成長ホルモン治療の効果は?適応年齢や副作用や費用は?
成長ホルモンの注射の効果や保険適用などについて
成長ホルモン治療の内容や効果っていったいどのようなものなのでしょうか?
自分の子供において成長ホルモン治療を検討することになった場合、気になることかと思います。
治療の適応年齢や費用、そして副作用といったものも知りたい情報ではでしょうか?
本記事では成長ホルモン治療について触れてみたいと思います。
成長ホルモン治療とは?
成長ホルモン治療とは成長ホルモンの分泌が少ない、あるいは分泌されないことにより、身長が伸び悩むといった子供に対して行われる治療のことで成長ホルモン(ソマトロピン)の入ったカートリッジ(本体に容易に着脱できる交換用の小さな部品)を使って行うことになります。
言い方を変えると成長ホルモンが不足しているのでそれを補充するために自己注射を行うといったものなのです。
この注射については一般的なものと考えられており、飲み薬といったモノでは代用できないのです。
なぜなら、飲み薬にしてしまうことで胃や腸などの消化器で消化されてしまうので意味がないと言われているからです。
つまり、注射が基本の治療となるのですが、最近の医療ではこの注射において針が細くなっておりほとんど痛みのない注入器が使われるようになってきたので、痛みを感じずに受けることができるようです。
また、この注射は毎日夜に行うことが決まっており、寝ている間に分泌される成長ホルモンを注射で補う形にしているようです。
治療期間は人によってまちまちですが、思春期に入るまでにできるだけ標準の身長に近づけることが目標なので時期もそれに合わせたものとなるでしょう。
成長ホルモン治療の効果は?
最初の1年間が最も効果が出る時期と言われており、投与し始めてからの1年間はかなりの速度で身長が伸びていくようです。
その後は緩やかな成長に切り替わりますが、治療を行わない場合と比べて成長速度は速くなるのが一般的のです。
成長ホルモン治療の適応年齢は?
成長ホルモン治療を行う年齢は発覚後ですが、一般的には早くても3歳ぐらいとなっております。
3歳ぐらいになると成長ホルモン分泌不全による低身長がはっきりしてくるので、親御さんも「何かおかしい…」と気が付けるようになります。
早く始めるほど効果が大きいので、おかしいと思ったら成長曲線を書いて問題が無いか確認するようにしましょう。
ただし症状が重く低血糖を引き起こすといった症状が出ている方は、乳幼児の時期からも治療を開始することがあります。
基本的な考え方はおかしいのでは?と思って成長曲線を確認して疑われるならすぐに受診するという流れになるでしょう。
治療終了年齢は成人近くまでですが、治療の効果が無い場合や副作用が強く出てしまった方はそこで終了となってしまうことがあります。
年齢でいえば男子が17歳、女子が15歳までで、その他にも年間の成長速度が1cm/年以下になった場合も成人身長になったと判断されて治療が終了になるようです。
副作用は?
基本的に体内で作られているものを補うための治療なので、基本的には副作用はないとされています。
安全性が高い治療であることは多くの方々に知られております。
注意点としては他の病気を持っている場合です。
インスリン依存性糖尿病の遺伝子を持っている方がこの治療を行うと糖尿病を発症させる危険性がありますので、糖尿病患者が家族内にいる方は要注意となります。
他にも甲状腺ホルモンが低下する甲状腺機能低下症になってしまう可能性もあるので、定期的にこの病気になっていないかどうかの検診を行うことにもなります。
また、一時的な症状として頭痛・発疹・注射部の痛みといった症状が出るようですが、あくまで一時的なものなので気にする必要はないとのことです。
保険適応できる?
この治療には保険が効きます。
平均身長より-2SD以下(SDとは「標準偏差」と言い、平均値からのばらつきの幅のこと)の子供が治療を受ける場合は健康保険が適用されて3割負担になります。
また、高額になってしまった場合は高額療養費制度が使えるようにもなりますし、小学校入学前までの児童の健康保険自己負担分を全額助成する制度の乳幼児医療費助成制度といったものもあるので、自分のお子さんがどのような保険や制度に該当しているのかを必ずチェックするようにしてください。
特に高額療養費制度は所得や年齢によって細かく分かれているので必ず厚生労働省のホームページから確認するようにしましょう。
治療費用について
多くの方が心配しているのが治療費でしょう。
実際にこのホルモン治療の治療費は高いです。
体重 20kg の子供が行った場合でも1月に12万円はかかってしまうでしょう。
ただし、ここから保険が適用され助成金といったものも出てくるので全額負担となるわけではないのです。
この負担を軽減するために、小児慢性特定疾患治療研究事業から助成金をもらうこともできますが、補助を受けることができる基準は相当厳しいとのことなので承認されないことの方が多いようです。
そのため、多くの方が使うのは「高額療養費制度」「乳幼児医療助成制度」「義務教育就学児童医療助成制度」といったところになるので、まずは自治体に問い合わせを行って自分たちが住んでいる場所の補助制度がどうなっているのかを確認してください。
成長ホルモン治療は注射でないと本当にいけないの?
成長ホルモンはペプチドホルモンというタンパク質であり、先ほど触れましたが飲み薬として摂取すると胃や腸などの消化器で消化されます。
つまり飲み薬では成長ホルモンは摂取できないので意味がないという考えが基本にあるのです。
そのため、基本的な治療方法は注射になります。
こちらも一度記載しましたが、近代医療における成長ホルモン治療は痛みが無い注入器が開発されているので、子供の負担も少ないのです。
針が見えない注射器もあるので、親はそこまで心配することは無いと思います。
低身長が気になる場合に受診するのは病院の何科?
基本的な治療は子供向けに行われるので小児科に通うのがベストでしょう。
骨の成長度といったものは整形外科で確認ができるでしょうが、検査・治療と考えた場合は小児科の方が良いと思います。
いつも通っている病院なら子供の状態を把握してくれているので、まずはそこから相談されると良いでしょう。
仮に、その場で治療することができなかったとしても、紹介状を書いてくれる確率が高いので、まずは身近な小児科に頼ってみられと良いかと思います。
また、初めて医療機関に低身長で受診する場合は子供の出生時の状況や成長が解るものを持っていくようにしましょう。
母子手帳や健康手帳があれば大丈夫です。
家族の身長や体重といったものが確認されることもありますので、病歴も合わせてメモしていくようにしましょう。
低身長の基準と成長ホルモン分泌不全の検査方法
成長ホルモン分泌不全になっているかどうかは、熱が出るとか咳が出るというサインはありませんので、別の部分で見分ける必要があります。
それが身長です。
検査方法も、この身長を使った方法となります。
具体的には身長が同性同年齢の子どもと比べて「-2SD以下」となっている場合と、1年間の身長の増加が同性同年齢の子どもの平均値の80%以下でありこれが2年続いている場合になります。
後者はまだわかりやすいのですが、前者の「-2SD以下」の意味が分からないという人も多いでしょう。
このSDとは「標準偏差」のことで、大まかに説明すると同性同年齢の子供の身長「-2SD以下」とは平均身長よりも相当離れている低身長となります。
これらのどちらかに当てはまる人たちが成長ホルモン分泌不全と疑われますので、その場合は病院で血液検査を行い1回の採血でわかるホルモンの検査を実行することになります。
他の異常も疑われる場合、レントゲン写真なども撮るでしょう。
成長ホルモンにつきましては次のページも参考にしてください。
成長ホルモンと睡眠や筋トレの関係は?身長やダイエットにも影響?
成長ホルモン治療につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
SANDAZ 成長ホルモン治療とは?
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では成長ホルモンの治療について色々と説明してまいりました。
お子さんの身長の伸びが標準より下回っていると、心配になってしまうかと思います。
医療機関でも治療を行うべきなのか、遅のびなだけなのかの判断は難しいところがあるようですが、一度診てもらうのが良いかと思います。
この治療を受けるにあたっては治療費がかなり高くついてしまいますが、自治体の制度をうまく利用することで費用を抑えることができるかもしれません。
知らないとかなりの費用負担になってしましますので、まずはお住まいの地域の補助制度を確認しましょう。
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