十二指腸潰瘍の手術方法は内視鏡?時間や入院期間・費用は?
内視鏡など十二指腸潰瘍の手術の方法について
十二指腸潰瘍の手術はかなり減ってきているのですが、かかった方にとってはその内容は気になる所かと思います。
方法は内視鏡によるものも多いと言われていますが、手術の時間や入院期間、あるいは費用はどれくらいかかるものなのでしょうか?
本記事では十二指腸潰瘍の手術方法や入院費用など気になると思われる情報をお伝えしたいと思います。
十二指腸潰瘍では手術が必要?
十二指腸潰瘍になった場合、昔は手術の頻度も高かったのですが今はそこまで手術の頻度は高くなく、痛みで動けないほどの重症にでもならない限り基本的には手術は行わなくなっています。
手術が不要の場合、通院は行うことになりますが、基本はピロリ菌の除菌と薬物療法及び生活習慣や食生活の改善指導になります。
特に重要なのがピロリ菌の除去で、この除去がうまくいかなかった場合は高確率で再発してしまうので、必ず除去を行うことになります。
手術の方法はほとんどが内視鏡?
もし手術が必要になった場合、よほどの急ぎの手術でなければ内視鏡による手術で出血を止める治療を行うことになるようです。
具体的にはレーザーで血管を焼いたり止血剤を注射するといったものです。
この止血治療で効果が無かった、もしくは大きな穴が開いているなど止血できるレベルを超えている場合は開腹手術やお腹を大きく切らない腹腔鏡下手術が行われることになるでしょう。
このように考えた場合、手術の基本は内視鏡であると言っても良いでしょうし、そこで治らなかったら次のステップに進み開腹手術に移行すると捉えられると良いと思います。
手術の時間や入院期間は?
いくらか個人差もありますが、内視鏡手術の場合は最速で手術した日にすぐ退院したという人もいます。
しかし開腹手術やお腹を大きく切らない腹腔鏡下手術を行った場合はある程度の期間入院することになるでしょう。
入院期間も人によってまちまちですが平均入院期間は約2週間から3週間と言われています。
これは他の病気とそんなに大差がない期間ですね。
手術にかかる時間についてはかなりばらつきがあり正確な時間は分からないところがありますが、早ければ1時間で終わり、ある程度時間がかかった場合は3時間以上かかるようです。
日帰りも可能?
手術が必要となったケースで日帰りができる人がいるかどうかですが、内視鏡の手術だった場合は日帰りでる人もいるようです。
ただし、これは内視鏡手術だったら100%日帰りできているというわけではなく、この日帰りを認められた人も医師に事情を説明してどうしても日帰りがしたい旨を理解してもらった上でのことのようです。
ですので、たいていのケースは何も言わなかったら内視鏡による手術でも数日間は入院生活をすることになると考えた方がいいでしょう。
ただ単に早く帰りたいからという理由では難しいと考えてください。
つまり、どうしても日帰りをしなければいけない事情があるのならば手術の前に医師と相談して、できるか否かの確認をとるのが一番でしょう。
手術の費用は?
十二指腸潰瘍で入院した場合に最終的にかかる費用はだいたい10万円と考えてください。
どのようにして出た数字かというと、手術代を含めた入院費用がだいたい80万円くらいになり、そこから患者の負担は健康保険に入っていると仮定すると3割負担になるのでだいたい25万円は払うことになります。
そこからさらに退院後「高額医療費請求」の手続きをするといくらか金額が返ってくるのでそれがだいたい15万円くらいになるので、約10万円という計算になっています。
しかし、これはあくまで目安なので検査の内容・手術の内容・入院日数などで変わってくるので参考程度に捉えてください。
手術後に気をつける点は?
十二指腸潰瘍で一番気を付けるべきことは再発になります。
手術によって一命をとりとめたとしてもピロリ菌の除去や生活習慣改善と食生活改善を行わない限り再発する可能性が残ってしまいますので、それらの改善や菌の除去作業は必須となっています。
なので、大切なことは渡された薬を指示されている期間は必ず使い続けること、また原因をしっかりと突き止めてその原因をなくすことにあります。
十二指腸潰瘍になる原因はピロリ菌以外にも食生活やストレスといったところにもあるので、原因が食生活の場合は健康を意識して消化のいい食べ物を食べるようにしたり、ストレスが原因ならストレス解消方法を身につけてストレスを溜めないようにする必要があるでしょう。
十二指腸潰瘍の症状について
十二指腸潰瘍とは十二指腸に炎症が発生し、度重なる炎症によってその部分がえぐられていってしまって、最終的には貫通してしまう非常に危険な病気です。
具体的な症状の現れ方は空腹時に痛みがよく出るようになって、寝ている時にも痛みで起きてしまうようになります。
また、食後の30分から1時間程度経過した後に上腹部痛が発生することもあるでしょう。
この痛みは出ない人もいます。
それ以外にも、胸焼けや吐き気、嘔吐などの症状が出ることもあります。
食欲については減退する人もいるようですが、全ての人が当てはまるわけではなさそうです。
ここからさらに症状が悪化すると、潰瘍ができた部分からの出血が起こったりするようになるので、吐血するか下血するようになります。
基本的に胃酸と混ざるようになるので、その時に出てくる血は黒くなります。
最終的には穴が開くので、こうなると発熱や呼吸困難等の症状が出るようになります。
逆流性食道炎の症状【喉・咳・痰・背中の痛み・吐き気など】と治療法
十二指腸潰瘍による幽門狭窄とは
幽門狭窄(ゆうもんきょうさく)とは胃の出口である門部が狭くなって食べた物・飲んだものが逆流する病気です。
これは十二指腸潰瘍で十二指腸に穴が開いて腹膜が胃酸などで刺激されて起こる病気である腹膜炎を併発してしまうと十二指腸の入り口が狭くなる「幽門狭窄」が合併症として起こることがあるようです。
こうなると内視鏡の通過はできなくなり、無理やり押し込んでしまうと消化管穿孔を起こす可能性があるため、手術が必要な場合は内視鏡手術ではなく開腹手術やお腹を大きく切らない腹腔鏡下手術に移行することがあるようです。
十二指腸潰瘍による穿孔(せんこう)とは
穿孔(せんこう)とは胃や腸に穴が開いた状態のことです。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍が悪化した場合にも起こる現象となっています。
もともと胃や腸には汚れたものや酸が詰まっているため、もし穴が開いてしまったらそれらが他の内臓に飛び散ってしまいます。
そうなると他の内臓に非常に悪影響を与えてしまいますので、もし穴が開いてしまったら緊急手術が必要となります。
壁に穴が開く穿孔が発生したら多くの内臓が壊れる危険性があり、下手するとショック死する可能性があるのでそうなる前に必ず治療を行う必要があります。
もともと「胃壁」や「腸壁」は、簡単には穴が開かないようにできているので、この病気は相当強烈な病気ということです。
十二指腸潰瘍に関しましては次のページも参考にしてください。
十二指腸潰瘍の原因は?ピロリ菌・お酒・ストレス?子供も危険?
十二指腸潰瘍の症状【背中の痛み・吐き気・下痢】死因にも?
十二指腸潰瘍穿孔は緊急手術が必要?腹膜炎の危険がある?
十二指腸潰瘍の治療【薬・食事・入院】と期間や費用
十二指腸潰瘍は死因に?症状や原因・治療・食事法について
十二指腸潰瘍の手術等につきましては次のサイトも参考にしてみて下さい。
時事メディカル 胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
本記事では十二指腸潰瘍について治療方法や手術内容、および入院期間から費用までお伝えしました。
十二指腸潰瘍における治療方法は手術といったものはあるけれど、それは最終手段でほとんどの場合は薬やピロリ菌の除菌などで対処できるということでした。
また手術になった場合でも主流になるのは内視鏡手術で、それでは手に負えない場合は別の手術を行うことになると言うことでしたね。
そしてもし十二指腸潰瘍で穴が開いてしまったら最悪命に関わるケースもあるので、そこまで症状が悪化する前に治療するのが大切であるということでした。
本記事が十二指腸潰瘍における参考として皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
LEAVE A REPLY