腎盂腎炎の治療は抗生剤を点滴で?授乳中は?期間や費用は?
抗生剤や点滴など腎盂腎炎の治療について
悪寒があり高熱を伴ったり、全身のだるさ、吐き気などを伴ったりする腎盂腎炎ですが、発症した場合の治療はどのようなものなのでしょか?
点滴による抗生剤の投与ということを聞かれた方もいるかもしれませんが、具体的な内容の他、治療期間や費用といったものも気になるところかと思います。
本記事ではこの腎盂腎炎について治療方法を中心にお伝えしたいと思います。
腎盂腎炎とは?
腎盂腎炎とは本来なら無菌状態となっている腎臓から尿道に至るまでの道の尿路に細菌が侵入してしまって、炎症が発生するといったものです。
この病気は女性がかかる確率が圧倒的に高く、男女比は1:30とすら言われております。
その理由は女性の方が男性に比べて尿道が狭くて肛門が尿道口から近いためにあります。
この病気は急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎の二種類があります。
急性のほうは名前の通り突然症状が出るもので、発症するまでも早く、発症した後に症状が落ち着くまでも早くなっております。
慢性のほうは持続的に炎症が発生しており、他の疾患の影響も考えられているものです。
また、生まれつき尿路に異常があり基礎疾患がある状態の人と基礎疾患が無い人に分類することもでき、基礎疾患がある人は複雑性腎盂腎炎と呼ばれ、基礎疾患が無く尿路の異常等が無い場合は単純性腎盂腎炎と呼ばれております。
急性の場合は単純性腎盂腎炎の確率が高いようです。
腎盂腎炎の治療は抗生剤で行う?
急性の場合は安静にしつつ抗生物質の投与や抗菌薬の投与で治療を行うようです。
症状が軽い方は自宅療養が基本となり、安静にしている状態で水分を取りつつ薬で治していくことになるでしょう。
だいたい、軽い人の場合は7~14日程度で服薬し続けると症状が軽くなっていくようです。
症状が重い方は入院が必要になることもありますし、点滴を行うこともあります。
細菌による感染症に該当するので、細菌の増殖を抑えて殺すために抗菌薬や抗生剤の投与を行うと思っていただければよいでしょう。
ただし、他の病気を誘発している場合はその治療法のみでは治らないので、それぞれの病気に対応した形の別の治療を用いられることもあります。
点滴で行う?
嘔吐症状がひどくなく薬が普通に飲めるぐらい体調が安定している人は抗菌薬といった薬を使うことが推奨されていますが、それらの薬の効果が薄い場合や、そもそも吐き気が酷く薬を飲めるような状態ではないときに点滴が用いられるようです。
点滴で栄養補給というよりも、点滴で抗菌薬の投与を行うというのが基本かと思います。
ただ高熱がある時などは、普通に食事をすることもできないでしょうし、薬を飲むことも困難なので、点滴を行うことがあるようです。
人によってはできる限り早く治るというイメージから自ら率先して点滴を使うことを依頼することもあるようですが、症状が軽い場合は治療を必要としないこともあるとのことなので、医師とよく相談して点滴治療を行うのかどうかを判断されると良いかと思います。
授乳中での腎盂腎炎の治療はどのように行う?
授乳中でも治療における考え方は同じで、あくまで抗生剤や抗菌剤を用いたものが基本になります。
ただし、授乳中はそれらの薬の成分が母乳に移行してしまう恐れがあるので、使える種類が減ってしまうようです。
この使っていい薬かどうかの判断は医師によって異なることもあるので、まずはかかりつけの医師に聞かれると良いでしょう。
以下に紹介するクラビットの例だと「そこまで心配する必要はないけれど、可能なら使わないほうが良い」という意見以外にも「短期間ならばそこまで神経質にならなくても良い」というものもあり、医師や薬剤師によって意見が異なることもあるので、信頼できる医師に確認されるのが良いかと思います。
治療では入院が必要?
症状が軽い場合は自宅療養が可能であり、薬も多く用いない病気ではありますが、症状が重く嘔吐症状や熱がひどく普通に食事ができないような状態になってしまっている方は入院が必要となってしまうでしょう。
この場合は入院して点滴による抗生剤投与や栄養剤の投与が行われるのではないかと思います。
症状の重さ次第で入院するかどうかは変わってきますので、まずは医師に相談してみましょう。
入院は必須ではなく治療方針の一つと理解しておくとよいと思います。
治療期間や治療費は?
この腎盂腎炎の治療期間は7~14日となっており、症状が軽い方はもっと早く治ることもあります。
逆に症状が重く入院が必要の方は治療期間も当然伸びてしまうので、この数字はある程度の目安と捉えるようにしてください。
また、急性の場合は突発的に症状が出るようになるので驚いてしまうこともあるでしょうが、しっかりと治療をしないで放置してしまうと繰り返し再発するようになり、慢性の腎盂腎炎に移行してなかなか治らなくなり治療期間も非常に長くなることもあるので、急性腎盂腎炎でも放置しないようにしてください。
この病気は放置すると腎機能の低下が発生し、全身に細菌が巡るようになって敗血症になってしまう恐れもあるので、最悪の場合命に関わることもあるのです。
特に、慢性の場合は、はっきりとしない症状が続くので気が付かないことが多く、急激に悪化して初めて「自分の体がおかしい気がする」と気が付くことがあるので、高熱や腰の痛みを感じたのなら念のため病院で診てもらうとよいでしょう。
検査方法は?尿検査でわかる?
腎盂腎炎が疑われた場合は、基本的には尿検査・採血・超音波検査が行われます。
それ以外には、腎臓のあたりを軽くたたいて痛みがあるのかどうかを確認する診察方法もあるようです。
必要に応じてレントゲン撮影やCTスキャンも行われるようです。
血液検査や尿検査でCRP・細菌・白血球などの状態がどうなっているのか、数はどうなっているのかを確認して状態を見ることになるでしょう。
細菌判定は抗生剤選択のために重要なので、治療のためには必須となっているようです。
ただし、腎盂腎炎の治療を行ったのに繰り返し発症する場合や、適切な治療を行っているのになかなか治療がはかどらない場合は別の病気になっている疑いもありますので、そちらの検査も並行して行われることがあります。
何科を受診する?
腎盂腎炎になってしまった場合は「腎臓内科」や「泌尿器科」に行くことになります。
内科でも診てくれるとは言われておりますが、選択肢の順番を確認してみると腎臓内科>泌尿器科>内科となっているようです。
でも最初は自分で腎盂腎炎かな?と思ったりはできないでしょうから、かかりつけ医に行くことになるかと思います。
治療薬の副作用は?
腎盂腎炎の治療薬にも副作用はあります。
その治療薬の中の一つがクラビットになるでしょう。
これは様々な感染症の菌を滅する効果があるので、腸チフス・パラチフス・コレラ・バルトリン腺炎など幅広い病気に使えるものとなっております。
この薬は非常に効果的ではありますが、副作用として喉の渇き・発疹・日光過敏症・下痢・軟便・嘔吐・食欲不振・腹痛・消化不良などの症状が出ることがあるそうです。
これらの副作用が出たのならすぐに医師に相談するようにしてください。
他にもニューキノロン系抗菌薬を使った人の中には、副作用でカンジダになりとてもかゆく爛(かぶ)れてしまったという方や、アレルギー反応が発生して蕁麻疹が発生してしまったという方もいました。
腎盂腎炎につきましては次のページやサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では腎盂腎炎について色々とお伝えしてまいりました。
女性に多い病気で、男性がかかるのは稀なものとなっております。
重症になるとリスクが大きいので、発熱や膀胱炎の症状が出たのなら、できる限り早く医師に診てもらいましょう。
膀胱炎と症状が似ており、判断が難しいかもしれませんが、こちらは発熱が引き起こされることが多いというのが最大の違いとなっているので、発熱があるのなら腎盂腎炎を疑ってみましょう。
前立腺炎の可能性も男性の場合ならあります。
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