成長ホルモンを分泌させる運動は無酸素運動?有酸素運動?
無酸素運動など成長ホルモンを分泌させる運動
成長ホルモンを分泌させることはダイエットや筋肉増強には必須なことと言われています。
運動すると成長ホルモンが多く分泌されると聞いたことがる方もいらっしゃるかもしれませんが、無酸素運動が効果的なのか有酸素運動が効果的なのかといったことをご存じでない方もいるのではないでしょうか?
運動ならどちらでも良さそうと思うかもしれませんが、実はそうではないのです。
そ本記事では成長ホルモンと運動の関係についてお伝えしたいと思います。
無酸素運動と成長ホルモンの分泌について
成長ホルモンが分泌される運動は有酸素運動ではなく無酸素運動です。
その理由は筋トレといった高負荷のトレーニングを行うと筋肉内に乳酸が急激に増えるのですが、この時筋肉の中にある侵害受容器から脳の下垂体前葉に、疲労回復効果があり壊れた筋繊維を修復する能力がある成長ホルモンの分泌が促されるようになります。
このトレーニング強度については諸説ありますが、ギリギリ10回上げられる程度のバーベルやダンベルを使ったトレーニングを3セット程度行うといいでしょう。
また、身体のいろんな部位が疲れれば疲れるほど分泌が促されるので、スクワットのような下半身全体をまとめて鍛えられる筋トレを実行するといいでしょう。
ちなみに、ダンベルやバーベルは家にはない方の場合はスクワットといった全身運動を行うと良いのではないでしょうか。
高負荷のトレーニングを行うことでだいたい15分後くらいからたくさん分泌されてトレーニング開始から30分後程度に分泌量がピークになります。
そして脂肪の分解がすすむようになり、トレーニングから約2時間後に分解のピークを迎えると言われています。
この時、脂肪が燃えやすくなっているので、詳しくは次の項で触れますが、有酸素運動を行うと効率的に脂肪を燃焼させることが期待できます。
ダイエットをされている方は覚えておかれるといいでしょう。
有酸素運動と成長ホルモンとの関係は?
筋繊維を修復させて疲労を回復させる効果がある成長ホルモンは無酸素運動で大量に分泌されますが、有酸素運動ではなかなか分泌されません。
しかし、成長ホルモンが分泌されている状態だと体内の代謝が効率的に促されるようになっているので、体脂肪といった物も分解されてエネルギーになりやすい状態になっております。
つまり、有酸素運動の前に無酸素運動を行うと、成長ホルモンが分泌された状態で有酸素運動を行うことになるので効率よく脂肪燃焼効果を得ることができるということになります。
一昔前は無酸素運動は筋肉をつけるためのトレーニングであるため、痩せるためには関係ないといった考え方が一般的でしたが、現代ではその考え方も改められたので、本気でダイエットを考えている方は、無酸素運動も取り入れて効率的に痩せましょう。
一説には10分間を3回に分けて行うといった有酸素運動でも成長ホルモンが分泌されるようですが、おそらくそのトレーニングはサーキットトレーニングといった特殊な運動を行った場合でしょう。
基本は無酸素運動→有酸素運動といった流れを意識するといいでしょう。
成長ホルモンを分泌させる運動例
成長ホルモンを分泌させるにはスクワットといったトレーニングが有効だと解説しましたが、正しい姿勢でできているかによって効果の出方が変わってくるので、動画にて姿勢を今一度確認するようにしてください。
この時さらに有効になるのがスロー筋トレで、ある程度ゆっくり行うことで筋肉の緊張が続いて血管が圧迫され酸素不足となって乳酸が溜まりやすい状況になります。
この状態になるときつい運動をしていると脳が勘違いをして動き出してくれるので成長ホルモンが出やすくなるのです。
スクワットを例に出すと、3秒以上かけてゆっくりと膝を曲げ、戻す時も3秒以上かけてゆっくりと戻すといったものになるでしょう。
これを動画のような正しい姿勢で10回ほど繰り返すことで身体が成長ホルモンを効果的に分泌してくれるようになります。
運動後の成長ホルモンの役割
成長ホルモンとは脳の下垂体前葉から分泌される、名前の通り体のあちこちを成長させてくれるホルモンのことです。
子供のうちはこの成長ホルモンによって身長が伸びるのかどうかが大きく変わってきます。
「寝る子は育つ」という言葉は実際には半分正解と言えます。
正しくは「寝入りばなの3時間をとっても深い睡眠ができている人は育つ」になります。
そんな成長ホルモンではありますが、アミノ酸の量を増やすことで筋肉のタンパク質合成を高められるようになり、代謝を促進して疲労回復効果が高まることが期待できるのです。
つまり、運動によって筋繊維が壊れてしまった場合、成長ホルモンによってタンパク質合成が促されて筋繊維が修復され太くなり、さらには運動によって疲れた体の回復をより早くしてくれるようになります。
また、脳の疲労回復にも効果があるので集中力ややる気の増加にもつながるため、運動の質を向上させてくれるものにもなってくれます。
つまり、筋肉を作って疲労を回復して運動における集中力を増すのが成長ホルモンの効果なので、絶対におろそかにすることができない成分と言えるかと思います。
運動の質を高めるのにも重要であり、運動における筋力増強効果もあり、その後の回復にも関係しているので、本格的に体を鍛えたいという方はこの成長ホルモンの仕組みを理解すると良いです。
寝る前の運動は成長ホルモンの妨げに?
「筋トレを行うと成長ホルモンが出るのなら、寝る前に行えば睡眠の時に出る成長ホルモンと合わさって大量になるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、その考えは半分は正解で半分は不正解です。
たしかに、無酸素運動を寝る前に行えば睡眠時に出る成長ホルモンと合わさって睡眠時の消費カロリーを増やすことができるでしょう。
しかし、無酸素運動を睡眠前にしてしまうと率直に申し上げて、睡眠の質が落ちます。
体が覚せい状態になるのでしばらく寝付けなくなりますし、成長ホルモン分泌に重要な最初の3時間の睡眠の質が低下するのです。
このような作用が働くことから、寝る前の筋トレは避けたほうが無難だと考えられるといいでしょう。
アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進する?運動時には効果的?
成長ホルモンを分泌促進させる方法の1つがアルギニンを摂取することです。
アルギニンを摂取することで体内の成長ホルモンが合成される率が向上するので、効率よく成長ホルモンが出るようになるとのことです。
このアルギニンを多く含む食品はかつお節・海老・シラス・卵・鶏肉・玄米といったところなのでこれらの食品からアルギニンを摂取するようにされるといいでしょう。
運動前の摂取が効果的とは言われていますが、運動前に鶏肉を食べるというのは容易ではないかもしれませんのでやっぱりサプリメントといった物が基本となるのでしょう。
成長ホルモンは運動能力を向上させる?
この成長ホルモンが運動能力を向上させるのかどうかというのは世界的にも論争となっている部分で決着がついておりません。
オリンピックで必ず行われるドーピング検査ですが、実は成長ホルモンを使うことは運動能力向上に繋がると考えられており禁止となっているのです。
この考え方は一応はナチュラルスタンダードのようで、国際オリンピック委員会以外にもメジャーリーグベースポール協会やナショナルフットボールリーグなどでも使用禁止命令が出ています。
しかし、大学の研究グループからはよく「成長ホルモンは運動能力向上作用は無い」という意見が提示されているので、どちらが正しいのかがわからない状態が続いています。
成長ホルモンの生涯分泌パターンは?
成長ホルモンの分泌は脳から出た指令を受けて下垂体から分泌しております。
つまり、脳下垂体に成長ホルモンが分泌されるように命令が出ることで、その成長ホルモンが分泌されるようになり、そこから肝臓や筋肉、脂肪などの代謝を促していきます。
この肝臓では成長ホルモンを仲介するIGF-Iが作られるようになるため、この物質がないと成長ホルモンの作用も鈍ります。
つまり、成長ホルモンの障害が発生してしまい分泌できなくなるパターンは脳の下垂体に腫瘍ができてしまうことで、脳下垂体の機能が低下してしまい、成長ホルモンを含む各種ホルモンの分泌効率が低下してしまうというものです。
基本的な人間の成長ホルモンの生涯分泌パターンは思春期前から後期にかけて急激に上昇して2倍近くになり、そこから後はずっと低下するというものになります。
60歳では30%くらいに低下するので、それだけ筋肉などが作られにくくなるのです。
成長ホルモン分泌不全になると、この量よりも遙かに少なくなりますので、肉体的な違いが如実に出るようになります。
成長ホルモンにつきましては次のページも参考にしてください。
成長ホルモンと睡眠や筋トレの関係は?身長やダイエットにも影響?
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では無酸素運動といった運動と成長ホルモンの関係について解説しました。
成長ホルモンが良い作用をもたらすことは日本人にもかなり浸透してはいますが、効率よく分泌させる方法についてはまだまだ広まっていないのが現実です。
成長ホルモンは美容にも有効ですし、筋力増強にも効果があるので、身体を鍛えたい方や見た目を整えたい方は分泌方法を理解して美しい体を手に入れましょう。
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