無症候性血尿の原因と検査・治療法は?子供の場合は?
子供など無症候性血尿の原因や治療法について
血尿は起こるとすごく焦る症状の一つではありますが、その中には無症候性と言って血尿以外の自覚症状を伴わないものがあります。
その原因は何なのか、検査や治療はどのようなものになるのか、子供の場合も大人と同様なのか?など気になる所です。
本記事では無症候性血尿の原因や検査法、治療法などについて触れたいと思います。
無症候性血尿とは?
様々な症状からいろいろな病気を推察するのが人間です。
医学知識をそこまで持たない人でも咳や鼻水や熱といった症状が出ると、「風邪かな?」と自分の体調不良の理由を考えたりします。
その中でも「これはやばい!?」と感じるのが血尿です。
血尿とはその文字の通り、尿に血が混ざる症状になりますが、血尿が発生すると、自分は何らかの大きな病気を抱えているのではないかと著しく不安になります。
血尿が出た場合、並行して他にも痛みなど症状が出るものもあれば、血尿以外の症状が無いものもあります。
このに血尿以外の目立った症状が無いものを無症候性血尿と呼びます。
他の症状が無いからと言って安心していいわけではありません。
ただ単にそれ以外の症状が発生していないだけで高確率で何らかの病気にかかっていると言っていいでしょう。
大人の無症候性血尿の原因
大人で無症候性血尿になった場合は、子供と違ってまずは病気と考えてもらったほうがいいでしょう。
具体的には膀胱がん・IgA腎症・ナットクラッカー現象・特発性腎出血・尿管がんなどが考えられます。
この中でも血尿が50歳以降に出た場合は、膀胱がんの可能性を疑ってみなければなりません。
喫煙者は発症確率が高まるので、50歳以降の愛煙家で血尿が出た場合はすぐに病院に行って検査をしてもらいましょう。
他にも慢性腎炎のような腎臓に関係する病気になると、IgA腎症といった病気になり、血尿症状が出ることもあります。
これは腎臓で尿をろ過するフィルター部分がうまく働かなくなることで血尿が出るようになるのです。
子供の場合
それでは一つずつ原因を探っていきましょう。
子供が無症候性血尿になるケースですですが、IgA腎症・ナットクラッカー現象・尿路結石・Wilms腫瘍などの悪性腫瘍・出血性膀胱炎・激しい運動が原因の血尿・腎臓の外傷による血尿・血尿と紛らわしい赤ちゃんのレンガ尿といった物が考えられます。
正確に申し上げると、これらの中には血尿以外の症状が出る場合があれば、無症候性になるケースもあるようです。
ちなみに子供の場合の無症候性血尿は特別珍しいものではなく、100人に2~3人は発症していると言われており、原因不明のケースも多く、経過観察でほとんどのケースで治ってしまうと言われております。
このようにいろいろ調べても原因のわからない血尿が子供のうちは多く経過観察はするものの自然と治ってしまうのです。
とは言え、血尿と思われる症状が出た場合は病院を受診しておきましょう。
検査と診断方法について
血尿症状が出た場合の診断方法は尿検査になるようです。
尿検査の方法は尿試験紙法(定性試験)と尿沈渣検査法(定量試験)の二通りがあり、尿に試験紙を浸す尿試験紙法の場合は尿の中に赤血球がいるかどうかを確認し、検査結果は−、±、+、++、+++で表示され、+異常が陽性反応と診断されるのです。
これは簡単に行える検査なので1次検査としても用いられます。
次に尿沈渣検査法について解説します。
これは遠心分離機を使って尿中の成分を沈殿させた、顕微鏡で観察する検査方法になるのですが、この顕微鏡で観察している時に赤血球がどれくらいあるのかを確認するものです。
この検査は先ほどの検査と比べて面倒なので、2次検査という扱いになっており、試験紙法でひっかかった人に用いるものとなっているのです。
治療について
血尿の治療は原因を判明させてから行うものなので、厳密に定まっているわけではありません。
原因によって治療法は変わってくるのです。
そして、原因が特定できなかった場合は血尿そのものの治療を行うことはできないので、経過観察を行うことになります。
基本的にどのような病気になっているかがわからないと対策の立てようがないので、無症候性血尿に気が付いたら泌尿器科や腎臓内科で診てもらうようにしましょう。
無症候性蛋白尿とは?
無症候性蛋白尿とはタンパク尿が出続ける病気ですが、これといった症状がなく、尿からタンパク質が検出されたときに初めて気が付くことが多いのです。
タンパク質が出ているのなら経過観察をしていくことになりますが、発病から長い場合では10年程度経過した後に腎機能低下といった症状が出ることがあり、非常に厄介なものとなっております。
このタンパク質が出る原因は糸球体自体の病変による原発性の無症候性蛋白尿と糸球体の病変の原因となる病気が存在する続発性の無症候性蛋白尿があり、原発性はIgA腎症・巣状糸球体硬化症・膜性腎症・増殖性糸球体腎炎等が原因で、続発性は糖尿病性腎症やループス腎炎が原因と言われております。
この無症候性蛋白尿かどうかを調べる基本は尿検査となりますが、血尿と違って見た目が変わるわけではないので検査をしないと解らないのです。
検査をして無症候性蛋白尿と判明したら続発性のものか原発性のものなのかを調べるようになります。
この病気の治療方法については原因が何かで変わってくるのですが、原発性の場合は治療方法の確立ができていないので発症しないようにするしかないのです。
また、続発性の蛋白尿は病気の治療を行うことで回復することができるでしょう。
さらに、この病気の治療には病院通いが必要になりますが自覚症状が無いのでいかなくなる人も多く、放置し続けた結果10年以上経過した後に慢性腎炎症候群と診断されてしまうこともあるようです。
肉眼的血尿とは?
肉眼的血尿とは目で見て血尿とわかるものです。
つまり、目で見てもわからない血尿というものも実はあるのです。
それは健康診断で偶然発見される顕微鏡的血尿と呼ばれるものとなっております。
このことをご存じない方は結構いて、目で見て血尿では無かったとしても健康診断で引っ掛かってしまった人というのはこの顕微鏡的血尿の可能性が高いです。
検査の部分でやり方を細かく記載しましたが、2次検査において顕微鏡を用いて調べることからもこのような呼び名が付いているのでしょう。
ちなみに、血尿のみでひっかかったのなら泌尿器科に行くのがベストで、それにタンパク質も出ているのなら腎臓内科に行ったほうがいいでしょう。
蛋白尿まで出ているのなら腎臓のろ過機能がうまく動いていない可能性が高いので、泌尿器科に行くよりも腎臓内科の方が推奨されているようです。
良性家族性血尿とは?
遺伝性腎炎の1つであり、糸球体基底膜(しきゅうたいきていまく)の異常によって血尿が遺伝性や家族性によってみられる病気の一種です。
ですが、名前に良性と入っているとおり、血尿は出るのですが、進行することもなく腎機能の低下という症状の悪化もありません。
血尿や軽度の蛋白尿のみが症状として出てくる非進行性の病態なので、そこまで心配する必要はない血尿となっているようです。
実際に遺伝性なので、子供のうちから血尿症状が出ることもありますし、小学校で行われる検尿によって発覚することもあります。
予後は良好で治療は必要としない、稀有な血尿ではありますが、血尿が出てしまったらびっくりするのは普通のことなので、まずは診てもらうことを強くお勧めします。
自分自身で良性の血尿かどうかなんて判断することは出来ませんしね。
血尿に関しましては次のページも参考にしてください。
無症候性血尿につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では、無症候性血尿の原因と検査方法について触れさせていただきました。
血尿の際に痛みが出ることはよくあるのですが、中には全く痛みが無いもの、そして見た目では血尿と気が付けないものまであるのです。
ある程度はっきりと症状が出ているのならすぐに病院に行くでしょうけれども、検査をしてみないと全く分からにものもあるので、自営業をなさっている方も定期的に病院で検査を受けるようにしましょう。
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