十二指腸潰瘍の治療【薬・食事・入院】と期間や費用
薬・食事など十二指腸潰瘍の治療について
十二指腸潰瘍になってしまった場合、どのような治療が行われて、どのような薬を使うことになるかご存知でしょうか?
それ以外にも食事内容や入院費用、治療期間がどのくらいかかるのかなど分からないことも多いですよね。
本記事では十二指腸潰瘍の治療方法と治療期間及び治療にかかる費用などについてお伝えしていきます。
十二指腸潰瘍の治療方法の概要
十二指腸潰瘍の治療方法は症状が軽いなら生活習慣改善・食生活改善・ピロリ菌の除菌・薬物療法といったところになります。
症状が重いなら手術になり必然的に入院となります。
重症の判断基準は十二指腸に穴があいている場合、または出血が止まらない場合です。
この中でも特に注意してほしいのがピロリ菌の除去で、この除去がしっかり行われていないと再発する可能性が跳ね上がります。
ピロリ菌に感染していない場合は行いませんが、高確率で十二指腸潰瘍の患者は感染しているので、たいていのケースは生活習慣改善・食生活改善・ピロリ菌の除菌・薬物療法の4つが主体となるでしょう。
薬について
十二指腸潰瘍で使う薬は十二指腸の防御機能を高める薬や胃酸の分泌を抑える薬になります。
具体的にはヒスタミンがH2受容体に結合するのを防いで胃酸の分泌を抑える「ヒスタミンH2受容体拮抗薬」や胃の壁細胞にある胃酸を分泌するプロトンポンプの働きを妨げて胃酸の分泌を抑える「プロトンポンプ阻害薬」といったところでしょうか。
また、ピロリ菌除去として「抗菌薬」を用いた治療を行います。
これを用いた除菌成功率は60~80%ほどになりますが、除菌ができていない場合はもう一度7日間にわたって薬を服用することになります。
この再使用でほとんとのピロリ菌は除去できるようです。
食事について
十二指腸潰瘍になった場合は治療法の一つに食生活の改善を言い渡されることがあります。
これは十二指腸の粘膜や機能に負担をかけないための処置で、とにかく消化のいいものを優先して食べるように促されるでしょう。
逆にタコやイカのような硬くて消化がし難いものは食べてはいけないものとなります。
その他にも消化しやすくするために茹でたり柔らかく調理したりして工夫をする必要があります。
とにかく食べてはいけないものは消化に時間がかかる食物繊維が多いもの・強い香辛料が使われているような刺激が強いもの・熱すぎるもの・冷たすぎるもの・酒・コーヒーなどといったもので、これらは十二指腸潰瘍や胃潰瘍になった場合は食べることができません。
出血を伴う十二指腸潰瘍の治療について
まず出血があるかないかで十二指腸潰瘍の対処方法は変わります。
出血がある場合はまず内視鏡を使って出血を止める治療を行います。
その方法はレーザーで血管を焼いたり止血剤を注射するといったものなのですが、ここで効果が無い場合は外科手術になってしまいます。
それ以外にも最初から容態がすでに悪いケース、例えば潰瘍が穿孔(穴が開く)している場合や十二指腸の入り口近辺に狭窄が発生してしまって食べ物を通さなくなってしまった場合も最初から外科手術となることもあるでしょう。
穿孔を伴う十二指腸潰瘍の治療について
十二指腸潰瘍の症状が進んだ場合、穿孔(せんこう:穴が開く)が生じることがあります。
この状態になると、すさまじい痛みが発生し、まず歩くこともできないでしょう。
たいていの場合は即救急車で運ばれて、緊急手術となります。
例外的に手術以外の対応もありますが、基本は穿孔まで進んだら手術が必要であると考えてください。
この手術は基本的に外科医がお腹の中に手を入れて穴をふさぐ「開腹手術」になるのですが、他にも「腹腔鏡下手術」のようにお腹に1~2センチ程度の穴をあけて「腹腔鏡」や小さなマジックハンドを用いたお腹を大きく切らない手術もあるようです。
入院が必要?
基本的に薬物療法とピロリ菌除去、生活習慣改善と食生活の改善が主流となりますが、症状が重く手術が必要になってしまった場合には入院生活が待っていることもあります。
昔と比べれば治療法もある程度確立されているので十二指腸潰瘍で入院するケースは減ってきていて通院で治すこともできるようになっていますが、症状が重くなってしまったら医師と相談して手術をして、入院することになります。
一説によると胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、患者全体の約1%しか入院していないようで、入院するケースは稀になっているようです。
十二指腸潰瘍の治療期間と費用について
十二指腸潰瘍の治療期間は他の病気と同じで症状の進行度合いで変わってきます。
症状が軽く薬物療法やピロリ菌除去で対応することになれば、だいたい2カ月は薬の服用を促されることになるでしょう。
注意することは、途中で症状が軽くなったからと言って自己判断で服用をやめてしまうことで、必ず医師から言われている期間は薬を飲み続けるようにしてください。
また手術が必要になった場合でも内視鏡検査で済んだ場合は、医師にもよりますが早ければ入院することなくすぐ退院となるケースもあるようです。
しかし症状が重く「開腹手術」が必要だった場合は約2週間から3週間は必要となると言われております。
費用についてですが十二指腸潰瘍は手術や入院に対して保険が効きますので1日あたりの医療費は約3万円とすると退院までだいたい約50万円となります。
ですがここから高額療養費制度を考慮することになるのでさらに金額が減って、自己負担額は10万円以下で治まるようです。
十二指腸潰瘍を自力で治すことはできる?
十二指腸潰瘍はどの程度の状態になっているのかで自力で治せるレベルなのかどうかが変わってきます。
そのため、一概に「自力で治せます!」とは言えないですし、やはり治療の基本は通院及び入院となります。
実際の線引きの仕方は医師によって変わってくるでしょうが、すでに出血をしている段階ならば内視鏡的止血治療が必須になりますので、自力で治せる段階は超過しているといえるでしょう。
出血がない状態でも、薬による治療が行われますので、できる限り病院にはいったほうがいいです。
ピロリ菌がいる場合は除菌治療を行うのが基本なので、医師が処方する薬に頼った方がいいと思われます。
治療中にアルコールを飲んでも良い?
基本的に十二指腸潰瘍の時にお酒を飲むのは禁止です。
お酒は胃酸が盛んに分泌されるようになるので飲むのはやめましょう。
少量のお酒なら問題はそんなにないという意見も多少はあるようですが、医師からは間違いなく禁止と言われることの方が多いため飲むのは控えましょう。
それ以外にもタバコも胃酸が盛んに分泌されるようになるため喫煙者は禁煙を指示されるでしょう。
十二指腸潰瘍に関しましては次のページも参考にしてください。
十二指腸潰瘍の原因は?ピロリ菌・お酒・ストレス?子供も危険?
十二指腸潰瘍の症状【背中の痛み・吐き気・下痢】死因にも?
十二指腸潰瘍穿孔は緊急手術が必要?腹膜炎の危険がある?
十二指腸潰瘍の手術方法は内視鏡?時間や入院期間・費用は?
十二指腸潰瘍は死因に?症状や原因・治療・食事法について
十二指腸潰瘍につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
徳洲会グループ 消化器内科の病気:胃・十二指腸潰瘍
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
今回は「十二指腸潰瘍の治療【薬・食事・入院】と期間や費用」と題しまして十二指腸潰瘍の治療方法と治療期間、治療費についてお伝えしてまいりました。
基本的に十二指腸潰瘍の治療方法は生活習慣改善・食生活改善・ピロリ菌の除菌・薬物療法になり、よほど症状が悪くない限りはこの4つの方法で対応することになるようです。
そしてあまりにも症状が重い場合は手術を行いますが、手術にも大きく分けて2種類あって内視鏡を用いての止血とそれで無理なら開腹手術になるということでした。
また、入院にまで発展するケースはもはや稀でたいていの場合は入院や手術を行わないでも治療ができるようになっているということでした。
本記事が十二指腸潰瘍の参考として皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
LEAVE A REPLY