緑内障の禁忌は?食事・葛根湯・目薬・睡眠薬・ステロイド?
食事・目薬など緑内障での禁忌について
緑内障は発症してしまうと色々と禁忌なものが発生するようになります。
それは食事内容、目薬や睡眠薬といった薬にも及ぶと言われているのです。
葛根湯なども対象になるのでしょうか?
本記事では、緑内障における禁忌にはどのようなものがあるかを挙げてみたいと思います。
緑内障の禁忌について
緑内障になった場合に色々な禁忌事項があると言われており、主治医に確認する必要があります。
ここではいくつか紹介してみたいと思います。
食事面
緑内障は発症するリスク要因は分かってはいるけれど、どうして発症することになるのかは分かっていない非常に厄介な病気です。
また、緑内障になってしまった場合は食生活にも一部気を使う必要が出てきます。
まず、水を1リットル以上飲むのは避けたほうがいいでしょう。
他にもカフェインは摂取しないほうがいいでしょう。
1日に3杯以上コーヒーを飲む人は、高眼圧を引き起こしたり視神経を傷つける可能性が上がるという研究結果が発表されているので、コーヒー好きの方には非常に辛いかもしれません。
他にも辛い食べ物のような刺激物やアルコールも眼圧を上昇させる可能性がるので過剰摂取は控えましょう。
それ以外では、身体を冷やすような食べ物は血行不良を引き起こすので避ける必要があります。
このような禁忌となる食べ物がありますので、主治医に確認しておきましょう。
葛根湯は?
緑内障になってしまうと飲める薬にも制限がかかるようになりますので、薬も厳選する必要が出てきてしまいます。
例えば抗不安薬・抗うつ薬・抗てんかん薬・抗不整脈薬・鎮痛薬・鎮咳薬・アレルギー用薬などなど、これ等の薬の一部は使えなくなっているのです。
そんな状況の中で風邪の時に使えるのが葛根湯ですね。
葛根湯はいろんな禁忌がある薬の中で気にする必要が無いものなので、緑内障の方は何かあった時のために用意しておくといいでしょう。
目薬は?
一般的に市販の目薬が使えないのは「閉塞隅角緑内障」と言われる緑内障の人になります。
この緑内障の特徴は「急性の発作が起きると眼圧が高くなる」というもので、この急性の発作を起こしかねない成分が入っている目薬は禁忌に該当するのです。
もう少し緑内障の種類と目薬が使えるかどうかを説明しますね。
まず、閉塞隅角緑内障は慢性型と急性型があり、急性型の場合は目薬の成分によって症状が急激に進行する可能性があるので緑内障禁忌とされている目薬は使えません。
次に眼圧が正常範囲内であるにもかかわらず緑内障と診断される正常眼圧緑内障の場合は、開放隅角緑内障に分類されるため市販の目薬が使用できる物も多くなっています。
最後に開放隅角緑内障の場合は房水の出口である線維柱帯が目詰まりしていくことで眼圧が徐々に上昇するもので市販の目薬も多く使えます。
ちなみに、緑内障の方が注意する必要のある成分は抗コリン作用があるかどうかです。
睡眠薬は?
睡眠薬も禁忌に分類されているものが多くなっています。
睡眠薬として現在最もよく使われているベンゾジアゼピン系の精神安定剤が該当しているようです。
このように緑内障の人はいろんな制限が加わるので、病気にならないよう努めねばなりません。
ちなみに、先ほど抗コリン作用という言葉で説明しましたが、これは副交感神経を抑制するか交感神経を刺激する作用があることの表れで、どちらも瞳孔を閉じる働きを持つ毛様体筋を弛緩させて隅角を狭くするのです。
なので、こちらの禁忌も開放隅角緑内障の方よりも狭隅角の方が注意する禁忌に該当します。
そのため、開放隅角緑内障の方はそこまで神経質になることは無いでしょう。
ただし、薬の説明には「閉塞隅角緑内障は禁忌」ではなく「緑内障は禁忌」という記載であることも多いので、見分けがつきにくいと緑内障患者が嘆いていることもあります。
詳しくは主治医に確認するか市販で購入の際は薬剤師さんにしっかり確認すると良いかと思います。
アトロピン
アトロピンも眼圧を上昇させ、病状を悪化させるおそれがあるため基本的に緑内障患者には禁忌となっております。
抗コリン作用により房水通路が狭くなり眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがあるので、他の禁忌対象となる目薬と同じ理由となります。
緑内障にも種類があるのでこのアトロピンを使うことができる人もいますが、わざわざリスクを負う必要はないので、どうしても必要な状況にならない限りは使わない方が良いと言えるでしょうね。
ステロイドは?
ステロイドホルモンを含む薬物を継続的に使用することで、房水流出が障害されて眼圧が上昇して緑内障になる恐れがあります。
これをステロイド緑内障と呼ばれているのです。
このステロイドが原因で発症した緑内障は原発性開放隅角緑内障と同じものになるようです。
ただし、ステロイドを止めれば房水流出が正常化して眼圧が下がることが多いようです。
また、1000人の人にステロイド点眼薬を用いるとだいたい5人前後が眼圧が上がると言われているので全員が当てはまる症状ではないようです。
なので、すべての人が良くないというわけではありませんが、眼圧が上がる体質の人はステロイドは使わない方が良いでしょう。
ステロイド薬は「絶対的な禁忌には当たりませんが、必要性が低いのならできるだけ避けるようにしたほうが良い」と言われているので、必要が無ければこちらも避けるようにしたほうがいいでしょう。
この辺りは医師と相談の上、判断する形になるかと思います。
抗ヒスタミン薬は?
緑内障患者が気を付ける必要があるのが抗コリン作用のある薬なのですが、抗ヒスタミン薬にもその作用があるので禁忌に該当するものもあるでしょう。
この抗コリン薬とはコリンと呼ばれる物質の働きを阻害する薬であり、たくさんの病気の治療に用いられているものですが、名前でそれが入っているかどうかは分からないことが多いので、自分が服用している薬にはその作用があるのかを確認したほうがいいかと思います。
緑内障になったら目はあまり使わない方が良い?
緑内障になってしまったら目に関するトラブルということで、あまり目は使わない方が良いというイメージが持たれます。
確かに、手足を骨折した場合は固定することが基本ですので使うのは論外です。
しかし、緑内障の場合は目を使うことで悪化するということはないと言われているので、例えば本を読むといった行動は特に問題ないと言われております。
ただし、大きく目に負担がかかる、暗いところでのスマホの画面を見るとか小さな字を見る行為が許されるのかという話になった場合は異なるとのことですので、どこまでがOKのラインなのかは医師に相談したほうがいいでしょう。
基本的には、一般的な生活で使うレベルの目の使い方なら問題ないと言うことです。
目薬をするように指摘されている方は毎日欠かさずに行う必要がありますし、内服薬を処方されている方は内服薬を必ず飲むようにしましょう。
また、行動制限についても諸説あり、力んで頭に血が上るのは危険という人もいれば特に問題ないという人もいます。
ここら辺はネットで正しい情報がどれなのかを探るのは難しい状況なので、医師に相談してくださいね。
急性狭隅角緑内障とは?
狭隅角緑内障とは房水の出口が虹彩の根元でふさがれる緑内障なのですが、この虹彩の根元の排出部が塞がれると房水の流れも滞るようになるので眼圧が急激に上昇します。
そのため、視神経に障害が出るようになるので視野欠損も発生するようになってくると思われます。
その他にも目が真っ赤に充血するとか激しい頭痛や吐き気といった症状も出てきたりします。
この頭痛や吐き気のせいで脳神経外科や内科などの病院に行ってしまう人もいますが、原因は眼なので発見が遅れることがよくあるのです。
基本的に発作が発生してすぐに治療を行えば眼圧も低下するので問題ないのですが、内科や外科などの眼科以外の病院に長い時間かかるようになってしまうと手遅れになってしまうことが多いようです。
急性狭隅角緑内障の治療はレーザー虹彩切開術が基本になるようです。
緑内障に関しましては次のページも参考にしてください。
緑内障の予防法【食事・目薬・レーザー・運動・メガネなど】/a>
緑内障の治療法【目薬・レーザー・手術など】と副作用は?/a>
緑内障の8つの原因【ストレス・コンタクト・糖尿病】と予防/a>
緑内障の失明の危険性は?症状や手術など治療法や予防法は?/a>
緑内障に禁忌の薬剤につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人 圭明会 原眼科病院 「緑内障の人はお薬を出せません」と言われたことはありますか?
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では、緑内障における禁忌にはどのようなものが該当しているのかをいくつか挙げさせて頂きました。
このように緑内障には薬や食べ物にもいろんな制限がかかるようになるので、日常生活に支障が出るようになってしまいます。
厄介なことに症状の進行を止めることはできたとしても治すことはいまだにできないと言われているので、それらの制限と治療薬には長い期間付き合いが発生するようになるのです。
また、原因がはっきりしていないため具体的な対策や予防策を立てることもできないのが非常に厄介なのですが、リスク管理はしっかりと行って発症しにくくすることも大切と言えるのではないでしょうか。
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