統合失調症の症状【初期・慢性期など】と周りの付き合い方
慢性期など統合失調症の症状と付き合い方
総合失調症は精神的な病気であり、初期症状もなかなか見分けにくく非常にやっかいな病気です。
この病気は進行状態によって初期の前駆期や慢性期に分かれており、ご家族の方々も付き合うのが非常に大変です。
本記事では総合失調症の症状と周りの方の付き合い方についてお伝えしていきたいと思います。
統合失調症の初期症状は?
心の病において最も大切なことは、初期症状に気が付いて早めに対処をすることです。
怪我や病気と違ってわかり難い部分は確かにありますが、それでもよく見ている人なら気が付くサインは存在します。
それでは総合失調症の初期症状を以下に記載していきます。
・気分が不安定になる
・不眠状態になったり、昼夜逆転状態になる、いわゆる睡眠障害が発生する
・とにかくイライラすることが増える
・猜疑心が増える
・人とのかかわりが減っていく
・笑うことや楽しむことが減り、喜怒哀楽の表現が希薄になる
・独り言が増えて、不可解な言動が増える
・仕事の成功率や学校の成績が低下する
大まかなものですが、だいたいこのような症状が出てくるでしょう。
実際に、このような初期症状が出てきたとしてもこの時点で精神科を受診することは稀です。
これらの症状の中には日常的に現れるものもあるため、これが病気であるという認識を持つことは少なくなっています。
大抵のケースでは、ある程度症状が深刻化して問題性が誰から見てもわかるレベルに表面化してこないと病院に行くことはないようです。
初期から慢性期など症状の経過
総合失調症は進行度合いによって段階が分けられます。
それは「前兆期」「急性期」「慢性期」「回復期」の4つです。
まず前兆期は発症の前触れとなる症状が出てきます。
これがいわゆる初期症状のサインというものです。
しかし症状は眠れなくなるやあせりの気持ちが強くなる、物音や光に敏感になるといった生きていく上ではよく起こることであるため、自分も周りも気が付かないケースが多いでしょう。
次に急性期ですが、幻覚や妄想といった目に見える症状が出てきて周囲とうまく会話をすることができなくなることもあります。
ここまでくると病気であると周りの人も気が付くようになります。
その次が慢性期で、幻覚や妄想といったすぐわかる症状からいつも寝ていたり、引きこもったりといった症状が出てきます。
この時期に何ならかの刺激が加わると急性期に戻ることもあるようです。
最後に症状が治まって無気力から回復した状態になる回復期になります。
破瓜型など統合失調症の種類
総合失調症には3つの種類が存在します。
それは妄想型・破瓜型・緊張型です。
これとは別に単純型を追加して4種類として扱う人もいますが、ここでは単純型と破瓜型の症状がほぼ同じであるため3種類として説明します。
ではまず妄想型について説明します。
妄想型は幻想や妄想と言った症状が多くなりますが、基本的に予後はいいようです。
次に破瓜型についてですが、症状は自閉や感情平板化といったものが主体となり、予後はよくありません。
それ以外にも意欲低下・無気力・社会性の欠如といった症状が出てきます。
基本的に分かりにくい症状が多いので発見が遅れることが多く不登校などになってから気づくようです。
最後に緊張型ですが奇妙な姿勢をとる・大声で叫びだすといった緊張病症候群の症状が出ます。
それでも人が変わるといった症状まではいかず、予後は良いとされています。
統合失調症の方への周りの対応【付き合い方】
総合失調症になることは患者はもちろん辛いですが、周りの人もどのように接していいかわからなくて精神的に辛くなるかもしれません。
心の病であるため、接し方が非常にデリケートであり、これに対する正解はないといっていいと思います。
ただし、してはいけないことはあるため、家族の接し方次第で早く良くなることも遅くなることもあるようです。
そのために最も大切なのは、総合失調症という症状について正しくどのようなものがあるのかを理解することです。
病気について全部知る必要はありませんが、どのような症状があるのかは周りの人には是非とも知っておいてもらいたいと思います。
特に症状でも見えにくい意欲や気力の消失などは人によってはさぼっているようにしか見えないため、ついつい「サボってるなら動け」と檄を飛ばしたくなりますが、そこを耐えられるかどうかが重要になります。
自分が家事や仕事をしている中、一人だけただ「ボーッとしている」様子を見てしまうと、見ている人はイライラが溜まってしまい声を荒げてしまうかもしれませんがこれは患者の再発率を上げているだけなので注意してください。
統合失調症の症状で暴れることも?その時の対象法は?
総合失調症患者は自分で自分をコントロールしにくくなるので、時に信じられないような行動をしてしまうことがあります。
その一つが暴れだすというものです。
総合失調症の人は脳に障害が発生するので、感情をコントロールできなくなり考えていることもまとめられなくなります。
対処法として忘れずに実行してもらいたいことは、包丁やハサミといった人に危害を加える可能性があるものはそばに置いておかないことでしょう。
近くに置いておくのは危険です。
定期的に暴れるような人の場合は、そのタイミングが来たらカギがかかる部屋を用意して避難できるようにしてください。
状況次第では病院に連絡する必要もありますので、スマートフォンでいつでも電話をかけられるようにしましょう。
原因について
総合失調症の症状が出る理由として神経伝達物質であるドパミンの機能異常があるとされています。
まず幻覚や妄想は中脳辺縁系でドパミンが過剰に放出されることで引き起こされていて、意欲低下や感情鈍麻(かんじょうどんま:外界に対して無関心で、
つまり、片方は過剰であり、片方は足りなくなっているということです。
治療法について
統合失調症の治療は基本的に薬物療法になります。
脳の神経伝達物質の機能異常が原因であるため、その機能異常を治す薬を医師からは処方されるでしょう。
ただし、この薬物療法の他に家族のケアや本人のリハビリを含めることでより回復が早くなり再発率も低下するようになります。
具体的には薬物療法のみを行った場合の1年後の再発率が30%であるのに対し、薬物療法と家族心理教育かリハビリを行った場合の再発率は8%となっています。
つまり、薬に頼るだけではなく本人や家族の心理的なケアがあればこそという病気であると言えるでしょう。
薬の効果や副作用は?
まずあらゆる薬には多かれ少なかれ作用と副作用の両方を持っています。
総合失調症の薬の場合でもそれは同じです。
副作用として多いのは眠気・口の渇き・便秘・手の震え・呂律がまわらないといったものであり、命の危機や重い後遺症が残るといったものはありません。
もし副作用が強いと感じた場合は必ず専門医と相談して量を変えるか薬の種類を変えてみましょう。
また、これらの副作用も症状が軽くなって薬の量が減れば自然と無くなっていきます。
もし全身の硬直や高熱といったものが出てきた場合にはすぐに医師と相談してください。
また、長い期間薬を飲み続けると手や足がよじれるといった後遺症が残ることがありますが、対処法もあるためこちらも医師と相談してくださいね。
統合失調症につきましては次のページも参考にして下さい。
統合失調症の原因は母親や遺伝?脳内物質ドパミンが原因?
統合失調症の方への対応【家族・友達・高齢者・近所・職場】
統合失調症の症状につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
今回は総合失調症における進行度合い別の症状や、発症してしまった場合に家族がどのように接していけばいいのかをお伝えしてきました。
ストレスや性格によって発症すると言われていますが、はっきりとした原因は分かっていないため、いつ起こるかわからない非常に厄介な病気です。
しかも、周りの家族に理解者がいないと回復速度も遅くなってしまうか再発する危険性が上がってしまいます。
ただし、それでケアしている家族の方にストレスが溜まりすぎて他の病気になってしまっては元も子もありません。
ケアしている家族も十分に健康に気を使う必要があります。
助ける人まで不健康になってしまうのが、一番悲しいことと言えるでしょう。
今回のこの記事が総合失調症における参考になれば幸いに思います。
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