胃潰瘍の症状や原因・治療法および薬の種類と副作用
胃潰瘍の治療と薬の種類と副作用について
今回は胃潰瘍の症状や原因・治療法および薬の種類と副作用についてお伝えしていきます。
胃潰瘍は非常に知名度の高い病気ではありますが、薬の種類や原因について正確に把握されている方はそこまで多くありません。
そのため本記事ではできる限りわかりやすく症状や原因・治療法・薬の種類及び副作用についてお話していきたいと思います。
胃潰瘍の症状
ストレスの影響をものすごく受けやすい胃ですが、この胃の病気の一つである胃潰瘍の症状についてまずご説明します。
初期症状は胃もたれ・食欲不振・吐き気・嘔吐・背中の痛み・空腹時の胃の痛み・食後の痛み・下痢・便秘などです。
いくつか症状を記載しましたが、これらの症状が全て出るのではなく、人によって出る症状はバラバラです。
また、ある程度症状が進むと胃潰瘍による胃の出血が発生し、吐血や下血と言った症状が出てくるようになります。
基本的に吐血まで症状が進んでいた場合はかなり症状が重いと判断されるので、たいていの場合、手術による対応が必要となってきます。
胃腸風邪につきましては次のページを参考にして下さい。
原因について
胃潰瘍になる一番の原因はストレスとピロリ菌です。
胃潰瘍患者の8割ほどがピロリ菌に感染していると言われていて、十二指腸潰瘍の患者もピロリ菌感染率が非常に高いものとなっています。
このピロリ菌はアンモニアや毒素を作り出して胃粘膜を直接損傷させるため胃の損傷からの回復効率を下げてしまい、胃酸による胃壁の消化が発生するようになってしまいます。
また肉体的ストレスや精神的ストレスを受けると自律神経が乱れて胃の血流が悪くなってしまい粘膜が傷つきやすくなるため、ピロリ菌による被害が増大しやすくなってしまいます。
ストレスが胃潰瘍の直接的な原因にはなりにくいですが、胃潰瘍になる確率を上げてしまう要因になってしまうのです。
治療法について
胃潰瘍の治療は軽度の場合は投薬治療と日常生活の改善、重度の場合はそこに手術治療が追加されることになります。
基本的に現代医療では胃潰瘍による外科的手術は減ってきているので、大量の吐血といった緊急性のあるものや穿孔、狭窄などの重い合併症が生じた場合以外に手術を行うことは少ないようです。
投薬治療期間に症状が軽くなったからと言って自分の意志のみで薬を飲むことを止めてしまうことは絶対にしてはいけないことであり、止めてしまうと治療期間が延びてしまったり再発する可能性が高くなったりするので必ず指示された期間は薬を飲むようにしましょう。
また、早期回復と再発防止には日常生活の見直しが不可欠で禁酒・禁煙や食生活の改善が指示されるようになるでしょう。
薬の種類と副作用
胃潰瘍の治療の基本である投薬治療ですが、そこで用いられる薬には基本的に副作用があります。
まず胃酸の分泌を抑える薬であるヒスタミンH2受容体拮抗薬は発疹・便秘・下痢・口の渇き・食欲不振などの副作用が起こる可能性があります。
同じく胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬には発疹や肝障害などの副作用が生じることがあります。
ピロリ菌の除菌治療薬の副作用で一番多いのは下痢や軟便です。
それ以外にも苦味や金属のような味に感じてしまう味覚異常症状や皮膚にアレルギー症状が起きる人もいるようです。
用いられる薬はアモキシシリンとクラリスロマイシンなどの抗生剤、ランソプラゾールもしくはオメプラゾールなどの胃酸分泌抑制剤になります。
手術について
胃潰瘍による症状が重くなり出血が確認された場合は、内視鏡検査を行って出血部分に止血剤の注射や血管をレーザーで焼く止血治療が行われます。
しかしこれらの治療の効果が無い、もしくはこれらによる対処では意味がないと判断された場合には出血部位を含む胃切除術を行います。
また、症状が重く胃の壁に孔があいている場合は胃酸分泌範囲の胃を切除する手術や空いた孔に脂肪の膜である大網を入れて胃壁と縫合する手術を行うことがあります。
このような開腹手術は最終手段となりますので、基本的には内視鏡を用いて対処できないかの確認をすることからはじまります。
胃潰瘍の検査方法は?
胃潰瘍の検査方法はほかの胃の病気と同じく内視鏡検査が基本となっております。
要するに、胃カメラを使うと言うことです。
口か鼻からカメラを挿入して内部観察を行います。
X線造影検査よりもあらゆることが鮮明にわかりますので、胃の状態を確認する方法としては最も有効な手法といわれております。
潰瘍の状態を直接把握することも可能なので、病気の深刻度合いも明確に調べることができるため、医師はこちらを推奨することが多いようですが、内視鏡検査は痛みをかなり伴うため負担が大きく、いやがる患者が非常に多いという所があります。
痛みを避けるために内視鏡検査に使うカメラを小さく細くしている病院もありますが、これは病院によるとしか言えないでしょう。
他の検査方法はピロリ菌が胃の中に住み着いているのかを確認する方法となります。
具体的には尿素を含む錠剤を服用して服用前と後の呼気を集めて診断する尿素呼気試験法や、採血や採尿を行って血液中や尿の中にピロリ菌に対する抗体があるのかどうかをチェックする抗体検査といった方法が該当します。
十二指腸潰瘍の原因は?ピロリ菌・お酒・ストレス?子供も危険?
食事療法について
胃潰瘍になった場合の食事の基本は胃に負担をかけない消化のいい食べ物が中心となります。
それ以外にも噛む回数を増やす・ゆっくり食べるようにする・腹八分目になるようにする・食事の時間を統一するといったことも合わせて行います。
消化に良いものとは食物繊維や脂肪が少ない食べ物のことで、できる限り胃に負担をかけない食べ物を意識しましょう。
その他にも胃を修復してくれるビタミンA・Eが豊富に含まれているかぼちゃ・ニンジン・うなぎ・ほうれん草などもおすすめです。
胃の粘膜を保護してくれる長いも・山芋・納豆などもいいですね。
逆に食べてはいけないものは酸味や刺激の強いもの・カフェイン・繊維の多いもの・塩味が濃すぎるもの・香辛料などとなっています。
とにかく消化に時間がかかったり、胃に刺激を与えるものはできるかぎり控えたほうが良いということを覚えておきましょう。
例えどのような食べ物が良くないかを忘れたとしても、消化に時間がかかる、もしくは刺激が強いものは良くないということだけ覚えておけば、ある程度判別はできるのではないでしょうか。
胃潰瘍瘢痕(いかいようはんこん)とは
胃潰瘍瘢痕とは胃潰瘍が治った後に出来る傷跡のことです。
この潰瘍が治ってくると潰瘍が小さくなって白い苔が潰瘍部分の底に出てくるようになります。
瘢痕期にまでなれば白くなっていた苔が無くなって赤みを帯びている状態になります。
赤みが残っている状態はまだ治っていない状態にあるので注意が必要です。
やがて赤みは無くなって白い胃潰瘍の傷跡だけが残るようになります。
胃潰瘍の治療は瘢痕期の赤みが無くなって白い跡が残るようになるまで行うのが基本で、赤みが無くなるまで医師から出された薬を飲む必要があります。
もしこの部分がまだ赤くなっているなら再発する可能性があるので、経過観察を行うようになるでしょう。
治療後の予防について
胃潰瘍の治療によって必要なことはピロリ菌の除去になるため、このピロリ菌の除去さえ完璧に行われれば再発する可能性は確実に減るでしょう。
しかし、ストレスがたまることで再発する危険性が高まったり、生活習慣の乱れから胃に悪い生活を続けることで再発する可能性はさらに高まってしまいます。
一度胃潰瘍になった方は間違いなくこれらの生活習慣に対する見直しが指摘されているはずなので、治ったからといってこれらの改善を止めてしまっては再発するリスクが再度出てくることになるでしょう。
従いまして、胃潰瘍の予防の為に適切な食事やストレスの排除、適度な運動などをしっかり心がけて行きましょう。
その他、胃潰瘍のことに関しましては次のページも参考にしてください。
胃潰瘍につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
本記事では胃潰瘍の症状や原因・治療法および薬の種類と副作用についてお伝えしてまいりました。
胃潰瘍の治療は薬物療法が基本となっていますが、生活習慣の改善及び禁酒・禁煙なども行うようになるということでしたね。
また、胃潰瘍の薬には副作用が発生することもありますが、症状が改善したからといって自己判断で薬を飲まなくするのは良くないということでした。
この記事が胃潰瘍に対しての参考として皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
LEAVE A REPLY