川崎病でのアスピリンの目的や副作用は?肝機能障害とは?
肝機能障害など川崎病でのアスピリンの副作用
川崎病での治療薬としてアスピリンが用いられることが多いのですが、どのような目的で使われるのでしょうか?
また薬は副作用が気になるところですが、肝機能障害が発生することもあるという報告もあります。
本記事では川崎病におけるアスピリンについて触れたいと思います。
川崎病でアスピリンを服用する目的や効果は?
川崎病とは「小児急性熱誠皮膚粘膜リンパ節症候群」という正式名称をもつ病気で、全身の血管に炎症症状を引き起こします。
乳幼児に多い病気で、特に6ヶ月~1歳までの間での発症が多く、発症者全体の80%以上が4歳以下となっているいわゆる子供の病気に該当するでしょう。
現在、日本でも毎年1万人以上がかかっていると言われているので実は身近な病気になっているのです。
この病気の症状は5日以上続く熱・目の充血・イチゴ舌・発疹・手足の腫れ・リンパの腫れといったものになりますが、これ等の症状に対抗して使われるのが「免疫グロブリン」と呼ばれる血液製剤や「アスピリン」になります。
アスピリンの効果は抗炎症作用や腫れ・発赤・痛熱・発熱といったものに効くとされており、それ以外にも血液を固まりにくくする作用があるのでこの川崎病では良く使われているようです。
川崎病そのものが辛い病気でありますが、気にしなければならないのは冠状動脈瘤を併発させることです。
そこで血管の炎症を鎮めて冠状動脈瘤の原因となる血栓を起きにくくする作用があるアスピリンは非常に役立つのです。
副作用は大丈夫?
アスピリンにはいくつか副作用があるので、これ等の副作用を全て覚えるのは困難と思われます。
具体的な症状としては胃部不快感、胸焼けなどの胃腸症状や、出血や鼻血といった血液障害、発疹・めまい・貧血といった症状が発生することがあるでしょう。
実際に症例調査によるとだいたい全体の2.67%が副作用が出たと言われているようです。
副作用が起こりやすい薬というわけではありませんが、胃腸症状が出た場合は気を付けたほうがいいでしょう。
アスピリンで肝機能障害が起きる?その症状は?
先ほど記載しませんでしたが、副作用の一つに肝機能障害があります。
具体的にはAST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害とのことです。
この状態になると倦怠感・むくみ・微熱・食欲不振・かゆみ・腹水・黄疸などの症状が出る可能性があります。
ただし、肝臓は沈黙の臓器と言われている通り、ある程度この副作用の症状が進行しないと気が付けないことが多く、先ほど記載した症状もちょっとした肝機能障害のレベルでは生じない可能性のある現象なのです。
そのため、副作用で肝機能障害とみられる症状が出た場合、かなり悪化している可能性もあるので早急に医師に診てもらった方が良いでしょう。
アスピリンの用量は?
子供が川崎病になった場合の薬の量は「高用量免疫グロブリン静注(IGIV)で、1回用量2g/kgの10〜12時間かけての投与と、経口高用量アスピリン20〜25mg/kg、経口、1日4回の組み合わせにより行う」とされているようです。
また、ある程度症状が改善した場合はアスピリン投与量を3〜5mg/kg にして1日1回に量を減らすようです。
ただし、発症から14日目まではアスピリンの高用量投与の継続が望ましいとする専門家もいるようです。
また、冠動脈瘤がなく炎症作用も発生していない場合はアスピリンは不要となる時があります。
当然ですが、アスピリンの用量は医師の指示に従う必要があります。
飲ませ方は?
アスピリンの薬は粉薬として処方されることが多く大人ならば我慢して飲むことができますが、子供の場合は飲ませることに親がかなり苦労していることが見て取れます。
お茶や水に混ぜて飲ませている人もいるようですが、きれいに溶けないことも多く、うまく摂取できないこともあるでしょう。
具体的に粉薬を飲ませるベスト回答ははっきり申し上げてなかなかないので、ジュースやゼリーなどに粉薬を混ぜ込ませて与えるのが良いのではないかと思います。
シロップの場合はなるべく口の奥に入れてすぐさま水などで流し込むようにしたり、スポイトで飲ませるのも良いかと思います。
退院後の服用はいつまで?
アスピリンの服用は川崎病の症状が治まった後にもしばらく続けるのが無難と言われております。
なぜなら例え熱や発疹といった分かりやすい症状が治まったとしても突然冠状動脈瘤を起こしてしまう可能性があるからです。
そのため、例え症状が出なかったとしても指示された期間はアスピリンの服用は続けた方が良いでしょう。
この期間については諸説ありますが、長い場合には約1ヶ月間は服用を続けたほうが良いという意見もあるようです。
この服用期間については基本的に担当してくれた医師に確認して、指示された期間を服用するようにしましょう。
アスピリンとインフルエンザや水疱瘡について
インフルエンザになった時にアスピリンが処方されることはかなり少なく「15歳未満」の患者の場合は処方されることはないようです。
なぜなら子供がインフルエンザにかかった時にアスピリンを含む薬を飲むとインフルエンザ脳症などを発症することがあるからとされています。
水疱瘡も同じでアスピリンを使った場合は脳症を引き起こす危険性があるので使わないのが基本となっているようです。
アスピリンは基本的に市販されている解熱剤や風邪薬にかなりの確率で使われているので、インフルエンザや水疱瘡になってしまった場合は十分な注意が必要です。
大人の場合は脳症になる確率が子供よりもかなり低くなるみたいですが、0%ではないので大人の方々もインフルエンザになった時にアスピリンが含まれている薬を処方することは少ないと言われております。
川崎病に関しましては次のページも参考にしてください。
川崎病の再発する確率や年齢・原因・予防法は?後遺症は出やすい?
川崎病のアスピリンなど治療法につきましては、次のサイトを参考にしてみて下さい。
公益財団法人日本医療機能評価機構 Minds ガイドラインライブラリ 川崎病 Minds版やさしい解説 どんな治療法があるの?
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では川崎病とアスピリンの関係について触れさせていただきました。
アスピリンは効果のある薬ではありますが、状況次第では危険を伴う場合もあるので、必ず医師の指示に従って正しい使い方をするようにしてください。
特に注意が必要なのが、インフルエンザで発熱した時にインフルエンザではなくただの風邪と勘違いしてしまってアスピリンが含まれている薬を飲ませてしまうようなケースです。
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