睡眠障害における過眠症の原因や治療法【病院の何科を受診?】
過眠症のチェック項目やストレスなど原因と対策!薬で治る?
睡眠障害は多くの方たちが抱えているものであり、治療法を調べてみたことがあるという人も多いでしょう。
睡眠障害というと眠れないというイメージが強いと思いますが、過眠症という症状もあります。
本記事では過眠症にスポットを当てて原因やチェック方法、治療および病院の何科に行くのが良いのかなどを調べたいと思います。
睡眠障害の中でも無害に見えて実はかなり有害な過眠症を掘り下げてみましょう。
睡眠障害における過眠症とは?
過眠症は睡眠障害の一種で夜眠っているのにも関わらず、日中に強い眠気を感じてしまうかなりやっかいな障害です。
ひどい人は起きているのも困難な状態になるので仕事や学校などの私生活において非常に大きな支障をきたすでしょう。
この過眠症にはナルコレプシー・突発性過眠症・反復性過眠症の3種類が存在します。
ナルコレプシーとは世界的に1000人から2000人に1人が発症する病気で、睡眠時間を十分にとっている人でも突如として耐えられないレベルの眠気が生じて起きているのが困難な状態になってしまいます。
どんなに眠ってはいけない場面でも睡眠発作として眠ってしまうのです。
ここで眠った後は一時的にすっきりしますが、数時間するとまた眠気が襲い耐えられずに眠ってしまうようになります。
また、他の人との会話中であったとしても突如としてこの発作が襲うので急激に力が抜けて倒れ込んでしまう人もいます。
突発性過眠症はナルコレプシーよりは発症者が少ないと言われている過眠症の一種で夜間睡眠時間が10時間以上など著しく長くなってしまい、昼間にも眠気が異常に強くなる病気です。
1時間以上の居眠りをしてもすっきりしません。
反復性過眠症は発症することが稀であると言われている珍しいタイプの過眠症で女性よりも男性の方が頻度が高く、強い眠気が発生する時期が短い人で3日、長い人で3週間も持続してその後は眠気に襲われることがなくなり、不定の間隔でまた眠くなる時期が発生する過眠症となっております。
原因について【ストレス?】
過眠症は大まかに説明してしまうと、眠りすぎる病気です。
この病気は過度なストレスやうつ病が原因であると多くの方が指摘しております。
過眠症の原因は一つとは限らないので様々なことが想定されておりますが、ストレスが強くかかり過ぎていると脳機能の異常によって睡眠時にも脳内が覚醒している状態になるので過眠症になってしまうと考えられております。
それ以外にもストレスが溜まりすぎて脳に異常が出るレベルの人は睡眠の質が低下するので過眠症になってしまうという意見もあるようです。
精神疾患の一つである非定型うつ病の人も過眠の傾向が強いのでメンタル的な部分が作用しているという考え方が一般的となっております。
治療法について【薬?】
過眠症はストレスが原因と想定はされているものの、明確な作用機序が分かっておらず、今でも根本的に断定されておりません。
そのため、明確な治療法も分かっておりません。
ただし、過眠症の疑いがあるという方は睡眠の質に何らかのトラブルを抱えているケースが多いので睡眠の質を向上させる方法を検討するようです。
具体的には夜はしっかりと眠れるように部屋の明るさを抑えて、寝る前にコーヒーやお酒を飲まないようにするとか、パソコンやスマホによるブルーライトを寝る前に浴びないようにするとか、朝は決まった時間に起きて太陽光を浴びるようにするとか基本的な部分を守るように促されます。
場合によっては睡眠薬に頼ることもあるでしょう。
睡眠薬がいやという人は睡眠効果を高めるサプリを使うケースもあるようです。
病院の何科を受診する?
過眠症などの睡眠障害がある人が訪ねるべき病院は睡眠クリニックなどの睡眠障害を専門的に診ている病院が適切でしょう。
しかし、睡眠クリニックや睡眠を専門にした医師は都市部にかなり集中しており地方都市ではあまり存在していないようです。
その場合は総合病院ならば睡眠障害を診ることができる医師がいる可能性があるので総合病院をチェックしましょう。
そこに睡眠外来や睡眠科が存在していればそこが良いでしょう。
無い場合は内科医院か精神科、心療内科で睡眠障害を取り扱っているのか確認するしかないでしょう。
過眠症のチェック項目
過眠症かどうかはある程度セルフチェックができます。
例えば「座って読書をしていると眠くなるのか」という問いに対して「いつも」「よくある」「たまにある」「ほとんどない」という4択の設問に答えていくというものになります。
これらはとある医師が考えた手法でありますが、これ以外にも「過眠障害DSM-5診断基準」というものが存在しておりこの診断基準をすべて満たしていた人は過眠症として判断されるようです。
その内容は以下のとおりです。
A.主な睡眠時間帯が少なくとも7時間持続するにもかかわらず、過剰な眠気(過眠)の訴えがあり、少なくとも以下の症状のうち1つを有する。
(1)同じ日のうちに、繰り返す睡眠期間がある、または睡眠に陥る。
(2)1日9時間以上の長い睡眠エピソードがあっても回復感がない(すなわち、爽快感がない)。
(3)急な覚醒後、十分に覚醒を維持するのが困難である。
B.その過眠は、少なくとも1時間に3回起き、3ヵ月間以上認められる。
C.その過眠は、意味のある苦痛、または認知的、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を伴っている。
D.その過眠は、他の睡眠障害(例:ナルコレプシー、呼吸関連睡眠障害、概日リズム睡眠-覚醒障害、または睡眠時随伴症)ではうまく説明されず、その経過中にだけ起こるものではない。
E.その過眠は、物質(例:乱用薬物、医薬品)の生理学的作用によるものではない。
F.併存する精神疾患や医学的疾患では、顕著な過眠の訴えを十分に説明できない。
「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」より引用(医学書院)
自分で行える過眠症への対策法は?
自分で実行できる対策は自分なりに睡眠の質を向上させる方法を実行することです。
寝る前にお酒を飲まない・寝る前にタバコを吸わない・寝る前にカフェインを摂取しない・寝る前に運動をしない・寝る前にパソコンやスマホを見ない・起床時間をできる限り一定にする・日中は光を浴びるようにする・運動時間を確保するなどできることはたくさんありますので1つ1つ実行にうつしていくことでしょう。
過眠症は容易に治るもの?
過眠症は先ほど記載したような生活リズムや睡眠環境を整えることで比較的容易に治ることもあります。
しかし、自分でできることをやったとしても全く効果が出ないというケースもあるのです。
その場合は専門の医療機関を受診するのが良いでしょう。
そこでまずは原因の特定を行って治療を開始しましょう。
昔から治りにくい病気だとは言われておりますが、現代医療では過眠症の治療として高照度光療法やメラトニン療法といった体内時間を調節してメラトニン分泌を調節する方法が存在するので昔よりは治りやすい状況になっているようです。
つまり、原因が特定できれば治る確率も高まるので、昔よりは治る確率は高くなっていると言えるでしょう。
過眠症に関する書籍に次のようなものがあります。
河村哲氏 (著)、読売新聞社大手小町編集部 (著):不眠・過眠を治す81のワザ+α (これ効き!シリーズ)
過眠症につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では睡眠障害における過眠症についてお伝え致しました。
過眠症は周りの理解が得られないことも多いやっかいな病気で、日常生活に大きな支障をもたらします。
しかし、原因が分からないと治療も困難なのでナルコレプシーなどに苦しんでいる人はまず医師に診てもらうことから始められた方が良いでしょう。
睡眠障害の専門医は都心部に集中しているという難点はありますが、医師探しから始めましょう。
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