摂食障害の入院基準や食事など治療内容!期間や費用は?
摂食障害の入院による治療や期間について
摂食障害はケースによっては入院することもあります。
治療内容や入院基準はどのようなものなのでしょうか?
その他にも改善に繋がりやすい食事内容といったものがあれば知りたい所でしょうし、かかる費用といった点も気になるでしょう。
本記事では摂食障害の入院基準や食事などを含めた治療内容について、そしてその期間や費用はどのくらいかかるものなのかを中心にお伝えしたいと思います。
摂食障害とは?
摂食障害とは食事の量をコントロールができない状態になってしまい、心はもちろん体にも悪影響を及ぼす病気です。
英語表記ではEating Disorderとなるため、EDと呼んでいる方もいます。
主に症状は過食症と拒食症になりますが、過食や拒食の症状が発生しているけれども診断基準を全て満たしていない特定不能の状態のケースもあります。
例えば拒食症の場合、栄養不足が顕著になっているため月経不順や不妊になってしまいますが、ちゃんと月経があり時期の乱れもないといった状態になっていたり、体重に関しても至って正常値という状態になっている場合です。
このように拒食症には見えるけど拒食症ではない状態は特定不能という位置づけになります。
基本的に拒食症や過食症の傾向はあるが、その影響が見られない場合は特定不能に該当すると思って頂くといいでしょう。
摂食障害の入院基準は?
拒食症の場合の入院基準は、身体があまりにも衰弱してしまい日常生活が普通におくれない・重い合併症を発している・標準体重から体重が60%以下になる・精神的に不安定な状態で本人や周りの人を傷つける可能性がある・治療環境が家庭では整わないと判断されるといったものです。
過食症の入院基準は精神的ストレスが溜まりすぎて日常生活に支障が出ている・重い合併症を発している・精神的に不安定な状態で本人や周りの人を傷つける可能性がある・治療環境が家庭では整わないなどが入院する際の基準になります。
摂食障害は治療に長い時間がかかるため、本人以外にも周りの人に異常なまでの負担をかけます。
そのため、治療に付き合った結果ノイローゼになって倒れてしまうといったことが発生することもあるでしょう。
そうなる前に医師と相談して入院について話をしてみるのもいいかもしれませんね。
入院時の食事は?
摂食障害によって入院された患者の食事は、栄養バランスが整ったものとなります。
それを3食決まった時間に食べることが基本となり、摂取カロリーをコントロールしていきます。
拒食症の場合だと、1200kcal→1400 kcal→1600 kcalのように200 kcalずつ増やすようになるでしょう。
そして最終的に2400 kcalを食べれるようなるのが目標となります。
間食の取り扱いについては病院によって異なるところもありますが、基本は禁止になっているでしょう。
また、全く飲食ができない状態の人はIVHという高カロリー輸液を用いたり、エンシュアという缶に入った栄養剤を用いることもあります。
治療の内容は?
摂食障害での入院治療の場合は、患者の行動を常にチェックできる環境を整えることや、摂食障害を正しく理解したスタッフの存在が必要となります。
しかし、精神病棟のような閉鎖環境に患者が入ることになると落ち着かなくなってしまい、悪化することもあるようです。
また、入院治療では行動制限療法を行うことになります。
これは拒食症や過食症の方に向けられる強い思い込みから解放させるために、多少強引ではありますが強い力で患者を引っ張り、思い込みの矯正を行うためのトレーニングを行います。
そしてこのトレーニングを行う際には行動範囲を制限して外部との連絡が禁止された環境で行うことになるでしょう。
人によってはトレーニングがつらいと嘆く患者もいるようですが、思い込みが悪化して症状が進行しないようにするためには必要な措置になるので、かわいそうではありますが耐えてもらうしかありません。
入院期間は?
摂食障害の入院期間は経過によって異なるものがあり、重い合併症を引き起こしている場合は長引くことになるでしょう。
また、退院のタイミングも医師によって判断されるものなので、具体的に何日だと断定することはできません。
深刻な栄養失調という状態になっていなければ、通常は1~2ヶ月と言われているようですが、これはあくまで目安と考えてください。
入院直後でも、患者が退院したいと言えば原則的に退院できる病院もあるので、期間が気になる方は入院予定の病院に相談するようにしてください。
費用の目安は?
入院治療でかかる目安は一日3000~4000円くらいになるので、1ヶ月は9万~12万円かかると考えましょう。
しかし、入院費用以外にもかかる費用がいくつかあるのでその点もお伝えします。
まず病院によってはテレビを見るのが有料のところがあります。
それ以外にも売店が設置されているケースもありますが、そこで購入する代金についても自己負担になるので入院費用にいくらかプラスになってしまいます。
摂食障害の原因は?
過食症や拒食症といった摂食障害の原因として多いのはとってもシンプルで、自分に自信が無いことからくる圧倒的なまでの美しくなりたいという願望から来ているケースです。
その願望の中に「少しでも痩せた体を手に入れることができれば世界が変わる」という異常なまでの細い体への執着があり、その体を手に入れるために、常人では考えられないような行き過ぎた努力をしてしまうのです。
つまり、自分に自信が無い人・自己評価が低い人・他の人からの視線が気になる人がなりやすいと言うことです。
これ以外にも、低血糖症によって摂食障害が引き起こされるという研究データがあります。
低血糖症の人は甘い糖分が多めのものを摂取すると血糖値が急激に上がってしばらくすると急激に下がります。
急激に下がってしまうことで血糖値を上げるために「攻撃ホルモン」が大量分泌されて、もっと食べるようにという命令が体に出されるようになって、無意識レベルで食べ物を求めるようになると言われております。
つまり、過食症の原因になると言うことです。
他には、心理的ストレスが多すぎると、ストレス解消のためにも過食や拒食といった状態に追い込まれるケースもあり、原因は多岐にわたります。
治るのか?
摂食障害は治る病気ではありますが、一部では10年以上もかかるように長期化したり、治療を行ったとしても慢性化してしまい最悪死亡してしまうケースもあるでしょう。
つまり、入院治療を行ったとしても100%治ると言い切れる病気ではないということです。
摂食障害は治るまでの期間がバラバラですが、早く治療を開始した人ほど回復までの期間は短くなる傾向があるので、症状が出たら少しでも早く治療を開始するようにしてください。
治療期間が長くなれば長くなるほど自己嫌悪が強くなってしまったり、治ることを諦めてしまうことがあるのですが、絶対に治るという気持ちを強く持って治療を行うようにしてください。
しかし、早期発見において最も危険なのが一人暮らしをされている方で、外では摂食障害が発生していることをひたすら隠している方です。
最悪なパターンがその人が治したい気持ちが起こらないケースで、誰かが気が付くまで、ひたすら症状が進行していってしまいます。
そのため、一人暮らしを始められる方は絶対に拒食症や過食症といった摂食障害にはならないよう注意する必要があります。
治療を開始することができないと、どのような病気であっても治すことができません。
摂食障害に関しましては次のページも参考にしてください。
入院治療など摂食障害につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人 青峰会 くらしホスピタル こころの病気について 摂食障害
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では摂食障害の入院基準や食事など治療内容について、そして期間や費用はどうなるのかをお伝えしました。
基本的に摂食障害は治療に時間がかかる病気なので、発症してしまった方は病気といかに付き合っていくかが大切になってしまいます。
入院治療があまりにも辛くて外に逃げたいという声をあげる方もいますが、これは何よりも患者のために行われていることなので、ここはぐっとこらえて治療を続けるようにしてください。
美しい自分になりたいという意志によって無理なダイエットを行い、10代前半の中学生でも発症することが日本でも見受けられるようになったので、家族の方はお子さんの状態を毎日観察して心の病になっていないかをきちんとチェックしてくださいね。
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