境界性人格障害の症状や特徴・原因!チェック・診断法は?
境界性人格障害の方の受診する病院や仕事・恋愛など
境界性人格障害は自分では気が付かないうちに他の人たちに影響を与えるものであり早めに特徴を察知して原因を見つけ出し症状を抑える必要があります。
そのためにも、チェック方法や診断方法を理解しておくことが大切です。
本記事では境界性人格障害における症状や原因を中心に伝えしたいと思います。
境界性人格障害の症状・特徴は?
境界性人格障害は気分の波が他の人たちと比べると圧倒的に激しくなってしまうことで、急に怒り出してしまったり泣き出してしまうようになる人格構造上の障害です。
感情がコントロールできなくなってしまうことで対人関係を構築するのが極端に苦手になり、最悪の場合は自傷行為にまで発展します。
その特徴は、見捨てられることに非常に敏感になってしまうのでちょっとしたことで相手から見捨てられたと感じてしまい、相手から見放されないように極端な努力を始めてしまうようになります。
また、感情の起伏が激しいので強いイライラ感が発生し癇癪(かんしゃく)が発生しやすいのも特徴と言えるでしょう。
薬物や過食といった自己を損なう行為に走りやすく、生きていることに対して幸せを感じにくくもなるので、自傷行為を繰り返すようになってしまいます。
一部の人は強いストレスがかかった時に記憶障害が発生する人もいるようです。
原因について
非常に厄介な境界性人格障害ですが、その厄介と言われる大きな理由が原因不明なところでしょう。
環境的要因・遺伝的要因・社会的要因・脳の機能的要因等が考えられておりますが、明確な原因特定はできていないようです。
例えば、脳の前頭前野の機能が低いと境界性人格障害が発生しやすいと言われているので、そのことから脳の機能的要因と推測されることもあります。
前頭前野が機能しないと不安など感情のコントロールが難しくなると言われているので、そのことからきているのでしょう。
他には親からの遺伝も考えられているようですが、この説はそこまで有力ではないと言われているようです。
あとは、環境要因として母親がうつ病や不眠症になっており子供に愛情をうまく示すことができない状態になっていると成長後に境界性人格障害になってしまう確率が高くなると言われております。
また、統計学的にはアメリカでは1960年代以降、日本では1980年代以降急増しているとのことですので、今の先進国は家族との触れ合いがうまくできずに悪影響を受けてしまい境界性人格障害になりやすくなったと考えると、社会的要因も大きいと言えるでしょう。
チェック・診断方法は?
これはアメリカでも大きな問題となっている症状なので、アメリカの精神医学界が「精神疾患の分類と診断の手引き」というものを発表しており、それを参考にするといいでしょう。
9個ある症状のうち5つ以上当てはまるなら境界性人格障害と考えられるようです。
その基準は以下の通りです。
1.現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力
2.理想化とこきおろしの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係様式
3.同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像または自己感
4.自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、むちゃ食い)
5.自殺未遂、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し
6.顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い不快気分、いらだたしさ、または不安)
7.慢性的な空虚感
8.不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかを繰り返す)
9.一過性のストレスに関連性した妄想様観念または重篤な解離性症状
(境界性パーソナリティ障害の診断基準より:http://bpd.nerim.info/diagnosis/dsm.html)
病院を受診する時は何科?
境界性人格障害の人は基本的に精神科や心療内科の受診となります。
総合病院でもこの二つのどちらかは存在しているところが多いので、場所が特定できなかった場合はとりあえず総合病院に行くといいでしょう。
この精神科という名前も病院ではちょっと異なることがありますが、行われることはほとんど変わらないようなので、精神科のようなところと心療内科に行ければ問題ないと思ってください。
病院ではなくクリニックに行く予定がある方はメンタルクリニックに行くとよいでしょう。
メンタルクリニックの数も増えてきているようなので、見つけやすい環境が整いつつあります。
治療方法は?
治療の方法は精神科医や臨床心理士によるカウンセリングや必要に応じて抗うつ剤や抗不安薬などの薬を用いての治療になるようです。
ただし、薬を使った場合でもウイルスや細菌によるものと違って、すぐに回復するものではないということを理解してください。
また薬物療法は過量服薬の危険性があるため基本は精神療法となると思われます。
感情をコントロールする方法などを見つける心理療法も大切になるのでじっくりと慌てずに治療を続けましょう。
ただし、途中で本人のやる気が無くなると全てが台無しになってしまいますので、必ず患者側も治りたいという気持ちを持って行動していただけたらと思います。
境界性人格障害の方の仕事について
基本的に境界性人格障害の人は高確率で人と衝突します。
そのため対人関係を構築する必要がある場所は極端に苦手です。
つまり、人間関係が大切な仕事はほとんどが難しいものとなってしまうということになります。
そのことを考えるとできる限り人と接しない仕事をするのがいいでしょう。
それこそフリーランスで動けるような在宅ワークでお金を稼ぐという方法もあります。
ハンドメイドでアクセサリーや小物を作って、自分が作ったネットサイトやインターネットオークションで売って生活するのも良いと言えるでしょう。
境界性人格障害の方は会社で仕事をすると、かなり高い確率で人と衝突しますので、この症状が治まるまでは他に収入を得る手段を用意した方がいいように思います。
ただし、本人の集中力を発揮できる職場なら力を発揮できる可能性もありますので、自分が境界性人格障害であったとしても才能を生かしてくれるところを探すのも良いかもしれません。
恋愛について
境界性人格障害の人との恋愛は率直に申し上げて非常に大変です。
離れることをとても嫌がりますので、そこから暴力や暴言に発展し喧嘩になる確率が高く、通常の恋人よりもトラブルが絶えないでしょう。
過干渉される可能性も高いので、その態度についていけるかどうかをまずは判断されると良いと思います。
境界性人格障害の方は、まずは治療をすることで新しい自分を手に入れることから始められると良いでしょう。
境界性人格障害と離婚について
境界性人格障害の人は普段はおとなしくても些細なことで機嫌を損ね、突然暴力的な人になってしまったりします。
そのため、結婚をした後に相手が境界性人格障害であることに気がついて、離婚を考え始るという人はそれ相応にいるようです。
しかし、すでにある程度の依存が始まっていると、非常に離婚をするのが難しい状況となってしまうでしょう。
境界性人格障害の人は自らの状態を冷静に客観的に見ることができなくなる傾向にあるので、もめるケースが多いようです。
従いまして離婚に向けての行動を起こす際の参考としては、まず第一段階として、依存を解くための行動を起こします。
別居をするなど相手との距離を置きます。
第二段階は、連絡方法や婚姻費用等のルールを定めます。
定めたルールは必ず守りましょう。
ここで自らルールに背いてしまうと、次の段階に入ることができません。
ルールが浸透すると、相手は次第に落ち着いてきます。
第三段階は、いよいよ離婚にむけた説得に入ります。
参考:阿部オフィス:境界性人格障害:URL http://abe-jim.com/index_news5.htm#point4
境界性人格障害の方への対応・接し方
境界性人格障害の最大の特徴は周囲の人への影響が大きいことです。
患者自身もなのですが、周りの方も振り回されがちになり疲れてしまい、助けようという気持ちが薄れてしまう傾向にあります。
接する側は中途半端が一番良くありませんので、できないことはできないというはっきりとした態度で接した方がいいでしょう。
暴力を振るうというトラブルに発展したのなら警察や医療機関との相談も考えて距離を置きましょう。
夜は会わないとか相談を受けるのは日中のみなどの境界線づくりやルールづくりが有効ですので、近寄り過ぎないことが重要になります。
境界性人格障害に関しましては次のページやサイトも参考にしてください。
境界性人格障害の方への対応方法【家族・ママ友・職場・恋人など】
医療法人一尚会 境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では境界性人格障害について記載してまいりました。
この境界性人格障害は20代の女性に非常に多いのですが、30代になると急激に発症者が減ります。
これは時間が経過することで症状が治まっているサインなのです。
これらのことを考えると、距離を取って見守るようにすることが最も安全であり、有効な対策と言えるのではないでしょうか。
LEAVE A REPLY