胆石による胆嚢炎の症状や原因・治療法は?手術法や食事は?
胆石による胆嚢炎の観察項目や治療について
胆石や胆嚢炎というのは日本人でも比較的発症例が多く、症状や原因、治療法といったものを気にしている人も多いと思います。
治療に至っては手術もあり得、また食事療法も大切になってくるようです。
今回の記事では胆嚢炎に関する内容について触れてみたいと思います。
胆石による胆嚢炎の症状【観察項目】は?
胆石による胆嚢炎の基本的な症状は発熱と腹痛になります。
腹痛が出る場所はみぞおちから右の肋骨下あたりまでになり、持続的に痛みが出ます。
この痛みは腹痛だけではなく背中や胸にまで及ぶことがあるので、狭心症といった心臓の病気と勘違いされることもあるでしょう。
この痛みのレベルは様々で軽い人もいるようですが、放置している期間が長いほど悪化していく傾向があります。
また、胆汁が詰まって流れなくなるので、皮膚に黄疸症状が出るようになります。
腹痛と熱だけでは気が付かないこともありますが、黄疸症状が出ていることで他の病気とは違うと気が付く人も多いでしょう。
原因について
発熱・腹痛・黄疸が症状として出てくる胆嚢炎ですが、この胆嚢炎が発生する大きな原因は胆石にあります。
この胆石が溜まってしまうと胆汁の流れをせき止めてしまうようになり、細菌感染が発生して胆嚢炎を引き起こすようになるのです。
つまり、胆石の有無によって発症確率が大きく変わるものなので、いかにして胆石の発生を抑えるのかがカギになります。
この、胆石ができてしまう理由はコレステロールの過剰摂取でしょう。
胆石はコレステロール系結石や色素結石などいくつか種類があるようですが、最も発生頻度が高いのがコレステロール系の結石です。
過剰なコレステロールは胆汁のなかに含まれている胆汁酸の作用によって溶かされるのですが量が多すぎると溶けなくなってしまい、胆汁の中で結晶化が発生するようになるのです。
結晶化が発生すると結石ができて溜まっていってしまいます。
つまり、コレステロールが増えやすい肥満・高脂血症・糖尿病といった症状がある方は要注意ということになるのです。
治療法は?
基本的な対処法は手術か薬になるようです。
手術の場合は内視鏡を使って行う腹腔鏡手術が主体になっているようですが、以前は開腹手術が主流でした。
腹腔鏡下胆嚢摘出術は世界的な標準的治療法になっているようで、社会復帰も早く多くの方が体験してきているようです。
胆嚢の機能が問題ない状態で、胆石も1センチ以下の小さなものだった場合は、胆石溶解療法という薬を使った方法が実行可能な場合があります。
これはコレステロール系の結石が原因で胆嚢炎が起きている方限定のようですが、ウルソデオキシコール酸を含む薬剤を使うことで手術を行うことなく結石を溶解させることができるようです。
ただし、飲めばすぐに全快するといった魔法の薬ではないので、長期間の服用が必須と言われております。
その期間は短い人で数ヶ月、長い人で数年とのことです。
結石も100%消えるわけではなく高くても成功率は5割程度と言われており、治療に成功したとしても再発する確率も3~5割ほどあるとのことです。
他にも体外から衝撃波を当てて結石を砕いて細かくするという体外衝撃波結石破砕療法というのもあります。
手術について
先に触れていますが、胆石や胆嚢炎の手術は昔と比べると負担が少ない腹腔鏡下胆嚢摘出術が主流となってきているので、患者さんは比較的早く退院することができるようになりました。
これは傷も小さいですし回復も早いのでおそらくしばらくはスタンダードな方法として扱われるようになるでしょう。
しかし、胆嚢の炎症が悪化して周辺の臓器とくっついてしまっており腹腔鏡下胆嚢摘出術ができない状態の人もいます。
そのような方は昔ながらの開腹胆嚢摘出術を行うしかないようです。
胃の手術を受けたことのある方も腹腔鏡下胆嚢摘出術ができない可能性があります。
胆石だけを除去したいと考える人も多いようですが、これは非常に手間がかかり再発する可能性もあることから、根治的な治療は摘出手術になってしまうのでしょう。
検査方法について
胆石や胆嚢炎の検査方法は腹部エコー検査やCTやMRIを使った検査を行います。
これはいわゆる画像検査と呼ばれるもので、石灰化胆石の検出や胆嚢周囲の炎症を確認する方法としては有用となっております。
こちらが最も標準的な方法と言えるでしょう。
特に、エコー検査は主流になっているので、胆石や胆嚢炎はこの検査で発見される例も多々あるようです。
ただし、一部には鑑別が難しいものも存在するとのことなので、採血による血液検査も行われているようです。
実際に胆石がある場合は胆石発作に伴って血液検査にて数値としての変化が表れるようになりますので、そちらも合わせて実行することがより確実であるという声をよく見ます。
基本は、エコーなどを使った画像検査で、怪しいと思われた場合は血液検査も行うと考えるといいでしょう。
食事について
胆石ができてしまう最大の理由は食生活にあります。
胆嚢炎になって摘出手術などを行った後の人もコレステロールの摂取量はコントロールし続ける必要がありますし、手術の必要が無かった人でも悪化させないように脂質は抑制し続ける必要があるのです。
他にも、難消化性食品も避けないといけないでしょう。
具体的には牛ロースや豚ロースといった脂肪の多い肉類、たけのこ・ごぼう・レンコン・ひじき・きのこ類も消化に時間がかかるので食べる量は減らしたほうがいいです。
他には塩分が多いもの、カフェインが多いもの、香辛料が多いもの、炭酸医療、アルコールといったものも避けた方がいいでしょう。
つまり、脂っこいものや消化に悪いもの、塩分が多いものといったものを避ける必要があるということになります。
合併症について
発生しやすい合併症は腸閉塞の一種である胆石イレウスや、胆汁が漏れて腹腔内で炎症が発生してしまう胆汁性腹膜炎が主なものとしてあり、他にも胆嚢壊疽・胆嚢穿孔・膵炎といった合併症が発生することがあります。
基本的に合併症になる方は胆嚢炎を長く放置し続けてしまった方の傾向があるので、症状が重くなる前に対応すれば合併症が出る確率はかなり低くします。
胆嚢炎はなぜ女性に多い?
急性胆嚢炎は中年の肥満の女性に比較的多いと言われているようですが、食生活の欧米化によって発症確率が引き上げられているので、その人の食生活次第のところも多いようです。
女性が多い理由は詳細には明らかになっていませんが、更年期によって女性ホルモンが急速に低下することが起因することがあるとのことなので、更年期障害を患っている方は要注意と言えそうです。
予防法について
とにかく普段の食生活から気を付けることでしょう。
胆石は中年以降に増加する傾向にあるので、肥満気味の中年の方は食生活を見直しましょう。
脂肪の多い食事は避けましょう。
逆に高タンパク質の食品やビタミンCが多い食品は胆石予防として役立つようなので日ごろから意識して摂取するようにすると良いでしょう。
インスタント食品や加工食品が主体、肉が大好き、お菓子も大好き、クリームやバターも好き、野菜は嫌い、揚げ物が大好きといった方は要注意なので、これらに当てはまる食生活をしている方は気を付けるようにしてくださいね。
現代人にとって、美味しいと感じる食品がずらりと並んだような気がしますが、病気のもとになる可能性が高いということを意識してしっかりと食事をコントロールするようにしましょう。
胆石につきましては次のページも参考にしてください。
胆嚢炎につきましては、次のサイトも参考にしてみて下さい。
最後に
以上、いかがだったでしょうか。
今回は胆石や胆嚢炎について触れさせて頂きました。
食生活によって発症確率が大きく変わるこの病気は、ある意味現代病ともいえるものであり、普段から食事をコントロールする必要があるということを再認識させるものと言えるでしょう。
高コレステロールの食事が主体の方は、この胆石以外にも他の病気を引き起こしてしまう確率が高まるので、胆石や胆嚢炎を防ぐことで他のいろんな病気を防げるようになります。
病気になってからでは遅いので、今一度食生活を見直してみてはいかがでしょうか。
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