カリニ肺炎の症状や検査・診断・治療法は?予後・予防法は?
カリニ肺炎の初期症状や原因・治療などについて
肺炎の中でもそこまで知名度が無いカリニ肺炎(最近はニューモシスチス肺炎と言われています)ですが、これは危険な肺炎なので症状が出た場合は検査及び診断をしっかり行い、早急に治療を行う必要があります。
予後を良いものとするためには早期対応がカギなのです。
本記事ではカリニ肺炎の症状や検査・診断・治療法の他、予後・予防法について説明いたします。
カリニ肺炎の初期症状および症状
肺炎はたくさんの方がご存知である病気となりますが、カリニ肺炎と言われた場合、知らない人も多いのではないでしょうか。
これは普通に生きているなら人間に備わっている免疫力で発症しないで済む病気に該当するからです。
つまり免疫力が著しく低下している方が発症するものとなっています。
症状は発熱・乾いた咳・息苦しさといったものから始まって、症状が重くなると体重減少や呼吸困難やチアノーゼに至るようです。
そして、最終的にはそのチアノーゼによって心肺停止状態になってしまいます。
最初は風邪のような症状から始まるのですが、徐々に悪化していくものとなっています。
また、呼吸困難に至る原因は肺における酸素化する能力が大幅に低下することにあるので、全身に酸素が行きわたらなくなってしまう為です。
検査と診断方法について
カリニ肺炎になっているかどうかの検査はまず症状を確認することですが、呼吸器系の疾患が発生したとしても呼吸音に問題が出ないことが多いため、カリニ肺炎であると確定されることは少ないようです。
そのため、病院でも臨床診断では確定ではなく疑いという扱いになります。
その後、肺生検組織や喀痰からニューモシスチス・カリニを染色して顕微鏡検査で診断するとなっているかどうかがわかります。
治療法と期間について
カリニ肺炎の治療の仕方はバクタ配合錠の内服による殺菌や重症例ではプレドニンを服用させることもあるでしょう。
基本的にこのカリニ肺炎は免疫力が低下すると予想される場合に抗菌薬を使うことで肺炎を防げると言われているものなので、早期発見がカギとされています。
また、バクタ配合錠には副作用があるのですが、肝障害や腎障害と言った副作用が強めに出てしまった場合、ペンタミジンの投与が行われることがあります。
しかし、このペンタミジンの投与にも低血圧・腎障害・低血糖といった副作用があるので薬を飲んで副作用が出た場合は、すぐに医者に相談するようにしましょう。
予後について
このカリニ肺炎は免疫力が極端に低下することで発症するものです。
まず、HIVによって免疫力が低下した結果発症した場合、重症化することは少ないようです。
そのため、発熱や低酸素血症といったものが出ても軽く済むことが多く予後は良いと言われています。
しかし、適切な治療を行ったとしても10%程度の死亡率がある恐ろしい病気である点は変わらないので、治療は本格的に行うことになります。
原因がHIVではなく、単独でカリニ肺炎を発症してしまった場合、症状が重くなりがちで胸痛や血痰といった症状が出ることもあるようです。
そのため予後はHIVが原因だった時よりもかなり悪く死亡率も40%となっています。
予防法について
カリニ肺炎はHIVやガンや臓器移植のために化学療法を行っているといったごく限られた条件に当てはまった人がなってしまう病気です。
そのためまずは、これらの病気にならないようにすることが一番の予防と言えるでしょう。
しかし、HIVになってしまった場合は、早急にHIV対策を行う必要があります。
HIVに感染して気が付かないと数年後にエイズになって日和見感染症になってしまうのですが、現代医療ではHIV感染初期ならHIV検査及び治療を行うことで、免疫力が回復することができるようになっております。
HIVを完全になくすことはできないようですが、少なくともエイズ発症を防ぐことができるようになっているのです。
この段階で食い止めれば日和見感染症で苦しむことはなくなります。
しかし日本ではHIV感染者として報告された人の3人に1人が、気が付かないうちに発症してしまったという人たちなので、早期の検査が本当に大事になっているのです。
カリニ肺炎の原因菌は?
そもそも、カリニ肺炎の原因となる菌は何なのでしょうか?
これはニューモシスチス・イロヴェチという名前の真菌が原因です。
しかし、これは生後すぐに感染するもので、ほぼすべての人が保菌しているものとなっています。
ですが、正常な免疫能力がある人は発症することはほとんどありません。
つまり、後天性免疫不全症候群(エイズ)などによる免疫力が低下している人やガンや臓器移植のために化学療法を行っている人、そしてステロイド剤・免疫抑制薬の長期服用している人が発症する可能性があるということです。
そしてこれはエイズ患者における指標疾患(日和見感染)の一つで治療を行わないと死に至るケースも多々あります。
また、「風邪とか体調不良で免疫力が低下すれば感染するのでは?」と思った方もいるでしょうが、そのレベルの免疫機能の低下では発症することはまずありません。
感染経路について
カリニ肺炎の感染経路はいまだ明確にされておらず、自然界に存在する菌に気道を通じて感染すると考えられています。
ただし、先に記載した通り感染したとしても通常の免疫力がある人は発症しないので、感染経路を特定することがかなり困難なものとなっています。
リウマチとカリニ肺炎の関係
リウマチになってしまうと急激に免疫力が低下することがあるので、カリニ肺炎になってしまう場合があるようです。
実はこれは日本では多く発生しており、気を付ける必要性があります。
リウマチは自己免疫疾患の一つではあるのですが、発症する人が結構多く、また男女比は1対4と女性に多くなっているので、女性の方は発症しないように心がける必要があるでしょう。
しかし、このリウマチは過労・ストレス・喫煙・細菌やウイルス感染などで発症するとは言われているのですが、いまだに原因がはっきりしておらずわかっていないのが実状なので、意識的に防ぐことが難しいものとなっています。
そのため発症してしまうのは運の要素がものすごく大きくなっていますが、発症してしまったら悪化しないように日常生活の質を良い状態で保たせる心がけが大切です。
肺炎に関しましては次のページも参考にしてください。
カリニ肺炎につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
Qlife ニューモシスチス・カリニ肺炎
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事ではカリニ肺炎の症状や検査・診断・治療法の他、予後・予防法について説明いたしました。
知名度としてはインフルエンザ肺炎やマイコプラズマ肺炎といったものと比べた場合、幾分低いのがこのカリニ肺炎なのですが、その原因となる細菌はみんな持っているということは理解していただいたと思います。
HIVによる免疫低下と聞いた場合、自分は関係ないと思う方もたくさんいるかもしれませんが、リウマチによる免疫低下でも発症する可能性があるので、他人事ではないと言えるのではないでしょうか。
特に、リウマチは確定的な原因が分からないので、すべての人が発症する可能性のあるものと言えます。
そのため、名前と症状については覚えておくといいのではないでしょうか。
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