成長ホルモンの作用や機序は?サプリメントの効果は?
成長ホルモンの作用や仕組み・サプリ効果について
成長ホルモンという言葉を聞いたことのある人は多いでしょうが、その作用や機序(きじょ:しくみ)について細かく説明できる人は少ないと思います。
また、サプリメントといったものも存在しており、その効果がどの程度あるのかが気になる人もいると思います。
本記事では作用と機序にを中心に成長ホルモンについてお伝えしたいと思います。
成長ホルモンの作用
身長について
成長ホルモンの作用は色々とあります。
その効果は骨を伸ばす・筋肉を発達させる・代謝を促すといったもので、骨が成長し筋肉が発達することで身長が伸びるのです。
つまり、成長ホルモンが不足している人はカルシウム摂取量が多かったとしても、なかなかうまく成長に結びつかないことが考えられるということになります。
特に、成長ホルモンの分泌のピークは13~17歳と言われているので、この時期にしっかりと成長ホルモンが分泌できる環境にしてあげないと、本来伸びるはずの身長が伸びずに終わってしまうことになり兼ねません。
アンチエイジングについて
成長ホルモンの作用にはエネルギー代謝を上昇させる作用があり、さらには筋肉を作る作用もあるのでダイエットにも深い関わりがあり、その他美容といった分野にも関係しています。
成長ホルモンには脂肪を分解する働きがありダメージを修復する作用もあるので、脂肪を減らしながら筋肉や肌のダメージを減らしてくれる作用があるのです。
また、肌のターンオーバーが乱れている要因の一つに、成長ホルモン不足があります。
成長ホルモンがしっかり分泌されればこのターンオーバーの周期の乱れを正すことが期待でき、シワやシミといった肌トラブルの元が無くなってアンチエイジング効果を得ることが期待できるでしょう。
また、肌のうるおいを保ってくれるヒアルロン酸ですが、これは皮下組織にある繊維芽細胞が作り出すものです。
成長ホルモンにはこの繊維芽細胞を活性化する働きがあるので、肌の水分保持量が増える作用もあると言えるでしょう。
筋力アップについて
子供にとっては成長、女性にとっては美容といったカテゴリーにおいて重要視される成長ホルモンですが、男性の場合に最も注視されるのが、この筋力アップの作用です。
まず、筋トレを行うと大体15分くらいで脳下垂体から成長ホルモンが分泌されるようになります。
こうすることでタンパク質の合成がスムーズに行われるようになるのです。
そこからさらに2時間後くらいに筋肉の再合成が始まって筋肉が強くなっていきます。
これがいわゆる「筋力アップ」というもので、多くの筋トレ愛好家の間には知れ渡っている事項ともいえるでしょう。
ちなみに、この筋トレを行うことで成長ホルモンが分泌されるとグリコーゲンからのエネルギー供給だけではなく、脂肪からのエネルギー供給がより促進されるようになるので、有酸素運動を行う前には筋トレを行うのが脂肪燃焼に効果的とよく言われるようになりました。
バストアップについて
成長ホルモンの作用の一つにバストアップというものがあります。
これは乳腺にあるラクトゲン受容体に成長ホルモンが作用することでバストアップが行われるようになるというものです。
特に興味がないと感じるかもしれませんが、年をとることでこのラクトゲン受容体の作用が鈍ってしまいバストの張りや弾力が無くなってしまいたるんでしまうので、美しい形をできる限り保ち続けたいのなら成長ホルモンの作用をうまく利用するしかないのです。
代謝調整について
成長ホルモンの働きとしても大きなものに、体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく機能があります。
このことを「代謝」と呼ぶのですが、成長ホルモンがうまく分泌されている人はこの代謝調整がうまく働くので基礎代謝の高い状態が続き、脂肪がたまり難い体になり筋力量もなかなか低下しない状態になってくれます。
この成長ホルモンは脳から出た指令を受けて下垂体から分泌するのですが、筋肉といった部分以外にも様々な臓器の代謝を促すので、内臓が活発に動いているのかどうかもこの成長ホルモンによる作用が大きく関わっているのです。
疲労回復について
運動などによる疲労が発生すると成長ホルモンが疲労破損した体の組織を修復して再生するように働きかけを行います。
肉体を酷使したことで身体が疲れた場合、成長ホルモンによる作用で筋肉の疲労といった物を除去してくれるように働くのです。
逆に、成長ホルモンが不足すると脳や身体の疲労蓄積に繋がり、体組織や細胞の修復が遅くなってしまいます。
こうなると怪我からの回復が遅くなり、疲労からの復帰が遅くなってしまうのです。
脳の疲労というのは実はかなり深刻で、脳細胞の修復が遅くなるとやる気が一気に低下して集中力が欠如し、ミスが一気に増えたりします。
寝不足になるとミスが多くなる原因はただ単に睡魔に襲われているからではなく、脳のメンテナンスが追い付いていないからなのです。
成長ホルモンが分泌される仕組みは?
成長ホルモンとは脳から出た指令を受けて下垂体から分泌されるものですが、その指令が出る条件は大きく分けて三つあり、一つは筋トレとなっております。
筋トレを行うことで乳酸が溜まるのですが、この乳酸が溜まるという現象が起きるとスイッチが入り成長ホルモンが分泌されるようになるのです。
このスイッチが入れば脳下垂体から成長ホルモンが分泌されるのでトレーニングで疲弊した筋肉を修復するために機能してくれるようになります。
次に多くの方がご存じかもしれませんが睡眠となります。
最も簡単に成長ホルモンを分泌される方法ともいえるでしょう。
この成長ホルモンが分泌されるのは最初に寝てから3時間以内であり、ここで深い睡眠をすることができていない人は成長ホルモンが分泌されにくくなります。
そして、空腹を感じることでも成長ホルモンが分泌されるようになります。
空腹がピークになると胃の粘膜にグレリンという物質が出てくるのですが、このグレリンが脳下垂体に行って成長ホルモンの分泌を促してくれるのです。
成長ホルモンサプリメントの効果は?
筋トレを行うこと・睡眠をとること・空腹になることという3つが成長ホルモンを分泌させる最大の要素ですが、この成長ホルモン配合のサプリメントというのは数多く売られており、そこから摂取することで成長ホルモンが多く分泌されるようになるという商品が沢山あります。
しかし、このサプリメントに対する意見は「全く意味がない」というものと「効果がある」と二極化しており、どちらを信じたらよいのかわからない状態です。
個人的にはあまり外から摂取しても意味がないと思っております。
というのも、それらのサプリメントは胃の中で分解されてアミノ酸として吸収されるので意味がない、という説が個人的に一番納得できるものだからです。
他にも成長ホルモンを増やす効果のあるサプリメントというのはたくさんありますが、あくまで補助程度に考えた方が良いのではないかと思います。
成長ホルモン分泌不全症とは?
成長ホルモン分泌不全症とは名前の通り、成長ホルモンが分泌されにくくなってしまうという病気です。
この病気に子供のうちになってしまうと、成長ホルモンが体内でうまく分泌されない状態が続いてしまいますので、骨や肉体の形成がうまくいかなくなり身長がほとんど伸びなくなります。
また、成長ホルモンが分泌されないと身長が伸びない以外にも、脂肪を分解する作用や肝臓で作られたコレステロールの取り込み促進作用が鈍くなってしまうので、血中コレステロールが増加してしまい、悪玉コレステロールが溜まりやすい体となります。
つまり、動脈硬化になりやすいと言うことです。
心臓機能も低下しやすくなるので心筋梗塞のリスクも高まります。
内臓脂肪も増えやすい体になってしまいますので、インスリンの働きも鈍くなりやすく糖尿病になる確率も高まりますし、内臓脂肪の増加によって肥満体型になってしまいやすいです。
成長ホルモンにつきましては次のページやサイトも参考にしてみてください。
成長ホルモンと睡眠や筋トレの関係は?身長やダイエットにも影響?
ファイザー株式会社 成長ホルモンとは?
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では成長ホルモンの作用について紹介させて頂きました。
成長ホルモンはダイエットや筋力アップなど様々なプラス作用をもたらす素晴らしいものです。
しかし、老化とともになかなかうまく分泌されない状態になるので、体型維持のためにはこの成長ホルモンをいかに絶やさないような生活をするのが重要になります。
言葉にすると簡単なのですが、なかなか難しい部分もあるので、しっかりと毎日筋トレを行って質の高い睡眠をとり、空腹時間をとるようにしてください。
LEAVE A REPLY