胃潰瘍の手術の方法は内視鏡?手術時間や費用・入院期間について
胃潰瘍の手術時間や費用・方法について
胃潰瘍の手術方法は内視鏡を用いたものと言われていますが、その他にも方法はあるのでしょうか?
また手術の費用はどの程度かかるものなのでしょうか?
まさか自分が胃潰瘍になるとは思わなかったという方も多いと思います。
万一なってしまった場合に備えておけるといいですね。
本記事では胃潰瘍の手術の方法は基本的に内視鏡であるのか?また手術時間や費用、入院期間はどの程度になるのかについて記載したいと思います。
胃潰瘍の手術の方法は内視鏡?
胃潰瘍で潰瘍部分から出血が確認された場合、出血の量にもよりますが内視鏡を用いて注射による止血やクリップによる止血、レーザーで焼く止血治療を行います。
これ以外にも胃潰瘍の検査においても内視鏡を使って行います。
この内視鏡検査で潰瘍の進行度や深さを診断して、さらには症状の原因が胃潰瘍なのかを確認します。
また、この検査中に組織の採取を行ったりすることもあります。
ここで採取した組織はピロリ菌に感染しているかの検査や胃潰瘍になった病変が胃がんではないのかの確認を行うために用いられます。
検査方法はこの内視鏡検査以外にも問診・触診・バリウム造影検査があります。
手術の時間は?
どの病気にも言えることですが、手術の時間は症状の進行度によって変わってきます。
手術の内容は出血が進んでいる場合は止血治療になるので、止血を早くすることができればその分手術は早く終わるでしょう。
具体的な例として「出血性胃潰瘍に対する緊急止血手術小切開開腹による直視下縫合止血術小切開開腹による直視下縫合止血術」の文献で、手術の平均時間は53分いう記述がありました。
この文献から見ても開腹手術そのものの時間はそこまでかからないということが分かりますね。
費用について
もし手術になってしまった場合は健康や体調が最初に気になる部分とはなりますが、その問題が過ぎ去った後に気になってくるのは手術費用ですよね。
胃潰瘍の場合、入院期間も含めたら、だいたい15万円から20万円程度が相場となっているようです。
ここで高額療養費制度の適用を受ければ先ほどの費用よりも負担金額は下がります。
もし手術が必要ない場合は処方される医薬品を服用する治療になり、費用的にはせいぜい1万円から2万円程度の出費に収まるようです。
入院期間は?
入院期間も胃潰瘍の症状が重かったかどうかで変わってきますが、出血症状が出ている場合は約2週間はかかると言われております。
何故こんなにかかるのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、重い胃潰瘍では出血の症状が出るので血が失われており血液を補充する必要があるからです。
そのため入院中は病気を治す+出血がないかを見る+失われた血液を補充する期間になるということになります。
これよりも長くなるパターンは体力が少ない高齢者の方々や胃潰瘍の出血が多すぎた場合です。
高齢者の方々は基本的な体力が少ない方が多いため回復に時間がかかってしまいますし、出血が多かった人も血液の補充に時間がかかってしまいます。
それ以外の理由だった場合は、他の病気もかくれていて、胃潰瘍以外の理由で入院が延びているパターンでしょう。
日帰りで可能な場合も?
胃潰瘍による手術は開腹手術と内視鏡手術の二通りあり、開腹手術の方は内視鏡手術では手に負えないほどの出血や狭窄、穿孔などがある場合に用いられます。
ここで内視鏡手術の場合は患者がどうしても日帰りで帰りたいと伝えれば、出血がない状態なら通院は義務付けられるでしょうが帰宅を認められることもあるようです。
しかし開腹手術の場合は、日帰りは不可能でその後は確実に入院生活が待っているでしょう。
なのでここでの答えとしては比較的簡単な内視鏡手術で症状が軽めの場合は日帰りできる可能性があると思っていただけたらと思います。
胃を切除する場合もある?
胃の切除は胃がんで行われる可能性が高いということはほとんどの方々がご存じでしょうが、実は胃潰瘍によっても胃切除が行われる可能性があります。
実際に2002年に行われた調査結果ですが、胃切除手術が行われた割合は胃がんが72%で胃潰瘍と十二指腸潰瘍で22%となっていたので、以外と確率は高めです。
実際に胃切除の状態になってしまうケースは潰瘍におびただしいほどの出血が発生し、潰瘍がやぶれた時です。
しかし、現代医療ではたとえ潰瘍が破れたとしても内視鏡的止血技術が進歩しているため、穿孔部の閉鎖術も整い、胃の切除は非常に少なくなったと言われております。
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胃潰瘍は手術しないでも治る?
胃潰瘍による出血が少ない場合は基本的には薬物療法を行います。
この時たいていの場合はピロリ菌に感染しているので除菌治療と並行して行われます。
また非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の服用があるならばそれは中止するうようです。
まず、ピロリ菌を除去するために飲まれるのは抗菌薬とプロトンポンプ阻害薬になるようで、これらを用いて除菌することができれば再発する確率は一気に減るでしょう。
肝心の薬物療法は医師の指示を守り、きちんと服用すれば2~3週間で症状は軽くなります。
しかし自己判断で薬の服用を中止すると再発する危険性があるので、必ず医師に言われた期間はしっかりと服用するようにしましょう。
またストレスや生活習慣の改善も指摘されると思いますので、それらをしっかりと見直して再発する可能性を少しでも下げましょう。
胃腸風邪や下痢に関しては次のページを参考にして下さい。
手術後に気をつけるべきことは?
手術後に気をつけることは再発の防止です。
これは医師からも必ず言われることになるでしょうが、食生活や日常生活において胃潰瘍の原因となるものは取り除く努力をしましょう。
指摘事項として候補に挙がるのは、酒とたばこの禁止や暴飲暴食の禁止、刺激の強いものや早食いなどの胃に負担がかかることを控える、ストレス解消法の確保といったところではないでしょうか。
先に上げたものは全て胃潰瘍になる原因なので、その根本的なところを取り除くことから始めましょう。
その他にも消化を助ける調理をしたり、油物や繊維質を避けたりして胃に優しい食事内容を考えるのも有効です。
予防方法について
胃潰瘍の予防方法は原因となる食生活や日常生活を避けることにあります。
そのためにも下記のようなものを意識してみましょう。
・バランスの良い食事をする
・緑黄色野菜や果物を摂る
・白米よりも玄米、胚芽米を食べる
・濃い味をやめて薄味中心にする
・就寝3時間前には食事を終えるようにする
・噛む回数を増やす
・肉よりも魚介類を中心にする
・適度な運動をする
・酒を控える
・タバコを控える
・充分な睡眠をとる
・ストレス解消法を身に着ける
これ以外にもまだまだ候補は浮かびますが、とにかく胃に負担がかからない食生活をすることと、ストレスをためない生活をすること、さらには酒とたばこを控えることが重要と言えるのです。
胃潰瘍に関しましては次のページも参考にしてください。
胃潰瘍とストレスの関係や症状は?仕事が原因なら労災?
胃潰瘍の原因【ストレス・ピロリ菌・薬・酒・食生活・喫煙】
胃潰瘍の症状【背中・めまい・便秘・下痢・発熱】をチェック
胃潰瘍の食事治療は?納豆・そば・牛乳・お酒が良い?
胃潰瘍の症状や原因・治療法および薬の種類と副作用
胃潰瘍の手術等につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
徳洲会グループ 消化器内科の病気:胃・十二指腸潰瘍
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
今回は「胃潰瘍の手術の方法は内視鏡?手術時間や費用・入院期間は?」と題しまして、胃潰瘍の疑問を解消するべく様々なことをお伝えしてまいりました。
胃潰瘍の治療は医療が発達したために手術以外でも治る確率がかなり上がったので、症状が重くなる前に判明すれば薬物療法と生活改善でほぼ治ると言われております。
しかし治るからといってわざわざ胃潰瘍になる必要はもちろんないので、最初から胃潰瘍にならないような日常生活を心がけるようにしましょう。
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