嘔吐下痢症【成人】の症状や感染経路は?食事や治療法は?
嘔吐下痢症の潜伏期間や治療する病院は何科か?
成人した大人においても嘔吐下痢症を発症することは勿論あり、感染経路や潜伏期間を気にされている方や、感染した場合の食事の内容や治療方法はどのようなものなのかを気にしている人もいらっしゃるでしょう。
引き起こすと非常にしんどいかと思います。
本記事では、大人の嘔吐下痢症に纏わる情報をお伝えしたいと思います。
成人の嘔吐下痢症の症状は?
嘔吐下痢症はだいたい30分おきに嘔吐を行うことになり、1日で20回程度繰り返すことになるでしょう。
下痢の症状も出るようになり、腹痛も伴ってくるのでかなりしんどくなります。
また、この嘔吐下痢症には細菌性の腸炎になってしまって引き起こされるものと、ウイルス性の腸炎によって引き起こされるものがあり、それぞれ症状が異なります。
まず、感染型の細菌性腸炎の場合は感染後1~4日で症状が発生し下痢・腹痛・発熱といった症状が出るようになるでしょう。
次に毒素型の細菌性の腸炎もあり、この場合は食後2~24時間後に発症し悪心・嘔吐・腹痛・下痢といった症状が出ますが熱はあまり出ないようです。
次にウイルス性腸炎の場合はノロウイルスやロタウイルスが原因で、吐き気や下痢や熱といった症状が出るようになるでしょう。
感染経路および潜伏期間は?
嘔吐下痢症の感染原因は多岐にわたり、それぞれで潜伏期間や感染経路も異なります。
まず、細菌性腸炎の感染型の場合はサルモネラ菌なら豚肉や生卵といったものを摂取したら感染するようになり、O-157の場合は生肉や半生の肉が原因で発症するようになるでしょう。
毒素型の黄色ブドウ球菌の場合はおにぎりや寿司などで感染するようになりますし、ウェルシュ菌ならシチューの加熱不足で感染することがあります。
ウイルス性腸炎ならシジミやアサリや牡蠣などの二枚貝から感染し、感染した人の便や嘔吐物、または汚染されたタオルや飲料水から感染してしまうでしょう。
アデノウイルスの場合はプールの水や接触感染でうつされることもありますし、空気感染でうつされることもあります。
細菌性腸炎の感染型なら潜伏期間は1~4日で、毒素型なら2~24時間、ウイルス性腸炎のノロウイルスやロタウイルスなら1~2日が潜伏期間となるでしょう。
嘔吐下痢症の食事療法について
下痢や嘔吐症状が続いているのなら食事を無理にとる必要はありません。
胃腸を刺激することで嘔吐に繋がりかねないので、ひどい時は食事を控えたほうがいでしょう。
ただし脱水症状には気を付けてください。
ある程度食べられる状態になったのなら、消化の良いおかゆや雑炊といったものから食べるようにすると良いでしょう。
特に注意すべきは嘔吐症状なので、嘔吐症状が弱まったのなら下痢症状が続いたとしても食事は早期再開した方が良いと言われております。
ただし、甘すぎるものや脂が濃すぎるもの、そして牛乳といったものは避けるようにしてください。
下痢症状の場合も消化の良いものを食べて、油分の多いものや乳製品は避けましょう。
治療法について
これは症状によって薬が効くかどうかが異なるので、どのような菌やウイルスが原因でこれらの症状が出ているのかをまず調べることから始めます。
細菌性の場合は抗菌薬を使用することもありますし、抗生物質を投与することだってあるでしょう。
しかし、ウイルス性の場合は薬が効くものではないのでウイルスが体外に出るのを待つしか方法は無いのです。
ノロウイルスやロタウイルスには特効薬がないので脱水症状が悪化したりしないように対処療法が基本となってきます。
これらのウイルスで発症している時はブドウ糖が入っている経口補水液といった吸収率の高いものを使って水分補給すると良いでしょう。
嘔吐や下痢の症状がひどいのなら、この経口補水液を使って脱水症状を防ぎましょう。
病院は何科に行く?
嘔吐下痢症のような食中毒が原因の症状は消化器科に行くのがベストですが、消化器科はそこまで多い科ではないので最寄りにないという方も多いでしょう。
そのため、内科でも問題ないと言われております。
その内科がかかりつけの医師でしたら安心できることでしょう。
特に、激しい下痢による脱水症状とか嘔吐症状が何度も続いているのなら嘔吐下痢症を疑ってすぐに病院に行くようにしましょう。
3日前以降に食べたものが何かを聞かれることも多いので、スムーズに答えられるようにしておくと良いでしょう。
治るまでの期間は?出勤は停止?
ノロウイルスといったものに感染して嘔吐下痢症になってしまった場合は出勤停止期間が定められていないので、会社によっては出勤するように指示されることもあるでしょう。
ノロウイルスやロタウイルスのような感染力が非常に強いものであったとしても、会社次第では出勤の可能性はあるということは認識されておくと良いかと思います。
反対に休むことが決まっているところもあるので、しっかりと会社に確認するようにしてください。
個人的には、嘔吐下痢症の原因となったウイルスを移さないようにするためにも、5~7日程度は自宅で安静にしたほうがいいと思っております。
これらのウイルスは症状が出ていなかったとしても、便内に残ってしまっていることが多くそこから感染させてしまうことがあるのです。
細菌性の場合は二次感染しないものが多いのでそこまで気にする必要はないでしょうが、ウイルス性のものは感染力が非常に強いので、無意識にうつしてしまうことがあり、治ってすぐに出勤するのは避けたほうがいいものなのです。
嘔吐や下痢をした時の消毒や洗濯は?
嘔吐下痢症は原因菌やウイルスによってはアルコール消毒ができないので、細菌を殺しきれない可能性が出てきます。
そのため、まずこれらの症状が出た場合は原因が何なのかを特定することから始めてください。
そして、ノロウイルスやロタウイルスといったものが原因だったのなら、塩素系消毒剤を使って消毒するようにしましょう。
50倍に薄めた家庭用塩素系漂白剤を浸したペーパータオルで拭けば十分な消毒となります。
トイレのノブや床といった部分もしっかり消毒しましょう。
ただ単に洗濯すれば綺麗になるものではないので、しっかりと消毒してください。
他にもアルコールでしっかり消毒できるものや熱でほとんど除去できるものもあるので、まずは原因が何なのかを病院に行って診てもらいましょう。
予防法について
嘔吐下痢症の予防法はキチンと手洗いをすること、うがいをすること、汚染処理を感染しないようにマスクやエプロンを使い捨てのものを使用して対処すること、そして生肉といったものを食べないようにしっかりと加熱することといったところでしょう。
至って基本的なものですが、これらを徹底して行わない限り予防することはできないと考えた方がいいです。
特に、嘔吐下痢症は看病している人にうつってしまうというケースが多いので、しっかりと対策をして吐瀉物(としゃぶつ:嘔吐と下痢)処理やトイレのケアを行うようにしましょう。
熱・嘔吐・下痢といった症状が出ないようにしっかりと予防をしてください。
感染しても免疫力が高ければ嘔吐下痢症にならない?
細菌が繁殖しやすい時期になるとよく騒がれるのが食中毒ですが、人によっては一緒に同じ食事をしたけど全く症状が出ないという方もいます。
その最大の違いは免疫力の差です。
免疫力が高い人は細菌が繁殖しにくい状況が体に備わっているので、嘔吐下痢症になりにくい状態になっております。
同じように、嘔吐下痢症を引き起こすロタウイルスやノロウイルスも免疫力が高ければ発症する確率は低くなると言われております。
しかし、嘔吐下痢症は免疫力の低い小さな子供ほど発症する傾向にあるので、幼いうちは防ぐのは大変かもしれません。
ある程度の年齢になった大人の方々は、発症させないように健康的な生活をして免疫力が高い状態を維持するのが予防法の1つとなります。
嘔吐につきましては次のページも参考にしてください。
嘔吐下痢症につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
医療法人 徳洲会 大隅鹿屋病院 嘔吐下痢症について/【内科】岡部家孝
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では、嘔吐下痢症について考察してまいりました。
嘔吐下痢症は原因が多く、どの細菌やウイルスによって引き起こされているのか、すぐにわかるものではありません。
そして、その原因によっては薬による対応もできずに対処療法が中心になってしまうことだってあるでしょう。
そうなると、しばらく苦しむのは避けられないので、できる限り発症しないようにすることがベストとなります。
皆さんもうがい手洗いは徹底的に行ってくださいね。
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