主治医が見つかる診療所【うつ病のチェック項目と克服と期間】
主治医が見つかる診療所 うつ病のチェックと克服法と期間について
主治医者が見つかる診療所でうつ病が取り上げられました。
本記事では基本的なうつ病を見分けるチェック項目と克服法および期間を記載したいと思いますが、放送(平成28年2月1日)の内容を別項「主治医が見つかる診療所【うつ病の早期発見と予防法】」 に記載しています。
うつ病になる人は増加傾向にあり、今や国民病とまで言われるようになっています。
従来においては心の弱い人がなるという考え方があり、なかなか自分はうつ病だとは言いづらいところがありましたが、今では誰にでも起こるものという認識に変わりつつあります。
これから更に気軽に自分はうつ病と言える世の中になって欲しいものです。
うつ病のチェック項目
うつ病かどうかを見分けるポイントとして、次のようなチェック項目があります。
数多く当てはまるようでしたら「うつ」の可能性があります。
気分が憂鬱で何もする気が起きない
気分が憂鬱になって何もする気が起きなくなるのは典型的なうつの症状です。
特に休日の翌朝(当日は仕事があるなど)目覚めた時に気分の落ち込みが強くなる傾向があります。
仕事に行きたくない、家事をしたくない、子育てが憂鬱、学校に行きたくないなど様々な立場の人においてうつ病は十分起こり得ます。
休日などは1日中布団の上に横になっていたりします。
体や頭がだるく重い
心の状態だけでなく、体にも症状が出る場合がほとんどです。
頭が重く思考があまり働かなくなり、体も重だるく常に疲労感を感じる状態になります。
眠れない
夜なかなか寝付けなかったり、眠りに入っても何度も目が覚めたり、夜中に目が覚めた後眠れなかったり、朝起きた時に睡眠不足感があったりという睡眠の異常がみられたりします。
食欲がない
お腹がすかず、今まで好物だったものまで食べたくなくなったりします。
そして食べるのも億劫になり、体重が減っていったりします。
過食する
食欲がないケースもあれば、過食するケースもあります。
気持ちが落ち着かなくて、何かを口にしたくなります。
お腹は空いてはいないけど食べないと気がすまないといった感じになる場合があります。
すぐイライラしたり落ち着きがなくなったりする
気持ちが落ち着かず、ちょっとしたことでイライラしたり、絶望感を感じたり、このままではいけないなどの焦りのような感情が出てきたりします。
家の中をあっちにウロウロこっちにウロウロとしたり、じっとしていられず、体をこまめに動かし、落ち着きのない状態になったりします。
自己重要感がなくなったり罪悪感を覚えるようになったりする
自分に自信が持てず、自分を大切な人間だと思えなくなったり、色々な良からぬ出来事に対して自分が悪いとか自分のせいではないか?と思うようになったりします。
集中しようとしても気が散る
仕事や家事、育児など自分がやろうとすることに対して意識を集中することができず、すぐに気が散ってしまいます。
うつ病になる原因
うつになる原因は人それぞれ多種多様ありますが、ほぼ全ての人は強いストレスがきっかけとなっています。
いくつかの例を挙げてみたいと思います。
仕事
仕事でうつ病になる要素として、上司が厳しすぎる、同僚とうまく行かずいやな気分にさせられる、長時間労働による過労、職務に対するプレッシャー、セクハラ・パワハラ、大きな失敗をした、リストラに遭って先々が不安になるなどがあります。
育児
育児でうつ病になる要素として、赤ちゃんや子供が自分の思い通りにならない、自分の自由な時間が全く取れない、母親同士の交流において苦手な人がいたりうまくコミュニケーションが取れなかったりする、ご主人が全く育児に協力してくれず、大変さを理解してくれないなどがあります。
家庭内
ご主人との関係が良くない、子供の非行などの問題、姑との人間関係、親戚とのいざこざ、兄弟姉妹における問題、近所づきあいにおける問題、お金の問題などがあります。
うつ病になりやすい人の性格
人からの評価が気になる
何か行動する時、常に人の目を意識してしまいます。
「何か文句を言われないか?」「失礼にならないか?」「ダメな人と思われないか?」「嫌われないか?」という類の感情が出てきやすいです。
我慢する性格
人から頼まれごとがあると嫌でも断れなかったり、人に不満があったり、こうして欲しいなと思うようなことがあっても概ね我慢して言い出しません。
自分が我慢すれば平穏に済むと考えがちです。
完璧主義
何事においても完璧を求め、理想が高い為、取り組みへの結果に対して、自分を褒めたり認めたりすることがほとんどありません。
まじめ
何事にもまじめに取り組み、義務感や責任感が強い傾向にあります。
几帳面で神経質だったりもします。
うつ病の克服法
うつ病の克服方法としては
①十分な休息を取る
②十分な睡眠を取る
③心理カウンセリングを受ける
④自律神経の働きを整える
⑤適度な運動を行う
⑥抗うつ薬を服用する
などがあります。
各項目の内容につきましては次のページの「うつ病の治療及び改善方法」の項をご参照下さい。
うつ病の克服期間
様々なところから出されてるデータにはばらつきがあり、大まかな目安になりますが、克服に取り掛かってから20%くらいの人が1ヶ月くらいで、50%くらいの人が3ヶ月以内で、70%くらいの人が1年以内、残りの30%の人はそれ以上かかるという感じです。
ただ再発するケースもあり、その割合については1年以内が30%、5年以内が40~60%となっています。
従いまして克服した後も継続してメンタルケアを行なっていくことが大切になります。
うつになると免疫力も落ち風邪をひきやすくなったりします。
主治医が見つかる診療所【うつ病の早期発見と予防法】
主治医が見つかる診療所で放送された内容は次のようなものでした。
うつ病の現状
今のうつ病の人口・・・111.6万人 → 過去最高
男性:女性の比率 → 37:63
女性は一生涯で4人に1人がうつ病を体験する
理由は精神を安定させるセロトニンという神経伝達物質が男性より女性の方が少ないのと生理前はセロトニンが少なくなる為
ちなみにうつ病とは一般的には、いつまでも憂うつな気分が続き、社会生活に支障が起きる病気
うつの初期症状
最も注目すべきうつのサインは
a.不眠(寝つきが悪いというよりも、中途覚醒、熟眠障害)→2週間続いたら大きなサイン
b.頭痛
c.だるさ
d.下痢または便秘
e.肩こり
市販薬で頭痛・下痢が治らない場合はうつを疑う。
モーニングデプレッションと言って、朝に調子が悪い人が多く、その調子の悪さが1日中続いたりする。
その他のうつを経験した方の症状・・・手のしびれ、放心状態、過呼吸、好きな食べ物を美味しいと思えなくなった、自殺願望(自殺念慮)→自殺願望は深刻な症状(死にたい分けではないのに苦しさから逃れようと、ふとしたきっかけで死んじゃおうか?と本気で思ったりする)
うつ病を改善したきっかけ
人から声をかけてもらい、その人も緊張時に手が震えるという話を聞き、自分だけでないと思ったらすっと楽になった。そうしたらうつであることをみんなに話せるようになった。これがうつ病を解消するきっかけとなった。
うつ病で周りに迷惑をかけていたので、そのお返しにとボランティア活動を始めた。自分が役に立っていると感じたことが自信になって改善のきっかけとなった。
症状が比較的穏やかな時に好きな事に打ち込んだ(昔、趣味で弾いていたギターを弾いた)のと、できる事から少しずつやっていった(鼻をかんだティッシュはゴミ箱に捨てる、食後の食器は流しに置くなど)ことが改善のきっかけとなった。
うつ病の原因
うつ病の原因は解明されていないが、脳内物質の働きがアンバランスになる脳の病気と考えられる。
脳からは神経伝達物質というものが流れるが次のようなものがある。
a.セロトニン(幸福感が出る)
b.ドーパミン(ワクワク感が出る)
c.ノルアドレナリン(やる気や判断力が出る)
冬季うつ病
ある季節だけうつ症状が出たり、症状が酷くなったりするうつ病を「季節性のうつ病」というが特に冬が多く、「冬季うつ病」とも言う。
症状・・・冬になると、憂鬱な気分が続く、朝起きれない(起きる気はあるがどうしても起きれない)、服を選べない、昼食のメニュー決められないなど決断力が低下する、7月(夏)に回復する、甘いものが欲しくなる
原因は日照時間の低下。日光に当たらないと心身の安定や、やすらぎに関与している神経伝達物質のセロトニンが十分作られなくなる為。冬季うつ病はうつ病患者全体の約3%。
また日光を浴びるとビタミンDが生成され、ビタミンDはインスリンの分泌を調整しブドウ糖の利用効率を良くする。
日光を浴びる量が少なくなるとビタミンDの生成量が少なくなり、糖の代謝が悪くなり、そのことがうつ病に繋がることも考えられている。
→冬にうつになるというよりも冬にうつが悪化する
◎ストレスを受けると甘いものが欲しくなる理由はストレスを受けるとコルチゾールというホルモンが消費される。
このホルモンは血糖値を上げる為のホルモンで、コルチゾールの量が上がってこないので血糖値が上がらず、甘いものが欲しくなるし摂ってもなかなか満足できない。
うつ度チェック
Q1 青 落ち込むことはあるけれど、時間がたつと気分は回復する
赤 ほとんど1日中、ほとんど毎日、悲しみや空虚感、絶望感に陥っている
Q2 青 物事への興味や喜びを感じられなくなるが毎日ではない
赤 ほとんど1日中、ほとんど毎日、興味や喜びを感じない
Q3 青 眠れない時はあるけれど毎日ではない
赤 ほとんど毎日の不眠、もしくは過眠が続く
Q4 青 頭痛や肩こりが酷く、病院に行ったが、「どこも異常がない」と言われた
Q5 黄 検査では異常がないのに、最近ひどく疲れやすい
Q6 黄 最近、好きな物を食べても「美味しい」と感じなくなった
Q7 黄 甘い物など、特定の食べ物ばかり食べてしまう
Q8 黄 最近、買い物に行っても、あれこれ悩み何も買えない
青:1点 黄:2点 赤:3点
Q1~Q3までは、どちらかに○、両方当てはまらなければ無記入。
Q4~Q8までは、あてはまった場合のみ○。
青は1点、黄色は2点、赤は3点として、あてはまった合計点を計算する。
判定結果:合計が5点以上は要注意、12点以上は、1度病院で診察を受ける事がお勧め。
◎家族が気づきやすいうつ病の症状(例)
・笑顔や表情がなくなる
・趣味に興味を示さなくなる
・ニュースに関心がなくなる
・好物を出しても食べない
など
うつ病の予防(&改善)法
認知療法が良い・・・心の歪みを治す
・現実→受け止め方で→気分が左右される
・現実を→ゆがんだ受け止め方で捉えると→マイナスの気分になり→うつ病に
認知療法で受け止め方を変え平穏な気分に!
◎陥りやすい思考パターン
・全てをマイナスに考える
・根拠もないのに悲観的な結論を出す
・失敗を過大に、成功を過小に評価する
◎認知療法の方法
① 自動的に起こるネガティブな思考に照準を合わせ、それを書き出す。
② 客観的で生産的な考えに、置き換える。
例1. 第1志望に合格しなければ人生終わりだ!
→第1志望だけがゴールではない、第2第3志望でも受かれば良い
例2. 同僚を飲みに誘ったのに断られた、きっと嫌われているに違いない!
→今は忙しいんだな、また今度誘ってみよう
例3.寝坊で遅刻した、これで私の評判はがた落ちだ!
→遅刻したが寝不足だったから良く眠れて良かった。
でも迷惑をかけたから元気よく申し訳ございませんでしたと謝ってから仕事しよう。
人間誰でも時には遅刻するさ。
例4.フラれた 私を愛する男性なんていないんだ!
→①運命の人に出会う為にこの人に振られたんだと思える日が来るからorこの人ともし結婚までいっていたら、不幸になっていた。現実に結婚相手の選択を間違えて別れたいと思う人もそれなりにいるから。
②こんなに毎日失恋のことばかり考えられるなんて幸せだね。それは仕事も順調だし、健康だし、家族もいるからだよ。全ての男性が私を振るなんてありえない。
正解は無い、大切なのはネガティブな考えから客観的で生産的な考えに置き換える
その他うつ病改善に向けて大切なこと・・・トンネルはいつか抜けるという心の持ちようが大切、食事のバランスや規則正しい生活を心がけることもとても重要
うつ病のポイント
①不眠や頭痛やだるさが2週間以上、または1日中続く時はうつ病を疑う
②ネガティブな思考を客観的で生産的な考えに置き換える癖をつける
うつ病の方への接し方のポイント
まずはっきりと言えることが、人間は性格が一人一人異なり、その人によってうつ病の症状の出方も異なるので、100%正解と言える接し方は存在しません。
ここでは、できる限り正解となる可能性が高いと考えられるものを取り上げていきます。
まず最も多くの方に当てはまる行動の一つが、うつ病の人を心理的に受け入れることです。
うつ病になってしまった人というのは大なり小なりあれど、罪悪感が心の中にあり「なぜ私は休んでいるのだろうか」という気持ちになってしまっているのです。
そのため、優しく受け入れることが重要になります。
人によっては自暴自棄に陥り拒否することもあるでしょうが、受け入れるという姿勢が重要なので、最初のふれ合い方としては必須となります。
その後はデリケートな状態になっていることを考慮して、語尾を強めないように意識してトーンを抑えるようにしましょう。
そして、頑張れという言葉に敏感になっている人も多いので、安易に頑張れというのは避けた方が良いです。
また、うつ病になっている方を「怠け者」とか「たるんでいる」といった批判めいた言葉で叱責するのはより悪化させるだけですので絶対にしてはいけません。
最後に
うつ病かどうかのチェック項目としては、気分が憂鬱で何もする気が起きない、体や頭がだるく重い、眠れない、食欲がない、過食する、すぐイライラしたり落ち着きがなくなったりする、自己重要感がなくなったり罪悪感を覚えるようになったりする、集中しようとしても気が散る、といったものがあります。
当てはまる項目が多い場合はうつ病の可能性があります。
うつ病になる原因としてはストレスが関わっており、人それぞれ仕事や育児、家庭内などで様々な要因によって強いストレスを受けうつ病を発症します。
うつ病になりやすい性格として、人からの評価が気になる、我慢する性格、完璧主義、まじめ、といったものが挙げられます。
うつを克服する期間の目安は約20%が1ヶ月以内、約50%が3ヶ月以内、70%が1年以内で残りの30%は1年以上を要します。
また克服後1年以内に約30%の人が再発するというデータがありますので、改善後の継続的な心のケアは大切になります。
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