ギランバレー症候群は治療とリハビリで治る?予後や再発は?
ギランバレー症候群の症状や原因・リハビリについて
ギランバレー症候群は難病の一つで非常に厄介な病気となっており、治療に加えリハビリを行えば治るものなのか、予後や再発する可能性はどうなっているのかなどを気にしている人も結構いらっしゃるようです。
本記事ではギランバレー症候群に関する内容をお伝えしたいと思います。
ギランバレー症候群とは?症状は?
ギランバレー症候群とは、フランス人医師のギランとバレーによってその名前が付けられている病気で、日本では年間2000人以上が発症している指定難病です。
難病の中でも比較的発症する確率が高いものとしても知られております。
どの年代でも発症する確率が一定以上存在する病気ですが、発症する確率は60歳前後が最も多く、現時点で高齢者や若年成人に多い病気となっております。
症状は最初のうちは咳・熱・のどの痛み・頭痛・下痢などの風邪症状に似たものが出てくるようになりますが、その1~3週間後に急速的に四肢の筋力が低下して運動障害が出るようになります。
だいたい発病4週間目がピークと言われており、他にも腰痛・顔面麻痺・ろれつが回らない・感覚麻痺・自律神経障害・呼吸困難・排尿障害などの症状が出るようになると言われています。
ギランバレー症候群は治る?治療法は?
治療方法は単純血漿交換療法と免疫グロブリン大量静注療法が主流のようですが、日本では健康保険範囲内になっている治療法は単純血漿交換療法なので、こちらが優先されていると思われます。
この治療方法は症状の程度によって異なり、5m以上歩けるような軽症と判断された患者は隔日で2回ほど行い、自分で立てないほど症状が進行した人や人工呼吸器を装着する必要性が生じてしまった重傷者は隔日で4回くらい行う必要があるそうです。
また、この病気になると筋力が低下しているので、筋力回復対策も並行して行われるため、リハビリを行うこともあるでしょう。
治るかどうかにつきましては、きちんとした治療を受ければ治ると言われています。
リハビリについて
ギランバレー症候群は四肢の筋力低下が生じるので、リハビリも行う必要性は高いです。
そのリハビリの内容も症状の進行度合いによって変わってきますが、その内容は関節可動域を回復させるために、1日二回ほど各関節を可動全範囲に3~5回ほど動かす関節可動域運動や筋力強化運動を行うようになるようです。
また末梢神経の回復を阻害する可能性を考えて、過度な運動は禁止となりますので、必ず医師に従って実行するようにしてください。
それと、筋力強化を行う場合は症状の進行が停止してから行うのが望ましいと言われているので、まずは病状を止めることが優先されると言われております。
ただし、局部のみを鍛えるのではなく全身運動に近い形でリハビリを行うとのことです。
予後は?再発する?
ギランバレー症候群は神経系の病気ではありますが、完治する確率の高い病気であり8割程度は普通に社会生活に戻れると言われています。
ギランバレー症候群の再発率はだいたい1~10%程度と言われておりますが、この再発率をどうとらえるかは人それぞれになるかと思います。
回復してから数年後は発症する確率は低くなってはいるという話もあるので、すぐに発症する確率は低めなのかもしれません。
ただし、そうは言いましても発症した患者の20%程度が神経症状の後遺症が残るようになってしまい、5%は死亡する可能性があるという点もあり、厄介な病気ではあります。
治る場合は、だいたい6ヶ月で通常の生活に戻ることが可能と言われておりますが、原因の詳細がいまだ不明であり、予防することも困難なので対策を講じることが難しいものとなっています。
そういった中で、再発を防ぐためにはウイルスや細菌に打ち勝つ体作りが大切なので、できる限り免疫力が低下しないように運動をしっかり行ったり、生活習慣を正したり、万病の元と言われているストレスの排除に努め健康的な体を手に入れることが重要でしょう。
これは予後を過ごす上でも大切なこととなります。
また食べ物において、よく加熱していない鶏肉などにはカンピロバクター菌がついているので生肉の状態で食べないよう十分注意しましょう。
インフルエンザ予防接種が原因に?
ギランバレー症候群の原因は一説にはインフルエンザの予防接種が原因となっているというものがあります。
これはギランバレー症候群が、極稀にインフルエンザの予防接種のようなワクチン・抗菌薬・抗ウイルス薬・抗がん剤などの医薬品投与によって引き起ることがあると言われているのです。
1976年のアメリカにおいてインフルエンザワクチンが原因でギランバレー症候群が増加したという報告もあります。
そのため、ギランバレー症候群を発症したことがある人は予防接種も慎重にされたほうが良いと言われております。
全面的にインフルエンザの予防接種が悪いというわけではありませんが、可能性はゼロではないとされています。
その他に原因は?
実際の所ギランバレー症候群の原因はいまだ特定されておりません。
細菌やウイルス感染が引き金となって発症する可能性は高いと言われておりますが、詳細はいまだ謎のままなのです。
現在このギランバレー症候群は研究が続いている病気で、仏パスツール研究所や仏領ポリネシアのルイ・マラルデ研究所の最近の報告ではジカ熱を引き起こす「ジカウイルス」が関係していると説明しておりますし、カンピロバクター・マイコプラズマ・サイトメガロウイルス・EBウイルスは因果関係ありと言われております。
そのため、生の鶏肉や豚肉に付着しているカンピロバクターが熱処理されずに摂取することでギランバレー症候群になる可能性もあるということです。
ギランバレー症候群の検査・診断方法は?
ギランバレー症候群は最初のうちはただの風邪だと勘違いされてしまいますが、急速に四肢の筋力低下症状が出るようになるので、遅くてもこの時点で普通の病気ではないことに気が付けるでしょう。
このギランバレー症候群の検査方法は血液検査・髄液検査・筋電図検査・神経伝達速度検査といったものを行いますが、最も有効な検査は、筋肉の電気的活動を見て末梢神経に障害が出ていないのかを確認する筋電図検査と言われております。
また、髄液検査を行うと、発症から1週目を過ぎたところから蛋白量が上昇するようになり、蛋白と細胞の所見が解離するようになるので発症直後でなければこちらの方法でも診断できるとのことです。
妊婦がジカウイルスに感染した場合の子供への影響は?
妊娠している人がジカウイルスに感染することで、胎児に小頭症等の先天性障害が発生する可能性が高まるという報告があります。
これは厚生労働省によって通達されている情報なので間違いないでしょう。
また世界保健機関のWHOがジカウイルスが蔓延しているような地域への渡航はすべきではないという勧告を2016年3月8日に出しているので、絶対に行かないようにしてください。
このジカウイルス感染症は一昔前に流行ったデング熱と一緒で蚊を媒体にして感染を広げていくので、感染予防には虫よけが必須となります。
しかし、基本的な予防方法は蔓延している地域に行かないことですので、妊娠中の方はこれらの情報を随時チェックしておきましょう。
蔓延している地域は時間や時期とともに変わっていきますので、古い情報ではなく最新の情報を手に入れるようにしてください。
ギランバレー症候群につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事ではギランバレー症候群に関する内容をお伝えさせて頂きました。
このギランバレー症候群は原因不明の難病の一種ではありますが、ある程度治療する方法が確立されているものなので、難病の中では十分回復が期待できる病気と言えるのではないかと思います。
しかし、予防する方法がわからないという厄介な点もありますので、できる限り病気にならないように健康管理に気を付けることが大切かと思います。
皆様におかれましては、風邪をひかないようにしっかりと対策を講じるようにしてください。
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