十二指腸潰瘍穿孔は腹膜炎の危険がある?緊急手術が必要?
十二指腸潰瘍穿孔と腹膜炎および緊急手術について
十二指腸潰瘍穿孔は生命にも関わる腹膜炎を併発する非常に危険な病気と言われております。
しかしこの穿孔や腹膜炎において緊急手術な必要なものなのかや、どのような状態なのかを知っている人はそんなに多くないでしょう。
本記事では十二指腸潰瘍穿孔は緊急手術が必要なのか、また腹膜炎はなぜ生命に関わるのかなどをお伝えしたいと思います。
十二指腸潰瘍とは?
そもそも、潰瘍とは皮膚や粘膜の一部が深く傷ついてえぐれた状態になってしまったことです。
この状態がひどくなると、貫通して穴が開きます。
胃や粘膜でこの潰瘍はよくできるのですが、度重なる炎症が発生することで重症化していくのです。
この潰瘍ができるメカニズムは完全には解明されておらず、ヘリコバクターピロリ菌の感染によって毒素がはき出されることや、胃や十二指腸の攻撃因子と防御因子のバランスが崩れることで発症するとも言われております。
つまり、十二指腸潰瘍とは何らかの原因で炎症が発生し、十二指腸の一部がえぐられて、最終的には穴が開いてしまう病気のことを意味しております。
男性の方が女性よりも圧倒的に発症しやすく再発する頻度も高いので、胃痛やみぞおちの痛みには注意しましょう。
十二指腸潰瘍穿孔とは?症状は?
十二指腸潰瘍の症状がかなり進むと、吐血や下血という出血が出てきます。
この状態からさらに症状が悪化すると先ほど触れたように十二指腸に穴が開いてしまう穿孔というものが発生します。
これが十二指腸潰瘍穿孔です。
症状は腹部全体に激しい痛みが起こり、歩くこともままならない状態になります。
そして出血やおう吐を伴うことも多いようです。
さらに腹膜炎を併発してしまうこともあり、治療が遅れると死に至ることもあります。
つまり十二指腸潰瘍穿孔は非常に危険な状態で今すぐにでも手術が必要な状態であると理解してください。
十二指腸潰瘍穿孔と腹膜炎
十二指腸潰瘍が悪化して穿孔が生じると、合併症として先ほど挙げた腹膜炎が発生することがあります。
この腹膜炎とは腹部内臓を守る腹壁を覆っている腹膜に菌が侵入して起こる症状のことです。
通常では細菌感染による急性腹膜炎が発生するのですが、胃や十二指腸に穴が開いた場合は便などの汚れたものや酸が内臓にぶちまけられてしまい一気に腹膜が汚されてしまい腹膜炎になってしまいます。
この状態になってしまうと、最悪死に至る可能性もあるということです。
ですので、穴が開く前に治すことが大切なのです。
十二指腸潰瘍穿孔は緊急手術が必要?
緊急手術が必要か必要ではないかという話になった場合ほとんどの場合は必要でしょう。
まず十二指腸潰瘍穿孔が発生した時はすさまじい痛みが発生して動くこともできない状態になるので、救急車は必須になります。
そして十二指腸に穴が開いて内臓に汚物を放出されてしまっている状態になっているので、腹膜が様々な菌におかされてしまいます。
そうなると高確率で腹膜炎が発生し、時間を置けば置くほど死に至ってしまう可能性が高まっていくため一刻も早い手術が必要になるのです。
この歩けないほどの痛みというのは比喩表現でもなんでもなく、実際にこの状態になった人のほとんどが「激しい痛みが生じて動くことができなくなった」と答えており、それほどの痛みが出るということを覚えておいてください。
治療について
十二指腸潰瘍穿孔の治療はまず圧痛があるかどうかを調べるためにお腹を押します。
そのあとすぐに穿孔しているかどうかを確かめるためにX線検査を行い空気の漏れが生じているか確認します。
穴が開いているかどうかで治療方法が異なるのでこの検査は重要となるのです。
その後口から内視鏡の管を入れて状態を再度確認することもあります。
とにかく不要な手術を避けるため、また正確な手術を行うためにも、穴が開いているかまたは穴が開いている場所はどこなのかをはっきりさせるようです。
その後お腹を大きく切る「開腹手術」を行って穴をふさぎます。
最近は医療技術が進んで開腹手術以外にも「腹腔鏡下手術」というお腹を大きく切らない手術もあるのでそちらを行う可能性もあるようです。
これは1~2センチ程度の穴をお腹に4~5か所ほど開けて、そこから腹の中を除く腹腔鏡やマジックハンドを使って手術を行うという方法とのことです。
原因について
十二指腸潰瘍穿孔の原因は十二指腸潰瘍の放置になります。
十二指腸や胃はそう簡単には穴が開くものではないのですが、この病気は相当強力な病気で最終的に穴をあけてしまいます。
つまり潰瘍はよく聞く病気ではありますが非常に危険な病気であると認識していただきたいです。
今では医学が進歩したので、手術による治療を行わなくても治る確率が非常に高くなっているので穴が開く前に、出血が発生する前に治すようにしてくださいね。
このような状態になる前におそらく異変を感じると思いますので、早めに病院に行きましょう。
十二指腸潰瘍時の食事について
十二指腸潰瘍の治療中である時の食事は様々な制限を受けることになります。
まず症状があまりにも重い場合、栄養補給は点滴で行って絶食を行うことになります。
しかしこの絶食も長期間行うわけではないので、すぐに流動食を中心とした食事を開始することになります。
このような手術が必要なレベルの十二指腸潰瘍ではなく、次に薬物療法が中心の治療における食事改善について説明します。
避けてもらいたい食べ物は香辛料が多いもの・酸味の強いもの・甘味の強いもの・塩辛いもの・嗜好飲料・消化の悪いもの・冷たすぎるもの・熱すぎるものといったところでしょう。
また、食事の仕方も注意点があり早く食べすぎたり噛む回数が少ない食事は避けねばなりません。
とにかく消化の良いものを食べるようにして、消化の良い調理をし、暴飲暴食は下げて、ゆっくりと食事をして、よく噛んで食べるようにしましょう。
十二指腸潰瘍の予防法は?
十二指腸潰瘍の予防方法は胃腸の調子を常日頃から良い状態に保ち続けることにあります。
具体的にいくつか下記に記載しますので参考にしてください。
・栄養バランスを整えた食事をする
・胃の負担になるような暴飲暴食はしない
・寝る前の食事は厳禁
・ストレスを溜めすぎないで発散方法を身に付ける
・タバコを止める
・酒を止める
・適度な運動を行う
・噛む回数を増やす
・食事はゆっくり行うようにする
・睡眠はしっかりとる
以上になります。
まだまだ他にもありますが大切なことは胃腸に負担をかけない生活習慣と食生活を心がけることおよびストレスには十分気を付けた方が良いでしょう。
ストレスが溜まりすぎると睡眠がちゃんととれなくなったり、暴飲暴食に走ったり、自律神経が乱れて胃酸が多く分泌されるようになったりと胃腸に悪い状態が連鎖的に起こるので必ず発散方法をみつけるようにしてください。
とにかく病気にならない体をつくることが一番強力な予防法なので日々健康的にすごして、体調が整うよう心掛けて生活しましょう。
十二指腸潰瘍に関しましては次のページも参考にしてください。
十二指腸潰瘍の原因は?ピロリ菌・お酒・ストレス?子供も危険?
十二指腸潰瘍の症状【背中の痛み・吐き気・下痢】死因にも?
十二指腸潰瘍の手術方法は内視鏡?時間や入院期間・費用は?
十二指腸潰瘍の治療【薬・食事・入院】と期間や費用
十二指腸潰瘍は死因に?症状や原因・治療・食事法について
十二指腸潰瘍穿孔につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
徳洲会グループ 消化器外科の病気:胃十二指腸穿孔
最後に
以上、いかがだったでしょうか?
今回は十二指腸潰瘍が進んで穴が開いた穿孔の症状や治療法、並びに予防法についてお伝えしてまいりました。
十二指腸潰瘍の症状が進んで穿孔まで進んでしまうと、最悪死に至る危険性もあるため、そうならないためにも途中で病気に気が付いて治療を行うことが大切であるということでしたね。
また、食事の改善は胃腸に優しい食事を心がけることが大切でそれ以外にも食事の摂り方にも注意が必要ということも分かりました。
そして十二指腸潰瘍に対しての予防はたくさんありとにかく胃腸に負担をかけない日常生活と食生活が大切ということでした。
本記事が十二指腸潰瘍における参考の一つとして皆様のお役に立てるものになれば幸いに思います。
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