川崎病の後遺症の症状や確率は?不整脈など心臓に影響?
不整脈・心筋梗塞など川崎病の後遺症について
川崎病にはつらい症状がありますが、それ以外にも後遺症が発生する確率がそれなりにあり心臓に不整脈などの悪影響を及ぼす可能性もあるとさえ言われております。
本記事では川崎病の後遺症についてお伝えしていきたいと思います。
川崎病とは?
川崎病とは0~4才の子どもに多く発症し、特に6ヶ月~1才の間の赤ちゃんがかかりやすいと言われている原因不明の病気になります。
もどかしいのがこの原因不明の病という部分でどうして発症したのかが分からず、他の人からうつされる病気ではないので防ぎようがないと言われております。
また、医師からは「腸重積と川崎病だけは見逃すな」とも言われている病気で、川崎病は治療が遅れてしまうと「冠動脈瘤」というものが生じるようになってしまい、狭心症や心筋梗塞が発生する確率を高めます。
心筋梗塞は大人が生活習慣病である糖尿病や高血圧を発症することで血液の流れが阻害されて発症するものではありますが、川崎病の治療が遅れると血管の壁が膨らんでコブができるようになって血管の壁が狭まってしまい子供のうちに心筋梗塞になってしまうことも有り得ます。
そのため、7日以内には治療を開始することが必須とまで言われている病気になっております。
※腸重積(ちょうじゅうせき):腸の一部が隣接する腸内にはまり込んでしまう病気で、3か月以上6歳未満の乳幼児、特に1歳前後の乳児に発症することが多い。放っておくと腸組織に壊死が起こる。
川崎病の後遺症の症状【不整脈など心臓に影響?】
川崎病の代表的な後遺症は「冠動脈瘤」が発生することで血液の流れがうまくいかなくなってしまい、不整脈や心筋梗塞といった症状を引き起こしやすくするところにありますが、それ以外にも治療が不十分のまま放置されることで大人になってから突然症状が出ることもあるようです。
それでは大人になってから発症する後遺症についてまとめていきます。
狭心症や心筋梗塞
基本的に川崎病は心臓近くの冠動脈で強い炎症が発生するので、心臓を覆う冠動脈関連の後遺症が発生する可能性があるとされています。
症状としては胸の痛みや胸が締め付けられるといったものでしょう。
また、冠動脈瘤などにより血管が狭くなったところに血栓ができてしまい、急性心筋梗塞が発生することもあります。
症状としては呼吸困難・脈拍上昇・血圧低下・顔面蒼白といったところでしょう。
頭痛・胸痛・腹痛
後遺症として頭痛・胸痛・腹痛といった症状が発生することもあるようです。
これも心臓付近の動脈に瘤ができてしまったために血管が狭くなったり詰まってしまって発症すると言われているため、血管の状態をチェックしてもらうようにした方がいいでしょう。
難聴
こちらはかなり稀な例になるようですが、川崎病発病時に高熱が長い期間続いた場合は難聴になる確率があるという報告もあります。
妊娠には影響はないが薬は要注意
川崎病の後遺症が原因で不妊といった症状になることはありませんが、妊娠後期におけるアスピリン使用は行わないとされていることが多く服用は中止される傾向があります。
妊娠中期であれば量が少なければOKとされている医師もいるようですが、妊娠中のアスピリン服用に関しては医師とよく相談するのが良いでしょう。
運動が禁止になることも
川崎病の後遺症が大人になってから発症した場合、激しい運動は禁止となるケースが多いです。
なぜなら心筋梗塞になる可能性が普通の人より高まっているので心臓に負担がかかる動作に制限がかかってしまうからです。
この制限がどの程度かも後遺症の度合いによって異なるので、激しいもの以外なら問題ないとされる場合や、ちょっと走るのも控えるように指導されることもあるようです。
後遺症が出る確率は?
川崎病の後遺症として冠動脈瘤が残ってしまう確率は、約10%ぐらいあるとされています。
一説には子供のうちに川崎病になってしまって巨大な冠動脈瘤が発生すると、15年で70%が冠動脈に狭窄や閉塞が見つかるようになるとすら言われております。
この10%をどう感じるかにもよりますが、他の病気と比べた場合、高いものとなるので、できる限り早期発見して後遺症が発生しないようにするのがベストでしょう。
治療について
川崎病の後遺症は治療可能なものとはなっています。
基本的な方法はまず瘤を作らせないようにしたり血管が詰まらないようにするための薬物治療となるでしょう。
例えば血液が固まるのを防ぐ、バイアスピリン、パナルジンなどの抗血小板薬やすでに冠動脈瘤ができている患者の場合はワーファリンなどの抗凝固薬を使うようになるでしょう。
しかしこれらの抗血小板薬や抗凝固薬は血液を固まりにくくして血栓ができない状態にさせるので、鼻血といった症状がよく出る可能性もあります。
他には冠動脈が痙攣して縮む状態を予防するためにカルシウム拮抗薬を用いたり血管を拡張するために硝酸薬を用いることもあるでしょう。
場合によっては冠動脈バイパス手術やカテーテル治療を行って血管を通りやすくさせることもあるようです。
しかし、妊娠中に発症した場合、妊娠中は血液が固まりやすく、血栓が発生しやすいので心筋梗塞などのリスクが普通の方より高まりますので、より十分医師と相談しながら進めることになるでしょう。
運動制限について
川崎病の後遺症で心臓に瘤ができているかどうかでこの運動制限も変わってきます。
一般的には急性期に心臓に後遺症がなければ、学校での体育は制限する必要はないと言われております。
また、仮に後遺症が発生していたとしても、小さな冠動脈の拡張あるいは動脈瘤程度ならばアスピリンの服用を続けていれば運動制限はかからないだろうとのことです。
そのため、治療が遅れてしまい大きめの冠動脈瘤が残った場合には運動制限が発生すると考えたほうがいいでしょう。
こうなると部活動の選択も制限がかかるようになります。
予防について
川崎病の後遺症の予防方法は生活習慣病を予防することにあります。
基本的に川崎病は血管に炎症が引き起こされる病気なので、血管の壁は通常の方々よりも傷ついており比較的異常が発生しやすい状態にあると考えたほうがいいでしょう。
そのため、動脈硬化や血管の老化現象が発生する可能性は普通の人より高くなっていると考えれられます(この辺りは担当のお医者さんに確認した方が良いでしょう)。
従いまして、食事内容にはより気を付けてコレステロールを過剰摂取しないようにし、ジュース類の摂取のしすぎを抑えて中性脂肪の増加を防ぎ、運動制限がかかっていないのならば軽い運動を毎日行うといったことが大切になります。
タバコはもちろん良くありません。
川崎病に関しましては次のページも参考にしてください。
川崎病の再発する確率や年齢・原因・予防法は?後遺症は出やすい?
川崎病の後遺症につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
QLIFE 川崎病心血管後遺症
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では川崎病の後遺症についてお伝えしてきました。
川崎病は原因不明でありながら、後遺症が発生する確率の高い厄介な病気なので、風邪との違いを把握して川崎病になっているかどうかを親の方々ができる限り判断できるようになっておくことで早期発見に繋がりやすくなります。
運動制限が発生してしまうと子供にとって辛い思いをし兼ねませんので、大人の方々がそうならないように努めることが大切になります。
幼児は風邪をひきやすく熱も出やすいなど、よく体調を崩しがちなので、ついついまた風邪かと思いがちですが「もしかしたら」という視点でお子さんを観察されると良いかと思います。
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