慢性胆嚢炎の症状や診断法と治療法【薬や手術・食事】
慢性胆嚢炎の症状や手術など治療について
長期に及んで胆嚢の炎症が起こる慢性胆嚢炎は知名度はそこまで高くないですが、知らず知らずのうちに進行し、気が付いたら発症している疾病ということで恐れられています。
治療に関しては薬や手術そして食事療法が有効と言われていますが、具体的にどのようなものなのでしょうか?
本記事ではこの慢性胆嚢炎の症状を始め診断法や治療法を中心にお伝えしたいと思います。
慢性胆嚢炎の症状は?
胆嚢炎は急性と慢性の二種類があります。
慢性胆嚢炎の症状は急性と違って痛みが出ることが少なく、激しい腹痛が起きることも無いと言われております。
普段は無症状なのですが、食べ過ぎたりすると右上腹部のあたりに痛みが生じたり、胃もたれが生じたりすることもあるようです。
ちなみに、この食べ過ぎによる痛みは食後1~2時間後に出るようです。
その他、結石ができた場合は胆嚢(たんのう)頚部に陥頓して内圧が高まったときに疝痛(せんつう)として発症したりすることもあります。
このような不快感や鈍痛程度で症状が治まってしまうので、率直に申し上げて症状が少なく自覚症状がわかり難い病気ともいえます。
基本的に消化器系の炎症症状は、慢性化することで痛みが薄らいでいくとも言われているので、気が付いたときには症状が進行していることが多いのです。
ただし、症状が弱いからといって放置をしていい病気ではありません。
検査・診断法は?エコー?
慢性胆嚢炎の検査や診断方法は超音波診断(エコー)・CT検査・MRI検査が基本となっておりますが、その前に微熱は出ていないか、みぞおちに痛みは無いのか、黄疸は出ていないのかを確認することもあるでしょう。
検査方法は超音波での診断によるエコー検査が有効で、胆嚢内にどのような変化があるのか、胆嚢壁がどのような状態になっているのかを的確に診断することができるとされています。
また、合併症を引き起こしている可能性も含めて、血液検査も同時に行うこともあるでしょう。
急性胆嚢炎の場合は炎症の度合いが酷く、白血球の数も一気に増えることなどから、血液検査とエコー検査で大体の状態が見えてくるようです。
治療法【薬や手術】
急性胆嚢炎の場合は、抗生物質を投与して経過観察を行いつつ、細菌を減らすのが重要になるのですが、慢性胆嚢炎の場合は食事内容の改善も指摘され慢性消化不良状態を解消する必要が出てくるでしょう。
症状が進行して胆石が生じてしまった場合は開腹手術や腹腔鏡手術を行って胆嚢の摘出手術を実行する可能性もあります。
それ以外にも胆汁や膿を体外に排出するためにチューブを胆嚢と接続して、安静にしつつ絶食や点滴治療を入院しながら行うこともあるでしょう。
しかし、慢性胆嚢炎の治療の基本は経過観察しながら抗生物質や鎮痛剤を用いて細菌感染を抑える処置が普通なので、手術をする時はよほど症状が悪化した状況だと思われます。
ガンへ移行する心配がない限りは経過観察が一般的なようです。
食事療養方法について
胆嚢炎になってしまう原因は細菌繁殖ですが、その細菌繁殖の最大の要因は胆石の発生と言われております。
この胆石ができてしまう原因がコレステロールの過剰摂取で、痰汁に含まれるコレステロールが結晶化して核となってしまい大きくなって水に溶けなくなった塊が生じることで発生するのです。
そのため、食事内容を改善することは慢性胆嚢炎を抑えるためには重要になります。
つまり、慢性胆嚢炎と言われた人の食事の基本は、低脂肪食が中心となるので脂肪が少ないものが主食となって、味付けも薄くし、カフェインや炭酸飲料といった刺激物は避け、コレステロールを多く含む食品は避ける必要があるということです。
具体的には、鶏ささ身・豆腐類・脂肪の少ない魚類・はんぺん・卵などが主食となり、豚ロースや牛ロースはといったものは避けて、難消化性の食品であるきのこ類や海藻類も避けることになるでしょう。
とにかく、脂質は30gまで抑えて、脂質の少ない生活を心がけるようにすれば発症確率は下がると言えます。
慢性胆嚢炎の原因は?
胆嚢炎は基本的に炎症によって引き起こされるものであり、この炎症は細菌感染によって生じるものなのです。
この細菌の感染経路は腸内にある大腸菌などが十二指腸を通ることで侵入することもありますし、胆管の細菌が肝臓に侵入した後に胆嚢にまで運ばれるものもあります。
あとは、胆石ができてしまうことで胆道が詰まって粘膜に炎症が起こって細菌感染するケースもあります。
ストレス・慢性疲労・暴飲暴食・肉類の摂り過ぎといったことが原因で発生する確率も上がると言われているので、要注意です。
規則正しい生活を送って食事の内容に気を付けていれば発症する確率が低い病気なので、脂肪分の多い食事は避けて、暴飲暴食も避けるようにしましょう。
特に、ストレスで誘発すると解説する医師も多いので、できる限りストレスを溜めない生活も意識するようにしてください。
合併症について
慢性胆嚢炎になってしまった人は、長期にわたって炎症を繰り返しているので、肝膿瘍や膵炎や胆石イレウス、そして胆汁性腹膜炎といった合併症を引き起こす可能性があります。
最悪の場合は胆嚢がんを引き起こすので放置するのは非常に危険なものとなっているのです。
そのため、治療の基準もガンになっているかどうかが大きく関わっている所があります。
ガンになっていなければ治療も経過観察が中心になることが多いようです。
合併症を引き起こしている場合は治療方法も難しくなるので、合併症を引き起こす前に早期発見を行い、治療を開始するようにしましょう。
予防法について
胆のう炎になってしまう原因には胆石がありますが、胆石ができてしまう原因ははっきりしていないので予防をすることも困難なのが実情です。
食生活が欧米化しすぎて高コレステロールの食生活が増えたから胆石もできやすくなったという説を有力視している人も多いので、やはり健康的な食事生活をすることが大切ということなのでしょう。
ストレス・慢性疲労・暴飲暴食・肉類の摂り過ぎといったことが原因で胆嚢炎を発生する確率も上がると言われているので、要注意です。
規則正しい生活を送って食事の内容に気を付けていれば発症する確率が低い病気なので、脂肪分の多い食事は避けて、暴飲暴食も避けるようにしましょう。
特に、ストレスで誘発すると解説する医師も多いので、できる限りストレスを溜めない生活も意識するようにされると良いでしょう。
慢性胆嚢炎と急性胆嚢炎の違いは?
既に少し触れていますが、急性胆嚢炎も慢性胆嚢炎も、胆嚢で炎症が発生するのが原因ですが症状の出方が少し異なります。
慢性胆嚢炎の場合は強い症状が無いと説明しましたが、急性の場合は腹部に激痛が走って、吐き気・嘔吐・発熱・黄疸・悪寒などの症状が出るようになります。
そのため、身体の異変に圧倒的に気が付きやすいのです。
また、急性胆嚢炎の場合は痛みがひどいため、治療の時に鎮痛剤を使う確率も高く、それプラス抗生物質を用いて細菌感染を抑えて炎症を抑えるのです。
また、慢性胆嚢炎は急性から移行するケースもありますし、急性胆嚢炎の場合は放置することで膿が溜まって胆嚢が膨れ上がり血液中に細菌が入り込んでしまって敗血症性ショックの症状が出てしまって命の危機に直結するようになるので非常に危険です。
これらの違いを見ていただくと解ると思いますが、急性胆嚢炎の場合は危険な状態になるまでの時間が短く放置するとすごく危険なので、おかしいと思ったらできる限り早く医師に診てもらうようにしてください。
急性胆嚢炎につきましては次のページを参考にしてください。
慢性胆嚢炎につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では、慢性胆嚢炎の症状や診断法について触れさせていただきました。
この慢性胆嚢炎は脂質の摂取しすぎやストレス過剰によって発症確率が上昇する、ある意味現代病ともいえる病気なので、必然的に現代病を防ぐために運動や食事改善を行えば防げる確率が上がると言えるでしょう。
急性胆嚢炎の場合は放置すると最悪の場合、死亡するケースもありますし、慢性胆嚢炎の場合でも癌にまで悪化すると非常に危険なのは確かなので、侮れない病気と言えるかと思います。
特に、慢性胆嚢炎の場合は症状が薄いため気が付かない可能性が高く、ひっそりと進行するので、できる限り発症しないことを心がけるように生活するようにしてください。
脂質や糖質を抑えて、できる限り運動を行い締まった体を手に入れつつ、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
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