心不全の症状【うっ血性・急性・慢性など】と原因や治療法
うっ血性・急性など心不全の症状について
本記事では様々な心不全の症状【うっ血性・急性・慢性など】と原因や治療法について説明させていただこうと思います。
心不全といっても実は種類があり、それぞれ症状のあらわれ方が異なっていることをご存知でしょうか?
もちろん初期症状も異なっており、どのような症状が起こり得るのか見て行きましょう。
うっ血性心不全の症状
うっ血性心不全の症状は突発的に症状が出ることもまれにありますが、ほとんどの人は徐々に症状が出てくるようになります。
初期症状は疲労感と息切れでとにかく疲れやすくなり運動をすると息切れが生じるようになります。
ある程度症状が進むとうっ血による体液量の増加によって尿量が少なくなり足に浮腫が出始め、体重が急激に増え始めます。
そこからさらに症状が進むと運動による息切れが、頻繁に起こるようになって安静時にも生じるようになります。
そして肺水腫を発症して呼吸困難の症状が出てくるようになるでしょう。
これ以外にも咳や痰が出始めて不整脈・食欲低下・倦怠感・めまいといった症状が出てきます。
急性心不全の症状
急性心不全の症状は激しい呼吸困難・咳・痰といったものがあります。
また右心不全の場合は静脈に血液が溜まるため、胸の痛み・吐き気・おう吐・むくみ・体重増加といった症状が出てくるでしょう。
次に左心不全の場合は全体的な心臓の拍出量が低下するため動悸、血尿・冷汗・意識障害・低血圧・労作性呼吸困難・起座呼吸(寝ていると息が苦しいが、起き上がって座ると楽になる)・喘鳴といった症状が出てきます。
急性心不全の原因は弁膜症・虚血性心疾患・心筋症・心筋炎などの心臓疾患がほとんどで最も多いのが虚血性心疾患に含まれる急性心筋梗塞になります。
慢性心不全の症状
慢性心不全は急性心不全とは違い徐々に進行していく病気です。
まず夜間発作性呼吸困難という就寝後しばらくしてから息苦しさを感じる症状が出るようになり夜間の多尿が症状としてあらわれます。
もし重症になった場合は尿量は減少します。
それ以外にも食欲不振・疲れやすい・倦怠感・腹部膨満感といった症状が出てくるでしょう。
また、右心不全になっていた場合はそれにむくみの症状が足に出始めて、体重が増加しやすくなります。
左心不全になっていた場合は咳や白っぽい泡のような痰、階段昇降で起こるような呼吸困難や動悸といった症状が出てくるでしょう。
左心不全の症状
まず左心不全とは左心の機能が低下する症状のことです。
具体的な症状は動悸・労作時呼吸困難・肺水腫・四肢のチアノーゼ・頻脈・尿量低下・喘鳴・低血圧・咳・ピンク色の痰といった症状が出てきます。
症状が進行すると安静時でも呼吸困難になって意識障害といった症状が出てくるようになるでしょう。
少し具体的に解説すると左心不全は、拡張不全と左室の収縮力低下にて引き起こされるもので、肺で酸素化してくれた血液を押し出せなくなってしまいます。
こうなると肺静脈から左室に流れ込む血液が詰まってしまいます。
すると肺の血液が溜まりやすくなってしまい肺水腫になってしまうのです。
この肺水腫になってしまうと血液のガス交換能力が低下してしまうので息切れや呼吸困難が発生しやすくなります。
それ以外にも左心不全になると心拍出量が低下して臓器への血液供給量が低下してしまい、疲労感が出やすい体になってしまいます。
右心不全の症状
右心不全とは主に右心房や右心室の機能が低下して、全身に血液が停滞した状態になることです。
そのことで起こる具体的な症状は浮腫・体重増加・右季肋部痛・頸静脈怒張・腹水・胸水・便秘・体重増加といったものです。
もう少し具体的にお伝えすると右心不全は、右心室に至るまでの部位に血液が溜まるようになって体静脈と腹部諸臓器のうっ血が生じて下肢浮腫・肝うっ血・胸水などが起こるようになるのです。
原因について
心不全というのは心臓の働きがいろいろな心臓の病で弱くなった状態を示しています。
このいろいろな病気とは虚血性心疾患・先天性心疾患・心筋炎・心筋症・不整脈・高血圧・弁膜症などがあります。
基本的に心臓病が最終的に行き着くところは全て心不全だと考えられているのです。
虚血性心疾患についてちょっと解説しますが、これは心筋梗塞と狭心症をまとめた総称のことで、心臓に十分血液がいきわたっていない状態のことを意味しています。
また、アメリカでは心不全の患者さんの約1/3に糖尿病が合併しているとも言われており、生活習慣病が原因で心不全になる可能性が高いということも見て取れるでしょう。
糖尿病につきましては次のページを参考にしてください。
糖尿病の症状や原因は?合併症の危険性や治療法は?
糖尿病の症状や予防法は?足でチェックする方法は?
妊娠糖尿病の症状とは?小児【子供】糖尿病とは?
糖尿病の検査方法や検査機器・キットは?その費用は?
糖尿病での合併症 発症時期と発症率は?予防方法は?
糖尿病や高血圧が動脈硬化を起こすメカニズムと食事など対策
治療法について
心不全の治療法は重度のものであれば入院及び手術が必要となりますが、症状が重くないなら内服治療が中心となるでしょう。
症状によって治療法が変わるのは当然ですが、症状の進行度に関わらず必ず行うのが心臓の働きを低下させた原因をはっきりさせることです。
そうしなければいくら症状が良くなったとしても再発する可能性がいつまでも残ってしまうので、必ず原因をなくすことを行います。
原因が何であれ治療法は共通しているものがあります。
まず心臓の働きを手助けする「ジギタリス製剤」や体内の余分な水分を取り除く「利尿薬」は薬物療法では必ず奨められるでしょう。
それ以外にも食事内容の改善を指摘され減塩の指導をされることになります。
塩分の取りすぎは体に無駄な水分を溜め込むことに繋がって心臓への負担になってしまうので必ず行われる項目となります。
18歳以上の男性は一日8.0g、18歳以上の女性は一日7.0gになるでしょう。
それ以外にも体重管理や運動による活動量の調整、水分摂取量の制限を促されることがあります。
リハビリについて
心不全の症状が重い方は軽い運動でも動悸や息切れが発生してしまい体を動かすのが困難な状態になってしまうことがあります。
ある程度症状が軽くなったら、そこから筋力や体力を取り戻すためにリハビリを行うことがあります。
このリハビリを「心臓リハビリテーション」と呼んでいて、心臓病の患者が再発予防と日常生活の復帰ができるような総合プログラムの一環になっているのです。
注意点は最適なトレーニング心拍数は人によって異なるので、運動内容やプログラムは人によって異なってくるというところでしょう。
そのためリハビリ担当の先生にどのような運動がいいのかは相談する必要があります。
心不全は高齢者が多い?年齢別の患者数は?
心不全や心疾患の患者数はグラフ化して表れているものがあります。
ネット上で厚生労働省が発表しているpdfデータがありますのでそちらを確認するとよくわかるでしょう。
をご覧ください。
こちらのデータを見てみると、発症者は年々増加していることがわかりますし、心疾患患者や心不全患者は高齢者になるほど増加していることがよくわかります。
30代ぐらいから発症者は見つかりますが、ピークは80代でそこまで徐々に増加しているという非常にわかりやすいデータです。
ただし、今のご老人の方々は現代人よりも健康的な食生活及び日常生活を送っていた可能性が高いので、今現在20代や30代の人たちが高齢になった場合、発症率が上がってしまう可能性があるでしょう。
メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病などの疾患があると悪化しやすいので、現代日本人の方が苦しめられる危険性が高いと考えられます。
その他、心不全に関しましては次のページも参考にしてください。
慢性心不全の症状や定義・原因・治療法は?急性憎悪とは?
うっ血性心不全の症状は?原因や診断・治療・予後・余命は?
急性心不全の症状や原因・治療・予防法は?若者も増加?
心不全の種類につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
本記事ではうっ血性・急性など心不全の症状や心不全の治療法とリハビリについてお伝えしました。
同じ心不全でも症状が異なることが分かりました。
しかし心不全は心臓の機能が低下することが原因であるため、根幹にあるのは生活習慣病の可能性が高いということも見えましたね。
普段通りに生きているだけなら全く関係ないと思われる心臓の疾患ですが、生活習慣病のせいで発症する可能性があると聞くとかなり心配になってくる人も多いのではないでしょうか?
本記事が心不全の参考として皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
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