瘍の治療を行ったとしても、生活の状況が何も変わらなければ再発確率も高い状態になってしまうのも致し方ないでしょう。
つまり、一度発症してしまったという人は、発症しやすい環境にいたということなので、再発を防ぐためには生活環境や考え方などを一気に見直して改善する必要があります。
暴飲暴食は避け、硬いものや脂肪分が多いもの、酸味が強いものや辛いものなど胃を刺激するものを減らし、アルコールやコーヒーも減らして、ストレスを溜めないようにしなければなりません。
ストレスへの対処法
ストレスによる胃潰瘍の立証は非常に難しく労災認定をなかなかとれないことが判明しました。
つまり「ストレスで胃潰瘍なったら負け」ということになります。
そのためにもストレスへの対処法を身に付ける必要があるでしょう。
その方法は人によって様々でしょうし効果のほどもかなり変わってくるでしょう。
なのでここでは箇条書きにしてまとめて記載しますので自分に合った解消法をぜひ見つけてください。
・休める時に休む、休暇中は仕事のことは考えない
・スポーツや散歩、ショッピングを趣味として外で気分転換する
・深呼吸で精神を安定させる
・好きな音楽を聴く
・リラックスして本を読む
・好きなゲームをする
・ストレスのもとは可能ならすぐ取り除く
・メンタルトレーニングをする
・病院を受診する
・マッサージをする
・カラオケなどで大声を出す
・アロマを焚きながら寝る
・仕事は仕事と人間関係をすっぱりと割り切る
・失敗を受け入れる
まだまだありますが、ここで切り上げます。
ストレス解消法は非常に多く紹介されているので、自分に合ったものを何個か用意しておくことが大切です。
胃潰瘍に関しましては次のページも参考にしてください。
胃潰瘍につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
今回は胃潰瘍の原因と治療法についてと、労災認定についてお伝えしました。
一番ショックだったのは仕事のストレスによる胃潰瘍の労災が認定されることは稀ということではないでしょうか。
表現が悪くなってしまいますが、現代日本の法律ではまさに「仕事で胃潰瘍になったら負け」とか「仕事で胃潰瘍になった方が悪い」という状態になっていますので自分の身は自分で守る必要があります。
そのためにも、自分なりのストレス解消法やストレスを溜めないテクニックを身に付けましょう。
今回のこの記事が胃潰瘍に対する参考の一つとして皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
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