慢性疲労症候群のチェック項目や診断基準!うつとの違いは?
慢性疲労症候群の症状や原因・受診する病院について
いくら休んでもなかなか体力が回復しないという方は慢性疲労症候群の可能性があります。
うつと似ているため勘違いされがちですが、症状をチェックして診断基準と照らし合わせ原因を探ると違いも見えてくるでしょう。
本記事では慢性疲労症候群のチェック項目や診断基準を中心にお伝えしたいと思います。
慢性疲労症候群とは?
慢性疲労症候群とは通常の疲労よりも圧倒的に重い極度の疲労、それこそ身体を思い通りに動かすことすらできないレベルの疲労が6ヶ月以上にわたって続き、日常生活が普通に送れなくなる病気のことです。
厚生労働省科学研究からの発表によると日本人でも0.3%の人が発症しており、38万人もの人が苦しめられているようです。
もちろん、これは日本人だけの固有の病気ではなく世界中に患者がいてその比率はだいたい0.2~0.7%と言われております。
この病気は1980年代の後半にアメリカのとある地域で多発したことによって注目されるようになったもので、この病気の主な症状である慢性疲労を病名に用いたものとなっているのです。
健康な人が風邪をひいたと思ってある程度の休みをもらったのに、いつまでたっても治らずに困っていて検査をした結果発覚したというケースもたびたびあります。
慢性疲労症候群の症状のチェック項目・診断基準は?
慢性疲労症候群は世界規模で悩まされている病気であるため、その判断基準などもその時代に合わせて更新されております。
より具体的に確認するとこの厚生労働省(旧厚生省)のホームページにある診断基準を見るのがベストでしょう→厚生労働省(旧厚生省)慢性疲労症候群診断基準
世界基準における考え方と日本基準における考え方ではちょっとした違いはありますが全体的な捉え方はほぼ同じとなっております。
日本での慢性疲労症候群の定義は「6か月以上持続する原因不明の全身倦怠感を訴える患者がとある前提を満たしたとき」となっているので、日本の医療機関はこれを主に基準にしているのでしょう。
この前提には慢性疲労をきたす疾患を除外するとか、そこから休養をとっても回復しない等の判断を入れているので、判断はしやすいでしょう。
細かい診断基準として労作後疲労感・筋肉痛・多発性関節痛(腫脹はない)・頭痛・咽頭痛・睡眠障害・思考力・集中力低下・微熱・頚部リンパ節腫脹・筋力低下などのわかりやすいものもありますので、疲労がずっと抜けないという方はこれらにいくつ当てはまるのかを確認してみてください。
日本の判断基準ではこの10個のうち5つ以上が当てはまったら認められるようです。
うつとの違いは?
心療内科でも高確率でうつ病に間違われるほど症状が似ており、医師も頭を悩ませております。
しかし、これらは明確に違う病気であり、人によっては併発することすらあるでしょう。
いわゆる糖尿病と風邪を併発するようなものです。
しかし、診断基準において「双極性障害・精神病性うつ病などを併発している場合は除外する」という明記があるため、うつ病と診断されたらそちらの治療を優先されるのでしょう。
違いを説明すると、まずうつ病は発症の原因がわからずに突発的に出てきますが、慢性疲労症候群は熱やのどの痛みといった風邪のような症状から発症します。
また、症状も異なりうつ病は精神的状態がひどくなり慢性疲労症候群の人は身体的にひどくなります。
そして、うつ病は人間関係が原因のことも多く人付き合いが嫌いになりますが慢性疲労症候群の人は自分の苦しみを誰かに理解してもらいたいという考えが出ることが多いとのことです。
また、メンタル面での違いも大きいでしょう。
うつ病は全ての事柄に興味が無くなりますが慢性疲労症候群は動けないだけで意欲は減らないのです。
そして治療方法もうつ病なら抗うつ薬が効果的なのですが、慢性疲労症候群の場合は病気そのものに効果がなく治療法が一貫されていないという点もあります。
原因について
日本でも10万人以上の人たちを苦しめている慢性疲労症候群ですが、原因の特定はまだできていないようです。
そのため、原因を取り除くことで改善に向かわせるといった段階には至っておらず、色々と試行錯誤をしている段階が続いていると考えてください。
今のところ推測されている原因は、ウイルスや細菌による感染・ホルモン異常・免疫機能障害・アレルギー症状・ストレス・栄養不足・低血圧など、非常に多岐にわたっており、特定できていないことがよく分かる状態となっております。
一時期はコルチゾールなどのホルモン分泌量が低下していることが、何らかの関係があると推測されていたのですが、その低下している量も正常範囲内のことだったので違うと結論付けられてしまったようです。
治療方法について
慢性疲労症候群の治療方法は定まっておりません。
原因が特定できていないので、その対処法も特定できないのですが、それでも症状に合わせて緩和させる治療が行われるため、改善策が無いわけではないのです。
その中でも多いのが漢方薬などを用いた薬物療法となります。
体の免疫力が慢性疲労症候群の方はかなり低下しているので免疫力を高めるのには漢方が選ばれることが多いようです。
しかし、これも100%効果があるというわけではないので、その場合はストレス等が原因と判断してストレスを解消する方法を実行するようになります。
つまり、治療方法は色々とあるということです。
名前を少しあげるだけでも薬物療法・認知行動療法・ペーシング・段階的運動療法・非薬理療法などありますが、医師のカウンセリング結果に合わせて治療を行うことになるようです。
慢性疲労症候群改善のための生活習慣
慢性疲労症候群になってしまった人は、できる限り何もしたくない状態になってしまいますが、休息するだけでは治らないという
意見が多いです。
慢性疲労という言葉を聞くと、しっかりと休めばある程度改善するというイメージがついておりますが、実質的に慢性疲労症候群と慢性疲労は異なります。
慢性疲労症候群の方は脳の炎症が発生することで機能低下が起こるため、まずは脳をしっかりと休める状況を整える生活を送ることが大切です。
いくら体を休めても、仕事のことばかり考えるような休み方では脳は休まりませんので効果は薄くなります。
この脳を休めるために重要なことが、メリハリをつけた日常を行うと言うことです。
いつまでもダラダラと仕事脳になってしまうのは良くありませんので、休むときは休む、体を動かすときは動かすというメリハリをつけた生活習慣を身につける必要があります。
病院は慢性疲労外来科を受診する?
慢性疲労症候群を診断するのが非常に難しい病気ではっきり言って何科に行けば100%特定してもらえるといった病気ではないようです。
例えば、心療内科に行ってこれらの症状を説明したところで高確率でうつ病とか更年期障害と診断されてしまうでしょうし、内科に行って症状を説明したとしても風邪と診断される可能性が高いと言われております。
そのため、結論として慢性疲労症候群に対する知識が深い人、専門医がいる病院を診察するのが良いでしょう。
何科という考えではなく、専門の医師がいるかどうかで判断されると良いと思います。
病院の探した方としてはこのリンク先を使うのがベストではないかと思います(http://byoinnavi.jp/g26)。
「病院なび」では慢性疲労症候群の治療が可能な病院を表示してくれるので、ここで探すのが最良だと個人的には感じております。
慢性疲労症候群になった場合の仕事について
慢性疲労症候群になってしまった人は治療期間が年単位になることが多く、仕事を辞めてしまっている人もたくさんいます。
ベストなのが少し休んで良くなったら仕事に行くとか、長期の休みをもらうとかの対応になるのですが、医者の診断さえあれば会社によってですが長期休暇を認めてくれるところもあるでしょう。
会社によって長期休暇がどこまで申請できるのかなどは異なってくるでしょうが、大きな会社でしたら福利厚生などがしっかりしているので認められることの方が多いでしょう。
慢性疲労症候群に関しましては次のページも参考にしてください。
慢性疲労症候群の診断基準につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
厚生労働省(旧厚生省) 慢性疲労症候群診断基準
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では慢性疲労症候群について記載してまいりました。
慢性疲労症候群は原因不明で完全な治療方法も特定できていない非常に厄介な病気です。
この病気になってしまった方は、自分が慢性疲労症候群なのか気が付けない人も多く、医師も診断できないことも多いので、まずはこの病気を知ることがスタートとなるかと思います。
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