インフルエンザで肺炎の併発も!球菌ワクチンの同時接種は?
インフルエンザ肺炎の症状や治療などについて
インフルエンザは単体でも怖い病気ですが、肺炎を併発させてしまう可能性もあるという、厄介なケースもあります。
そのためインフルエンザと合わせて肺炎を予防する球菌ワクチンを同時接種する人が増えてきているのです。
本記事ではインフルエンザで肺炎が併発することに備え、球菌ワクチンの同時接種を中心にお伝えしたいと思います。
インフルエンザで肺炎の併発も!
インフルエンザにかかることによって肺炎が併発する場合もあります(以下インフルエンザ肺炎と記載します)。
そしてこのインフルエンザ肺炎はインフルエンザによって死亡した事例のトップに該当するもので、特に高齢者はこの合併症による肺炎でお亡くなりになられた方が多数います。
種類としてはインフルエンザウイルスや他のウイルスによって肺炎が引き起こされたパターンと、インフルエンザによって弱ったために細菌の二次感染が起きたパターンの2種類となっています。
頻度が高いのが後者の細菌感染を併発したものなのですが、どちらにしても非常に危険なものと言えるでしょう。
インフルエンザと肺炎球菌ワクチンの同時接種について
インフルエンザ感染で死亡する事例としても多いのが肺炎になってしまうことなので、近年では予防接種を行う際に、インフルエンザと肺炎球菌ワクチンの両方を行う方もいるようです。
この時用意される成人用の肺炎球菌予防ワクチンは「ニューモバックス」というものになっていて、一度摂取すれば5年は有効と言われているものとなっています。
また、一度に同時接種ができるかどうかですが、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」は同時接種しても問題なしという医学報告が出ているので、同時接種を推奨している病院もあるようです。
ただし、本人の希望が無いと行わない病院や、同時接種を行っていない病院もありますので、予防接種を行う予定がある人は同時接種が可能かどうか確認してみてくださいね。
インフルエンザ肺炎の症状
インフルエンザ肺炎による症状は発熱・痰・咳・食欲不振・疲労感・悪寒・息切れといったところになります。
これは細菌による二次感染で発症するケースが多いので、インフルエンザの症状である熱や咳がいつまでも長引くと感じたら怪しいと思った方がいいでしょう。
また、細菌感染による肺炎の場合は湿性咳嗽(しっせいがいそう)という痰の絡んだ咳がよく出るようになり、その痰は粘性が強くどろっとした黄色や黄緑色となります。
症状が悪化すると呼吸困難やチアノーゼ(爪や唇、皮膚・粘膜が青紫色に変化してしまう現象)が発生することもあるので、注意してください。
ウイルス性の肺炎の場合は咳や熱以外にも鼻水といった症状が出てきますが、後遺症の心配はないようです。
また、細菌による二次感染は免疫力が低い人がかかりやすいものとなっているので、子供・幼児・高齢者が発症する可能性が高くなっているのです。
治療について
インフルエンザ肺炎は細菌性かウイルス性かによって治療法が変わってきます。
細菌性の場合は細菌を退治するために抗菌剤投与が行われるでしょう。
ウイルス性の肺炎だった場合は明確な治療法が存在せず、二次感染を防ぐために抗生剤を投与する程度におさまります。
また症状の出方によっても治療法が異なり、咳がひどいなら咳止めの薬を処方され、熱がひどい方は解熱剤を用いることになるでしょう。
もし、症状が重症化して呼吸困難が起こった場合は気管支拡張剤を処方しつつ、場合によっては点滴を行うこともあります。
入院する?期間は?
インフルエンザ肺炎の症状が重くなってしまった場合は入院する必要性が出てきます。
特に抵抗力が低い幼児や高齢者は入院するケースが多いのです。
仮に入院した場合、治療期間は通常なら1週間程度で済みますが、入院するほど重症化している場合はもう少しかかって10~14日程度かかることもあるようです。
ただし、入院してからの回復が早い人は入院当時は症状が重い方でも5~7日で退院する人もいるようです。
一方、集中治療が必要なレベルで症状が重い場合は14日以上かかることになるでしょう。
人にうつる?
まず、肺炎にはうつる肺炎とうつらない肺炎があります。
うつらない肺炎はアレルギーやカビまたは薬による肺炎でこれは発症したとしても人にうつすことはありません。
他にも風邪をこじらせてなってしまった肺炎もうつり難いと言われています。
逆に、細菌やウイルスによって引き起こされている肺炎はうつる可能性があります。
つまりインフルエンザ肺炎はうつる可能性があるということですね。
わかりやすく言うと、一昔前に大騒ぎになった重症急性呼吸器症候群のSARSもうつる肺炎の一つとなっています。
高齢者や子供がなりやすい?
インフルエンザは多くの方々に感染する年齢問わずのウイルスではありますが、重症化してインフルエンザ肺炎にまで発展するのは、免疫力や体力が成人よりも低い子供や老人となります。
インフルエンザになった後に、いつまでたっても咳が止まらないという場合はインフルエンザウイルスが肺に到達している可能性があるのです。
もともと、インフルエンザに感染すると気道の表面の細胞が次々と破壊されてしまうので細菌が肺に侵入しやすい状況になりますので、インフルエンザになって弱っているところを肺炎球菌などの細菌が侵入して肺炎になってしまうケースがあるのです。
これは二次感染による肺炎なのですが、インフルエンザで弱っている状態で襲ってくる病となりますので、重症化するケースが非常に多く、最悪の場合、死亡してしまう恐れもあります。
実際に、インフルエンザで肺炎になるケースは、インフルエンザウイルスによって引き起こされるよりも、インフルエンザによって弱っているところを肺炎球菌や黄色ブドウ球菌が侵入してくるケースの方が多いので、インフルエンザ関連死も二次感染による肺炎が多いようです。
肺気腫とインフルエンザ肺炎について
肺気腫とは「肺胞」の組織が壊れて、肺にある溜まった空気を押し出せなくなってしまう病気です。
この肺胞とは酸素と炭酸ガスの交換を行っている部分で、肺気腫になるとこの肺胞が破壊されて数が減っていき肺がスカスカになります。
そして、この肺気腫や気管支炎といった慢性的な肺の病気がある人は肺炎の原因となる肺炎球菌を多く持っているので、肺炎になりやすくなってしまうのです。
つまり、この肺気腫になっている人がインフルエンザになってしまうと、二次感染を引き起こして肺炎になりやすいということです。
インフルエンザは自然治癒させるのが良い?
インフルエンザは発症してから48時間以内に抗生物質を飲むことで症状を軽くさせることができますが、それ以降はその対応もできなくなるので対症療法が基本となります。
つまり発見が遅れたインフルエンザは、病院に行く理由が薄れてしまうということになります。
そうなると、自然治癒させる方に走る人が多くなるのですが、それは体力がある人に限定したほうがいいでしょう。
実際に体力がある人なら回復するのも早くなって1週間もあれば完治する人が多いのですが、逆に乳幼児や高齢者は体力がなく重症化するケースも多々あるので、自然治癒はおすすめできません。
そのため、体力がある若い年代の人なら自然治癒でもいいでしょうが、それ以外の年代の方は病院に行って対処してもらいましょう。
肺炎に関しましては次のページも参考にしてください。
インフルエンザによる肺炎につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
NPO法人 セルフメディケーション推進協議会 かぜ症候群、インフルエンザと肺炎について
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
本記事ではインフルエンザで肺炎が併発した場合に備え、球菌ワクチンの同時接種は可能なのかを中心にお伝えしました。
インフルエンザにおける予防接種と合わせて肺炎の予防接種も問題ないものとなっているので、日本でも同時接種に対応している病院が増えてきています。
これは、わざわざ病院に二回行くのが面倒と思っている方には朗報となるでしょう。
特に抵抗力が低い子供や高齢者の方は感染する可能性が高いので、うまく利用してインフルエンザと肺炎にならないようにしてくださいね。
また、体力がない人が自然治癒させるのも怖いものがあるので、インフルエンザのような症状がでた場合は1度は病院に行くようにしてください。
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