緑内障の失明の危険性は?症状や手術など治療法や予防法は?
緑内障の症状や原因・検査・治療について
緑内障は失明する可能性のある病気と知られております。
そのため具体的な症状や治療法、手術をすることになるのか、予防はできるものなのか等を知りたいと思っている方も多いでしょう。
本記事では緑内障の失明の危険性や治療法および予防法を中心にお伝えしたいと思います。
緑内障による失明の危険性は?
日本人の失明する原因の第一位はこの緑内障にありますが、早期治療を行えば失明することはないようです。
それでも、失明率はかなり高めで毎年2000人ほどが失明していると言われております。
患者の総数は220万人以上いると言われているので、毎年だいたいその患者の0.1%が失明しているということになります。
また、緑内障は片目だけではなく両目に等しく起こる確率が高いため、失明する時には両目とも見えなくなって完全に見えなくなってしまう方が多いです。
ちなみに、目の病気の中では糖尿病網膜症が最も失明率が高いことで有名ではありますが、糖尿病患者は緑内障になる確率も上昇しているので、糖尿病患者は目のケアも必須になるということです。
緑内障の症状について
緑内障には慢性緑内障と急性緑内障の2種類があります。
慢性緑内障は自覚症状がほとんど無く進行する病気です。
初期症状から末期の症状もある程度は同じで視野欠損が発生するようになります。
ただし、末期の場合は非常に広範囲にわたって見えなくなるため日常生活に支障が出るようになるでしょう。
「視野欠損してたらすぐに気が付くと思うけど?」という疑問もあるでしょうが、目には片方の視野にちょっとした問題があったとしても、もう片方の目が補う保管機能がかなり優秀に備わっているので、ちょっとした視野欠損だと気が付けません。
また、症状がかなり進行することで失明することがあります。
急性の場合は眼圧が正常時の3~5倍ほどに急上昇して様々な症状が出るようになります。
それは激しい頭痛・吐き気・眼痛・目の充血・視野異常などの症状です。
この病気の怖いところは目の異常よりも頭痛や吐き気といった症状が気になって内科を受診して気が付けなくて、手遅れになるパターンがあるということです。
真っ赤に充血して角膜は濁って瞳が大きくなるといった症状が出たら、頭痛があったとしても眼科を受診するようにしましょう。
手術について
緑内障における手術は他の病気と同じく最終手段となるようです。
手術方法は大きく分けて二つ、線維柱帯切除術と線維柱帯切開術です。
まず、線維柱帯切除術について解説します。
これは眼圧下降には最も効果が期待できる手術で眼内と結膜下の間にバイパスを作成することで、眼内の水をしみ出させるものとなっております。
この手術の場合は眼球マッサージやレーザーによる縫合糸の切開、結膜の再縫合などのケアやメンテナンスが必須となるでしょう。
次に線維柱帯切開術の場合は眼内の排水管の組織を切開して、眼内の排水の効率を良くするものです。
こちらは線維柱帯切除術よりもケアやメンテナンスは少なくなりますが、効果は低いと言われているので、一長一短があります。
基本的な治療法について
まず、緑内障は進行を遅らせたり食い止めることが前提です。
なぜなら一度損なわれた視神経は回復することは無く、治ることは無いと言われているからです。
そのため、この病気は症状を食い止めることが治療という形になります。
この治療の基本にあるのが目薬を使った薬物療法です。
緑内障の病型や進行度合いに応じて点眼薬を用意し、眼圧をコントロールするのが目的です。
この目薬には10種類以上のものがあり組み合わせて処方されるようになるでしょう。
場合によってはこの点眼薬以外にも内服薬を使うこともあります。
この目薬を用いた治療方法でうまくいかなかった場合はレーザー治療や手術が必要となるでしょう。
緑内障の原因について
緑内障は房水の分泌と排出のバランスが崩れて眼圧が高くなって視神経が圧迫されてしまうことが原因なのですが、なぜ眼圧が高くなるのかは解っていません。
ただし、リスクが高くなる要因についてはある程度判明しております。
それは40歳以上の約5%に発症するようになってさらに年をかさねることで発症する確率が上がること、そして血縁者に緑内障患者がいた場合は発症するリスクが高まることもわかっています。
ようするに遺伝的によって発症確率が上がるので緑内障になりやすい家系というものが存在するということです。
また、近視の人は視神経周辺組織が痛みやすいので緑内障になる確率が高くなり、糖尿病や高血圧の状態の人も発症する確率が高くなっております。
他にも冷え性気味の方や低血圧気味の方、そしてストレスが常に溜まっている方も発症するリスクは高めのようです。
検査方法について
緑内障の検査として最も一般的なのが眼圧検査です。
眼圧測定器の種類はいくつかあって、目に直接当てて測定する機械の他にも、圧縮した空気を眼に送って測定する機械などがあります。
それ以外にも検査用のコンタクトレンズを使って隅角検査を行う時もあります。
他にも視神経の障害の度合いを調べるために眼底検査を行うこともありますし、視野の見える範囲を調べるために特殊な機械を用いて視野検査をすることもあるでしょう。
基本的に緑内障は眼圧が高まることで発症するものではありますが、正常眼圧緑内障のような眼圧が低くてもなる緑内障は眼圧検査で引っ掛からないケースもあるので、「眼圧検査が正常=100%緑内障ではないという保証はなし」というところがあります。
視神経が老化などによって弱くなることで正常眼圧でもなってしまう緑内障ですので、調べる場合は眼底検査が必要になるようです。
緑内障になりやすい年齢は?
緑内障になりやすい年齢は40歳以降です。
40歳以上の日本人における緑内障有病率は5.0%もあると言われており、70歳を超えると10%を超えるとも言われています。
つまり年をとればとるほど発症確率も上がっていくということです。
一つのラインとしては40歳以降になると増えるということです。
また、この緑内障のやっかいなところは、緑内障になっていることに気がつかないで放置している人がかなり多いと言うことです。
この5%という数字よりももっと多い可能性があります。
従いまして、40歳以降の年齢になったら定期的に目の検査をした方がいいでしょう。
緑内障における禁忌について
緑内障になってしまった場合は、どうしてもやってはいけない禁忌事項というものが存在します。
それは胃・十二指腸潰瘍や胃腸の痙攣性疼痛といった病気に効果があると言われている硫酸アトロピンの服用です。
この薬の副作用は、抗コリン作用により房水通路が狭くなり眼圧が上昇するというものです。
いわゆる緑内障患者にとっては起こって欲しくない副作用です。
他にも胃カメラや大腸ファイバーなどの内視鏡検査を受ける際、胃腸の緊張をおさえる前処置として使われるブスコパンも緑内障を悪化させる可能性があるので注意したほうがいいでしょう。
他にも喫煙は禁止となり酒も過度の摂取は控えたほうがいいでしょう。
コーヒーやお茶、そして水も一度に大量に飲むと眼圧が上昇すると言われているので、飲み過ぎないようにしてください。
禁忌に関してはしっかり主治医の先生に確認しておきましょう。
予防方法について
原因がはっきりしていない病気であるため予防をするのは非常に難しいのですが、目の使いすぎや喫煙は発症確率を上昇させると言われているので、できる限り眼のケアをしたほうがいいでしょう。
それ以外においては具体的な発症方法がつかめていないので予防方法を考察するのは難しくなっております。
尚、ストレスは万病の元と言われていますので、できる限りストレスをコントロールする努力は有効と思われます。
また、今では目の健康に効果があると言われているサプリメントもいろいろとありますので、眼精疲労を積極的にとるのは大切と言えるでしょう。
また、予防というわけではありませんが、1年に1回は必ず病院に行って眼圧測定などをしてもらうようにするのが最も効果があると言えるかもしれません。
緑内障に関しましては次のページも参考にしてください。
緑内障の予防法【食事・目薬・レーザー・運動・メガネなど】/a>
緑内障の治療法【目薬・レーザー・手術など】と副作用は?/a>
緑内障の8つの原因【ストレス・コンタクト・糖尿病】と予防/a>
緑内障の禁忌は?食事・葛根湯・目薬・睡眠薬・ステロイド?/a>
失明に関することなど緑内障につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人社団 新緑会 森井眼科医院 緑内障(りょくないしょう)
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では緑内障について記載し治療法等をお伝えしました。
緑内障は完治させる方法が確立されておらず、もし発症してしまったら病気と長い付き合いが始まってしまう非常に厄介な病気です。
また、リスク要因はわかっても原因不明であるため具体的な対策を講じることができないのも、もどかしい病気と言えるでしょう。
早期発見が失明する確率を下げてくれるので、どんなに健康な人でも定期的に眼科に行くと良いと思います。
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